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ダービーを目指すダンス産駒の大物登場

  • 2011年07月11日(月) 18時00分
【栗東】
◆クラレント(牡、父ダンスインザダーク、母エリモピクシー、栗東・橋口弘次郎厩舎)

 半兄リディルは2歳時にデイリー杯2歳Sを制するも、骨折で長期休養を余儀なくされた馬。先日の都大路Sを快勝しているように、無事にクラシック路線に乗っていれば、と感じさせる大物だが、父がダンスインザダークに替わった弟に対する橋口調教師の期待度は大きい。

 入厩当初から「父は違うが、走るフォームはリディルそっくり」とコメントしていた師だが、追い切りを重ねるごとに本領を発揮。7月6日のDPではコーダリーの外に併せて一杯になる相手に引っ張る感じで同入。6F80.0秒だが、追っていれば、軽く78秒台は出ていただろう。

 初戦が7月16日(土)京都芝1400mだけに、距離対応を心配していたが、このスピードなら全く問題なさそう。なお鞍上は小牧太騎手を予定している。

クラレント

 ちなみに先週デビュー予定と紹介していたコーダリーは追い切りの動きが物足りなかったことから、デビュー戦をスライド。7月17日(日)京都芝1200mを武豊騎手で予定されている。

◆サクラエミネント(牝、父サクラプレジデント、母サクラレイリ、栗東・友道康夫厩舎)

 昨年、未勝利、クローバー賞と連勝したサクラベルが全姉という血統だけに「スピードがあって仕上がり早。初戦から動けそう」という友道調教師のコメントにも納得。

 追い切りでも軽快な動きを見せており、6月30日には坂路4F52.8ー1F12.9秒と水準以上の時計をマークし、7月7日のCWでの併せ馬ではブライトメッセージを追走して馬なりで同入。全体の時計は6F85.9秒と遅いが、ラスト1Fは11.8秒の伸びを見せた。強いメンバーが揃いそうな7月16日(土)京都芝1400mを予定しているが、スピード感溢れる走りに期待したい。

サクラエミネント

◆マイネマキアージュ(牡、父アグネスデジタル、母ダイイチアピール、栗東・西園正都厩舎)

 全兄が同厩舎で管理されてシンザン記念を制したドリームシグナルになるが「性別は違ってもやっぱりシグナルに似ているね」と西園調教師。本馬は6月14日にビッグレットFから栗東へ入厩したが、約1週間でゲート試験に合格。その翌週にはCWで一杯に追われるなど、順調に調教を消化している。

 1週前追い切りとなる7月6日の坂路ではレースで騎乗予定の幸英明騎手が跨ってマイネルアルティマと併せたが1馬身ほど遅れ。それでも時計は4F54.5ー3F38.6ー2F24.9ー1F12.5秒と後半に速い時計をマークしており、相手は先週デビューして2着。単純な物差しをすれば、初戦から十分に勝ち負けできるレベルにある。デビュー戦は7月16日(土)京都芝1400mを予定。

◆ブルーハーツクライ(牡、父ハーツクライ、母ブルーベルベット、栗東・服部利之厩舎)

 近親には2009年オーストラリアTを勝ったドリームサンデーや芝で5勝を挙げているマイネルキーロフがいる血統。調教に騎乗する田代助手が「能力の高い馬なんだけど、いろいろ苦労させられる馬」と話すように、やんちゃな一面を見せるところもあるよう。それでも徐々に学習して走ることを覚えている。

 7月1日の坂路では4F54.5ー1F12.3秒とラストに力強い伸びを見せた。また7月7日にはレースで騎乗予定の和田竜二騎手が跨ってゲートからの追い切り。時計自体は速くなかったが、ゲートはセンスを感じさせるダッシュを見せており、出走態勢は整った。7月16日(土)京都芝1400mでのデビューを予定している。

ブルーハーツクライ

【美浦】
◆エポキシ(牝、父ディープインパクト、母シーズアン、美浦・国枝栄厩舎)

