【栗東】
◆スノードン(牡、父アドマイヤムーン、母スノーリンクス、栗東・安田隆行厩舎)
2007年ジャパンCなどG1を3勝した今年の新種牡馬。入厩当初から安田調教師が「素直な気性ですぐに環境に慣れています」と話すように優等生なところを見せていたが、少し大人しいという気性が調教にも出ていて、6月8日の坂路では新馬ユリオプスデイジーと併せて馬なりの相手に一杯追われて同入するのがやっとという状況だった。しかしこの追い切りを機に動きが良化。6月22日の坂路ではアルモドヴァールと併せて遅れはしたが、4F53.1秒と時計をかなり詰めている。「そこそこ動きましたね。徐々に動きは良くなっています。レース週にはジョッキーに乗ってもらって仕上げるつもりです」と師。7月2日(土)京都芝1200mを川田将雅騎手でデビュー予定。
◆イントゥザストーム(牝、父ディープインパクト、母バイユーストーム、栗東・村山明厩舎)
半兄は今年の佐賀記念を制したメテオロロジストで、本馬は2010年セレクトセール1歳にて1500万円で落札されている。入厩当初はゲート試験に合格すれば、一旦放牧に出されるプランもあったが、順調に調整が進んだので、7月2日(土)京都芝1200mでデビューすることが決まった。1週前追い切りとなる6月23日はレースで騎乗する国分優作騎手が跨ってCWでの追い切り。どちらも馬なりの手ごたえで同入。時計は5F70.9秒と決して速くなかったが、素軽い動きで素質の高さを感じさせた。また「ディープインパクト産駒らしく、前向きな気性なので初戦から動けると思います」と村山調教師。
なお併せた相手マコトアプサラスは7月3日(日)京都芝1800mを川須栄彦騎手でデビューする予定となっている。
◆ルリシュブール(牡、父デュランダル、母デカンタージュ、栗東・中竹和也厩舎)
叔父に2008年皐月賞2着のタケミカヅチ、近親には今週の函館SSで注目を集めそうなカレンチャンがいる血統。入厩当初から中竹調教師は「仕上り早でスピードがありそうなタイプ」と初戦向きのコメントを出していたが、調教を進めてその言葉通りの動きを見せている。初めて本格的な追い切りとなった6月22日の坂路では新馬アシュヴィンに大きく先着。時計は4F55.1〜1F13.4秒と数字は平凡だが、しっかりした動きは評価したい。デビューは7月2日(土)京都芝1200mを小牧太騎手で予定されている。
◆マイネルエトランゼ(牡、父Stevie Wonderboy、母Amybdancing、栗東・宮徹厩舎)
父の父Stephen Got Evenは2011年中山金杯を勝ったコスモファントム(宮徹厩舎)が日本での代表産駒。本馬は坂路を中心に調教が積まれているが、ここ2週は新馬と併せて遅れている。しかしその相手は先週の阪神芝1400mを圧勝したニンジャ。今思えば、併せ馬で遅れたとしても納得いくところで、時計の4F53.4〜1F13.6秒という数字を素直に評価すべきだろう。それでも「この距離から使っているように、いきなりというよりも使いつつ良くなっていきそうなタイプ」と宮調教師は慎重な姿勢を崩さないが、注目すべき存在なのは確か。なおデビューは7月3日(日)京都芝1800mを和田竜二騎手で予定している。
【美浦】
◆エクソプラネット(牝、父アドマイヤムーン、母エクソセット、美浦・高柳瑞樹厩舎)
父は現2歳が初年度産駒。近親にアーリントンC2着、朝日杯3歳S3着のバイオマスターがいる。半兄のサトノレジェンドは地方競馬の園田に移籍して連勝中だ。先週の6月22日には函館の本馬場で追われ、なかなか軽快な動きを見せた。「背は高いけど、細身の牝馬で仕上がり早のタイプ。ノーザンファームでも十分に乗り込んできたし、芝向きの軽い走りで初戦から動けそう」と高柳調教師。7月2日の函館・芝1200m(牝馬)を秋山真一郎騎手で予定している。
◆クールユリア(牝、父ケイムホーム、母レディピーチ、美浦・矢野英一厩舎)
父は今年の新種牡馬。半姉にスプリント戦で5勝したクールシャローンがいる。同じく半姉のラララウィンパルは6月の函館でデビュー勝ちした。ゴールデンウィークに入厩。坂路とコースを併用して乗り込まれ、函館競馬場に移動してからも順調に調整されている。2週前の6月15日には本馬場でプラッキーエリーナ(デビュー戦2着)を相手に優勢の動きを披露。1週前の22日にはゲートから1F11秒台のラップを刻み、抜群のダッシュ力を見せた。「ある程度は美浦で仕上げてから函館に移動。随分と背中の感じが良くなってきたし、ゲートさえ普通に出れば初戦から面白いと思う」と矢野英一調教師。7月2日の函館・芝1200m(牝馬)を三浦皇成騎手で予定している。
◆パッシフローラ(牝、父ディープインパクト、母タイムウィルテル、美浦・小島茂之厩舎)
母はデビュー勝ちを含めて通算2勝。3歳時の春にはフローラSでハナ差の2着に食い込み、オークスに参戦した。従兄弟に京都新聞杯を制したゲシュタルトがいる。先週の6月22日にゲート試験に合格。まだ速い時計は出していないが、育成先のノーザンファーム空港で早期デビューに向けて順調に乗り込まれてきた。「この母系は晩成のようですが、父がディープインパクトに替わって牝馬に出たぶん、わりと早い時期から走れそうな印象。いいモノを持っているし、楽しみにしています」と小島茂之調教師。こちらも7月2日の函館・芝1200m(牝馬)が視野に入れられており、鞍上には池添謙一騎手を配している。
◆コウヨウゼウス(牡、父マーベラスサンデー、母カナハラオラクル、美浦・武藤善則厩舎)
母は中山のダート1200mで1勝。叔父に通算8勝のほか、新潟大賞典2着や中山金杯3着など中距離の重賞戦線で活躍したカナハラドラゴンがいる。6月26日に坂路で4F52.1秒をマーク。大型馬だが、ひと追いごとに態勢を整えてきてた。7月2日の中山・ダート1200mを柴田善臣騎手で予定している。