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今週も注目新馬が続々

  • 2011年06月20日(月) 18時00分
【栗東】
◆ストリートハンター(牡、父Street Sense、母クイックリトルミス、栗東・角居勝彦厩舎)
 ゲート試験に合格するまで坂路で15-15程度の調教をこなし、合格すると一旦放牧に出され6月1日に再入厩した。そして圧巻が6月8日の坂路追い切り。3歳未勝利に先行して手応えでは見劣っていたが、その時計は4F51.3秒。ラスト1Fも13.0秒だったことを考えれば、新馬離れした動きと評しても大げさではないはず。また坂路だけは動くというタイプも少なくないが、それを払拭したのは6月15日のCWでの併せ馬。先週の新馬戦で断然人気したディアデラバンデラと併せて6F83.5秒。新馬で簡単に出せる数字ではなく、しっかりしたスピードと体力の裏付けがあるからこその時計。僚馬はデビュー勝ちを果たせなかったが、この馬は6月25日(土)阪神ダート1200mで攻め通りの走りを見せてくれるだろう。

◆ジャストザブレイン(牡、父デュランダル、母カクテル、栗東・牧浦充徳厩舎)
 父産駒のエリンコートがオークス優勝。これまで目立った活躍はなかったものの、今年の2歳世代はその勢いに注目してみたい。本馬はゲート試験に合格してから坂路中心の追い切りを消化しているが、常にその動きが目立つ。併せ馬では相手を1馬身以上離して先着しており、6月15日の坂路ではレースで騎乗が予定されているC.ウィリアムズ騎手が跨って新馬アクティブポイントを追走して先着。一杯になる相手を馬なりのまま1馬身突き放したのだから掛け値なしに評価できる。「筋肉質の体でゲート試験時に騎乗した荻野琢騎手がダートの走りがよさそうと進言してくれたのでダートを使ってみます」と牧浦調教師。デビュー戦は6月25日(土)阪神ダート1200mを予定。

◆ピエナアプローズ(牝、父フジキセキ、母ピエナマーメイド、栗東・須貝尚介厩舎)
 兄姉、近親に目立った活躍馬はいないものの入厩当初から須貝調教師が「短い距離ならやれそう」と期待していた一頭。その片鱗を見せたのが6月8日の坂路での追い切り。新馬ゴールドシップと併せて1馬身ほど先着したが、その時計が4F52.6秒。この数字は新馬として上位のものだが、さらに1週後の6月16日の坂路ではさらに時計を詰めて4F52.1秒。ラスト1Fも12.7秒と力強い伸びを見せていた。例年に比べて強力なメンバーが揃う6月26日(日)阪神芝1400mでのデビューを予定しているが、この馬も注目しなければいけないだろう。なお鞍上は武豊騎手を予定。

ピエナアプローズ

◆エーシンエムディー(牝、父キングカメハメハ、母エイシンルーデンス、栗東・大久保龍志厩舎)
 母は1999年チューリップ賞を制し、牝馬クラシック路線を賑わせた一頭。また半姉エーシンリジルは先日のCBC賞で注目されたように、その産駒も活躍している。本馬は入厩してから順調に調教を進めており、6月8日の坂路では3歳未勝利相手に楽な手応えで先着し「初戦から動けそうですよ」と大久保調教師は確かな感触を掴んだ。そして6月16日の坂路では単走で4F52.0秒。余力残しの脚色でこの時計は破格。ただ「やれば動きますが、その後のテンションが上がりすぎないようにしないといけませんね。あとはレースまでその点を気を付けて仕上げていきたいと思います」と同師。坂路での動きから素質があることは間違いないので、あとは6月26日(日)阪神芝1400mのゲートインを待つのみ。なお鞍上は川田将雅騎手を予定している。

【美浦】
◆アイムユアーズ(牝、父ファルブラヴ、母セシルブルース、美浦・手塚貴久厩舎)
 3代母がダイナカールで一族にはエアグルーヴ、アドマイヤグルーヴ、オレハマッテルゼ、ルーラーシップ、エガオヲミセテ、フォゲッタブルなどの活躍馬がズラリと並ぶ。先週は函館競馬場のウッドチップコースで古馬のディオーサを相手にビシッと追われた。馬なりの相手に手応えでは見劣ったが、「さすがに相手も稽古駆けする馬だからね。このひと追いで上向くはず。牝馬にしては落ち着いていて素直だし、軽い走りをするタイプですよ」と手塚貴久調教師。6月25日、函館の芝1200mを丸山元気騎手で予定している。

◆エースドライバー(牡、父フジキセキ、母カツラドライバー、美浦・鹿戸雄一厩舎)
 先々週の情報では中山の開幕週か2週目のデビュー予定を伝えたが、6月25日の芝1200mに照準を定めてきた。鞍上には蛯名正義騎手を配している。全姉エフティマイアは牝馬のクラシック路線で活躍。その姉も管理していた厩舎にとっては期待の血統馬だ。時計的にも目立つ動きは見せていないが、この厩舎らしく、実に丹念な調教メニューを順調にこなしている。「男馬のぶん、お姉ちゃんのマイアとは少しタイプが違うけどね。素直で真面目だし、ゲート試験も一発で合格したように行儀のいい性格。ここまで休まずに調教を詰めているのは何よりでしょう。ずいぶんと良くなってきたし、初戦から動ける態勢にはあると思います」と鹿戸雄一調教師の感触は上々だ。

◆マイネエミリー(美浦・武藤善則厩舎、牝、父ステイゴールド、母マイネメリアン)
 昨夏の北海道でメイクデビュー―コスモス賞を連勝したマイネルギブソンの半妹。こちらはステイゴールド産駒の小柄な牝馬ということで一段と2歳戦向きのタイプだ。1週前の追い切りはPコースで文句なしの5F61秒台。3頭併せで再先着と文句なしの動きを見せた。「体重は400kgぐらいしかないんだけど、小さくても背中がいいし、バネのある走りをする。ちょっとカリカリする点も許容範囲。イレ込むほどではないし、競馬に行けば瞬発力を発揮してくれそうなイメージがあるね。小さいステイゴールド産駒は走るし、初戦から楽しみにしています」と武藤善則調教師。6月26日、中山の芝1800mを柴田大知騎手で予定している。

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栗東担当:井内利彰 「競馬予想TV!」に出演中の調教捜査官。調教主体や厩舎取材の予想を提供中。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」など。

美浦担当:竹之内元 大学に通うため、東京競馬場から徒歩3分のアパートに住んだことで転落人生を歩み出した38歳ライター。POGでは中山大障害勝ちのメルシータカオー指名が自慢。

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