 現4歳の半姉シーズンズベストは2勝。現3歳の全兄テンペルは春にデビュー勝ちを飾っている。5月に入厩して以来、じっくりと基礎を固めながら徐々に調教のピッチを上げてきた。まだパワー不足の印象も拭えないが、小柄な牝馬で仕上がり自体は順調だ。

「まだ少し非力というか、全体的に軽すぎる感じだけど、いいフットワークで走るし、ひと追い毎に動きは良くなってきた。やれば動くし、いいものを持っていることは確か。これから力をつけて成長していくと思うし、血統的にも長い目で見ていきたい」と国枝調教師。7月17日、新潟の芝1400m(牝馬)を蛯名騎手で予定している。

◆ショウナンハッブル(牝、父アグネスタキオン、母ショウナンラヴオン、美浦・二ノ宮敬宇厩舎)

 伯父にデビュー戦→新潟2歳Sを連勝し、朝日杯FS4着のショウナンタキオンがいる。6月11日に入厩して以来、ウッドチップコースとポリトラックコースで追い切りを重ねてきた。7月6日にはカジノロワイヤルとの併せ馬でビシッと追われ、こちらが1馬身先着。ひと追い毎に上向いており、態勢は整っている印象だ。7月17日、新潟の芝1400m(牝馬)を三浦皇成騎手で予定している。

 カジノロワイヤル(牡、父タニノギムレット、母リビングデイライツ)も同日にデビューする予定。こちらは伯母にケープリズバーン(TCK女王盃)、叔母にジェダイト(忘れな草賞)がいる。7月17日、新潟の芝1600mを三浦皇成騎手で予定している。

◆ラフレーズカフェ(牝、父マンハッタンカフェ、母ロリポップガール、美浦・小島太厩舎)

 春の千葉サラブレッドセールに上場され、1312万5000円で取り引きされた。母は3勝。近親に目黒記念を連覇した他、メルボルンC2着、有馬記念2着、ジャパンC2着など国内外で活躍したポップロック、フェアリーS2着、フィリーズレビュー2着のスピードリッパーがいる。7月6日には本馬場で速い時計を出し、3頭併せの外で最先着した。7月17日、新潟の芝1400mを田中勝春騎手で予定している。

 6日の追い切りで併せたムーンベックカフェ(牡、父アドマイヤムーン、母パーベック)は叔母にファインモーション(秋華賞、エリザベス女王杯)、伯父にピルサドスキー(ジャパンC)がいる。こちらは7月17、新潟の芝1600mを田中勝春騎手で予定している。

◆アイアムネフライト(牝、父アグネスタキオン、母アイアムアドーター、美浦・奥平雅士厩舎)

 母はダートのスプリント戦で4勝。祖母のアイアムザウィナーも同じくダートのスプリント戦で3勝した。伯母にアイアムカミノマゴ(阪神牝馬S)、アイアムアクトレス(ユニコーンS)と2頭の重賞ウイナーがいる。先週は函館競馬場のウッドチップコースで3歳馬を相手に軽快な動きを披露した。

「父譲りの栗毛で立派だし、すごく馬の形がいい。お母さんもウチの厩舎にいたし、ゆかりの血統だからね。先々まで楽しみにしています」と奥平調教師。7月16日、函館のダート1000mを横山典弘騎手で予定している。

 奥平厩舎からはオメガボンドガール(牝、父ワイルドラッシュ、母オメガトゥルカラー)も同日の新潟にスタンバイ。近親に東スポ杯を勝ち、朝日杯2着のタガノテイオーがいる。

「小さい牝馬だけど、この暑さの中でもカイ食いが落ちず、いい感じに仕上がっている。真面目な性格だし、気性的にも初戦向きだと思います」とトレーナー。こちらは7月16日、新潟のダート1200mを石橋脩騎手で予定している。

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栗東担当:井内利彰 「競馬予想TV!」に出演中の調教捜査官。調教主体や厩舎取材の予想を提供中。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」など。

美浦担当:竹之内元 大学に通うため、東京競馬場から徒歩3分のアパートに住んだことで転落人生を歩み出した38歳ライター。POGでは中山大障害勝ちのメルシータカオー指名が自慢。

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