マイルGI春秋制覇を狙うジャンタルマンタルの仕上がりは?
今週は土日月の3日間開催。福島は土曜日と月曜日になって、最終週。特別登録の段階でも頭数が多く、出馬ラッシュになりそうな予感です。そして、重賞は福島記念、マイルCS、東京スポーツ杯2歳Sと1日1重賞。馬券的に面白かったり、実力伯仲だったり、来年のクラシックを占う上で見逃せなかったりと盛りだくさんです。
今週末は日曜日が京都、月曜日が福島とイベントや仕事で大忙し。だからこそ、ウマい馬券の予想を充実させて、しっかりと的中して回収率を上げていくということにこだわっていきたいと思います。
【福島記念/エコロヴァルツ】
マイルCSにも登録がありましたが、58.5キロなら距離と相手関係を選んでこちらを使ったということでしょうか。確かに前走天皇賞(秋)は11着とはいえ、勝ち馬からは0.6秒差ですし、そこが58キロを背負っていたことを思えば、0.5キロ増でこの相手ならという感じかもしれません。
今回は中2週ということで、追い切り内容に関しては牧浦充徳厩舎らしく、軽い内容になっています。だから、厩舎としては珍しくないパターンではありますが、この馬自身は中2週が初めて。そこはちょっと気になるところです。

軽い調教内容のエコロヴァルツ(11月18日撮影)
【福島記念/イングランドアイズ】
3勝クラスの身で小倉記念を制覇。51キロという軽量の恩恵があったことは間違いありませんが、54キロのチャレンジCでも5着。まだ軽いハンデではありますが、重賞でやっていけそうなところは見せています。
1週前追い切りのCWでも素晴らしい動き。ダノンデサイルを追走して、一旦は内から追い抜きますが、ゴール前ではさすがに差し返されるような感じ。ただ、6F78.5秒は自己ベストを大幅に更新する時計でしたし、間違いなく状態は良いだろうという動きでした。最終追い切りは前走と同じCW。6F87.4秒は輸送を意識していると思いますし、きれいな加速ラップを踏んだという意味ではむしろ評価できます。
【マイルCS/ジャンタルマンタル】
前走休み明けの富士Sでは1週前追い切りが11.6秒、最終追い切りが11.7秒という坂路でのラスト1F。行きたがる気持ちをうまくコントロールして走ることができているという印象でしたし、休み明けでも追い切りでの動きは目立っていたと思います。
それに比べると、1週前追い切りの坂路はラスト1F12.0秒ですから、多少地味な動きに見えます。ただ、レース間隔が違いますし、間隔が詰まった時はこのくらいで結果を出している馬。最終追い切りの坂路では4F54.1秒でラスト1Fが11.8秒。ここで11秒台を踏んでいるので、何ら心配することはありません。

心配することのない追い切り内容だったジャンタルマンタル(11月11日撮影)
【マイルCS/アスコリピチェーノ】
フランス遠征帰りになりますが、サウジ遠征帰りのヴィクトリアマイルで1着。そこは実績がありますし、右回りも阪神JFでGIを勝っているので、全く問題ないといってよいでしょう。今回は当時と同じ関西圏でのレース。この時もそうですし、桜花賞の時も栗東に滞在していて、今回も同じパターンでの調整となっています。
2歳時、3歳時に比べると楽にCWで時計を出すことができるようになっている印象。週末もCWで追い切っているという点が阪神JFや桜花賞とは違いますが、それ以外の日で坂路の軽い時計を出すようにしていることは意図だということなので、調教量自体は非常に豊富です。最終追い切りのCWでも併せ馬を追走して、7F標識あたりから速いラップを踏んでいって「攻めるわ」という内容。6F80.4秒、1F11.2秒で文句ありません。

豊富な調教量をこなしたアスコリピチェーノ(11月18日撮影)
【東京スポーツ杯2歳S/ローベルクランツ】
阪神芝1800mの新馬戦は2着でしたが、勝った相手はサレジオ。それ以外の出走メンバーは軒並み未勝利を勝ち上がっており、レベルの高いレースだったことは間違いないと思います。それは中京芝2000mの未勝利で完勝したことからも歴然です。
今回は2週前追い切りの坂路で4F52.5秒をマークして自己ベストを更新。1週前追い切りのCWでは6F80.1秒をマークして、こちらも自己ベストを更新しています。追い切り本数は多くないだけに、そこだけは気になりますが、追い切りの動きの質は確実に夏よりも向上していると思います。

夏よりも動きの質が上がったローベルクランツ(11月18日撮影)
◆注目の2歳戦
・11/15 デイリー杯2歳S【アドマイヤクワッズ】(1人/1着) 将来有望調教該当<5頭>
8頭立てで将来有望調教が5頭もいる、決してレベルの低くないレース。ただ、1着、2着がマッチレースで3着以下がちぎれてしまったことで、2頭のレベルがもっと高いことを示しています。カヴァレリッツォをマークするような騎乗できっちり勝ち切ったところは次走に向けても大きな収穫です。
◆開催おすすめの調教適性
<京都芝1600m外>
◎最終追い切りが坂路馬場で4F目最速ラップ
◎最終追い切りがトラックウッドチップ馬場でラスト2F12.0秒以下
○追い切り本数が標準以上の併用系統の調教タイプ
トラックWはラスト2F内でラスト1Fが最速になるラップでベスト。先週のデイリー杯2歳Sでは最終追いがCWでラスト2F11.9秒、11.5秒の7番人気が3着。1着2着も1週前追い切りではCWでラスト1F11.5秒以下をマークしていたので、これはなかなか重要な調教適性のファクターかもしれません。