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開幕週からキャロットファームが独占?

  • 2011年06月13日(月) 18時00分
【栗東】
◆ディアデラバンデラ(牡、父シンボリクリスエス、母ディアデラノビア、栗東・角居勝彦厩舎)
 母は2005年オークスで3着、古馬になってからは京都牝馬S、愛知杯を制した角居厩舎の管理馬。その初仔だが、12月デビューだった母に比べて半年も早くデビューできる点はなんとも頼もしい。ゲート試験に合格してから一旦放牧に出されて再入厩している。そこから順調に調教を重ねて、目立ったのは6月1日のCWでの3頭併せ。先行はしていたものの、直線で3頭の真ん中に入ると頭ひとつ出た状態でフィニッシュ。時計は遅かったが、前向きな走りが印象的な追い切りだった。そして翌週8日も同じようにCWで3頭併せとなったが、この時は追走して先着。6F86.7〜4F56.3〜1F12.8秒も特筆するほどの数字ではないものの、時計以上に動きが目立つ印象。6月19日(日)の阪神芝1600mを福永祐一騎手でデビュー予定。
ディアデラバンデラ


◆フランベルジェ(牡、父デュランダル、母ムガメール、栗東・安田隆行厩舎)
 ダートで4勝した半兄メガトレンドは同じ安田厩舎で管理されていたが、入厩当初から「タイプは違いますね。タイプとしては非力ですが、スピードがありますね」と安田調教師が評価していた。それが調教を進めていくごとに師の印象も変化したようで「段々とパワーもついてきましたね。馬場の重い坂路でもしっかり動けるようになりました」とその成長ぶりを喜んでいる。時計が出る馬場だったとはいえ、6月8日の坂路では4F52.3〜1F12.5秒と全体時計が速い上に終いもしっかりした動きを見せた。デビュー戦となる6月18日(土)の阪神芝1200mでは注目を集めそう。なお鞍上は福永祐一騎手の予定となっている。
フランベルジェ


◆ダローネガ(牡、父ダイワメジャー、母カメリアローズ、栗東・佐々木晶三厩舎)
 入厩当初から調教師、調教助手、厩務員といった馬に携わる人々から「センスがいい」という言葉が聞けた素質馬。ゲート試験にもすんなりと合格し、早々に6月19日(日)阪神芝1600mをデビュー戦に目標設定。そこへ向けて調教が進められ、初めて本格的に追い切られた5月26日の坂路では4F54.8秒と上々の時計をマーク。そしてデビュー1週前となる6月8日はゲートからの追い切りで2F目に11.3秒というダッシュ力を見せた。「少し怖がりなところがあるかな」とは佐々木調教師だが、評判馬が揃う阪神マイルでも決して見劣りすることはないだろう。
ダローネガ


◆エーシンブランシュ(牝、父クロフネ、母セントルイスガール、栗東・坂口正則厩舎)
 半兄エーシンミズーリは芝中距離で2勝を挙げ、秋の飛躍も期待される3歳牡馬だが「兄とは全く違うタイプ」とは坂口調教師。「どちらかと言えば、小さくてスピードがあるので、母に似ているかな」とのこと。その母は小倉芝1200mで新馬勝ち、小倉2歳Sでは2着という実績を残している。6月8日の坂路では僚馬エーシンビューティと併せて1馬身ほど遅れてしまったが、時計自体は4F54.4秒と前週よりも2秒詰めており、徐々に動ける体勢になっている。デビュー戦は6月18日(土)阪神芝1200mを岩田康誠騎手で予定されている。
エーシンブランシュ


【美浦】
◆スマイルゲート(牝、父タニノギムレット、母シーセモア、美浦・国枝栄厩舎)
 スマイルジャックの全妹として血統的にも注目を集める存在。5月25日に公開されたプレトレセンレポートでも取り上げたが、当初の予定どおり、中山の開幕週に向けて態勢を整えてきた。6月8日の追い切りはウッドチップコースでジェノアチャリス(牡、父アグネスタキオン、母シルバーチャリス)と併せて同入。それまでは坂路を主体に乗られていたが、初めてのコース追いで息を作ってきた。「動きはまずまず。この時期としては十分に動けていると思う。女馬らしく前向きな気性だし、いいスピードがありそう。もう1本、最終追いを坂路でやれば態勢は整うんじゃないかな」と国枝調教師。6月18日(土)のメイクデビュー中山(芝1200m)を後藤騎手で予定している。

◆ハッピーシャワー(牝、父ファルブラヴ、母ディアアドマイヤ、美浦・牧光二厩舎)
 こちらもプレトレセンレポートで紹介したとおり、函館の開幕週に向けて態勢を整えてきた。全姉ワイルドラズベリーはデビュー勝ちに加え、オープン特別2勝(紅梅S、白百合S)など2歳戦から活躍。妹も早い時期からの活躍が見込まれており、6月8日には函館の本馬場で5F61秒台という速い時計を出している。「牝馬にしては丈夫だし、スピードもある。牧場でも順調に乗り込んでいたし、初戦から動けると思います」と厩舎サイド。今週の最終追い切りにはジョッキーが感触を確かめる予定だ。6月19日(日)のメイクデビュー函館(芝1200m)を丸山騎手で予定している。

◆ピタゴラスコンマ(牡、父ジャングルポケット、母ディソサード、美浦・萩原清厩舎)
 2009年のセレクトセールに上場され、2625万円(税込)で取引された。半兄にオープン勝ちのサードニックス、デビュー戦→プラタナス賞を連勝したアグネスデキシイらがいる。入厩してからも順調に乗り込まれており、すでに長めからの追い切りが3〜4本。まだ緩さはありそうだが、パワフルで好馬体の持ち主だ。6月19日(日)のメイクデビュー中山(芝1600m)を横山典騎手で予定している。

◆プラッキーエリーナ(牝、父マヤノトップガン、母ショコット、美浦・矢野英一厩舎)
 母はオープン特別のターコイズSなど通算5勝。マーメイドS3着、府中牝馬S3着と重賞でも好走した。「けいこの感じからはテン良し、中良し、しまい良しのイメージ。小柄な牝馬で仕上がりも順調だし、うまくいけば初戦勝ちを狙えると思っています」と矢野英調教師。函館の開幕週にスタンバイしており、6月18日(土)の芝1000mか19日(日)の芝1200mでデビューする予定だ。

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栗東担当:井内利彰 「競馬予想TV!」に出演中の調教捜査官。調教主体や厩舎取材の予想を提供中。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」など。

美浦担当:竹之内元 大学に通うため、東京競馬場から徒歩3分のアパートに住んだことで転落人生を歩み出した38歳ライター。POGでは中山大障害勝ちのメルシータカオー指名が自慢。

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