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新馬戦好調・佐々木厩舎の秘蔵っ子が初陣

  • 2011年07月25日(月) 18時00分
【栗東】
◆エーシンドクトル(牡、父Montjeu、母Solaia、栗東・松永昌博厩舎)

 父Montjeuの日本での代表産駒はダート中距離で4連勝したサトノコクオーや芝中長距離で4勝を挙げているリリエンタールなど、距離が長く、パワーのいる馬場で結果を出しているイメージがあるが、本馬は早い時期から走れそうな素軽さを持っている。

 7月20日に芝コースで新馬メイショウヒショウの外に併せたが軽く仕掛けただけで2馬身ほど先着。時計は5F68.6〜1F12.0秒だが「道中が遅かったので、時計は気にしていません。それよりも終いがしっかり動けていたのが良かったですね」と松永昌博調教師。

 ちなみに普段から新馬コメントには慎重な師だが、この馬に関しては「初戦から動ける」とトーンが高い。デビューは7月30日(土)新潟芝1600mを福永祐一騎手で予定している。

エーシンドクトル
エーシンドクトル(右)


◆カシノチョッパー(牡、父ロドリゴデトリアーノ、母カシノブラボー、栗東・境直行厩舎)

 近親にも目立った活躍馬がいない血統だが、本馬の動きは九州産での水準を遥かに上回る素軽さを見せている。7月14日のCWで単走ながら6F81.2〜1F12.9秒と速い時計をマークした時点でスピード能力の高さに驚いたが、7月21日のDPでは同じ九州産の新馬カシノギアと併せてDPでの追い切り。内を回っていたとはいえ、一杯に追う相手に馬なりで先着。

 時計は6F81.4〜1F12.1秒とポリトラックなら平均的な時計だったが、とにかく軽快なスピードは目につく。もちろんデビューは7月30日(土)小倉芝1200mの九州産限定戦を予定。

 なお同レースには昨年の九州産新馬を圧勝したメモリアルイヤーの半弟キリシマジャパン(父アドマイヤジャパン・村山明厩舎)も出走を予定している。

◆ニシノプレゼンス(牡、父デュランダル、母ニシノボナリー、栗東・北出成人厩舎)

 近親に1992年に桜花賞、スプリンターズSを制したニシノフラワーがいる血統。この系統は気難しい面を見せる馬が多いが、潜在能力の高い馬も多い。本馬は7月6日に坂路で4F56.2〜1F12.7秒をマーク。「終いだけのつもりでやったけど終い12秒台。まだモサモサした感じでこれだけ動ければ」と北出成人調教師も手応えを掴んでいた。

 そして7月20日はDPでレースでも騎乗予定の福永祐一騎手が跨ってキクノフェーデとの併せ馬。内から追走して最後は2馬身ほど先着。6F88.9〜1F12.3秒と数字は平凡だが、機敏な動きは新馬らしからぬところがあった。デビューは7月31日(日)新潟芝1400mを予定している。

ニシノプレゼンス

◆ヴェアデイロス(牡、父サクラバクシンオー 、母マザーレイク、栗東・佐々木晶三厩舎)

 阪神芝1600mを快勝したダローネガ、先週の京都ダート1200mは惜しくも3着だったジェノアと新馬戦好調の佐々木厩舎が送り出す厩舎ゆかりの良血馬。母は同厩舎で管理されて大成できなかったが「能力はあったけど、馬体維持の難しい馬だった」と佐々木晶三調教師。

 本馬は牡馬ということもあり、馬体に気遣うこともない。7月21日にはDPでユメノアイリスと併せ馬。テンは首を振るような仕草を見せたが、直線に向いて追われるとしっかり伸びて1馬身近く先着。6F82.4〜1F11.5秒と好時計をマーク。この動きに「追ってからがいいね」と同師。なお7月31日(日)小倉芝1200mでデビューする予定となっている。

ヴェアデイロス


【美浦】
◆アーデント(牡、父ディープインパクト、母グレイトフィーヴァー、美浦・加藤征弘厩舎)

 半姉に現1600万下のラフォルジュルネ、近親に天皇賞・春3着のストラタジェムがいる。7月6日に美浦のポリトラックで長めから追われ、引っ張り切りの手応えで鞍上をリードする前向きな動きを披露。函館競馬場に入厩してからも順調に乗られており、態勢に不足はない。

「ちょっと違うね。やればやるだけ動けそう。気性的にも問題ないし、この馬は間違いなく走ると思う。初戦からは勿論、先々まで楽しみにしている1頭です」と加藤征弘調教師は大きな期待を胸に送り出す。7月31日、函館の芝1800mを横山典弘騎手で予定している。

◆チャンピオンヤマト(牡、父メイショウボーラー、母アクアライデン、浦・谷原義明厩舎)

 開幕週のダート1200mを除外され、ここまで待機した。兄姉は地方競馬で堅実に勝ち上がっており、本馬もダート向きのスピードタイプだ。追い切りでは活発な動きを見せており、「いいスピードがあるし、初戦から楽しみにしています」と谷原義明調教師。7月30日、新潟のダート1200mを吉田豊騎手で予定している。

◆トップスカーレット(牝、父ダイワメジャー、母スルーオール、美浦・上原博之厩舎)

 半姉にGIIIフラワーC2着、交流GIIIクイーン賞3着など重賞戦線でも活躍したスルーレート、芝の1400m〜1800mで4勝したマイティースルーがいる。ここ2週は美浦のウッドチップで5Fから時計を出しており、ひと追いごとに態勢を整えてきた。

「メジャーの子にしては体が小さいけど、ちゃんとカイバも食べているし、順調に仕上がっている。直前の追い切りにはジョッキーを乗せて感触を確かめてもらう予定。気のいい牝馬で初戦から動けそうなタイプですね」と上原博之調教師。7月31日、新潟の芝1400mを北村宏司騎手で予定している。

◆ブライアンズオーラ(牡、父ブライアンズタイム、母イリゼ、美浦・二ノ宮敬宇厩舎)

 祖母にGIIIクイーンSを勝ち、GI秋華賞4着のレインボークイーンがいる。併せ馬で丹念に乗り込まれており、仕上がりは順調だ。

「牧場でも十分に乗り込んできたし、すぐに速い時計を出せたぐらい。追い切りに乗ってもらったジョッキーの感触も良かったし、いい雰囲気に仕上がっていると思います」と厩舎サイド。7月31日、新潟の芝1400mを柴田善臣騎手で予定している。

◆マイネルディーン(牡、父ダンスインザダーク、母ムービースクリーン、美浦・鹿戸雄一厩舎)

 全姉に芝の中距離で3勝したトゥザスターダム。近親に中山記念、金鯱賞など重賞4勝、天皇賞・秋2着に安田記念3着などGI戦線でも活躍したムービースターがいる。7月7日にゲート試験をパス。目立つ時計こそ出していないが、年長馬との併せ馬で入念に乗り込まれており、先週の20日には本馬場で長めに負荷をかけた。

「馬体重は440kgぐらいだけど、数字以上に大きく見せるタイプ。気性的にも素直そうだし、雰囲気はいいですね。20日の追い切りはゴール板を過ぎてからも向正面まで流したし、いい感じに動けています」と鹿戸雄一調教師。7月30日、新潟の芝1600mを予定している。

◆レッドロブレス(牡、父ゼンノロブロイ、母ネイチャーガイド、美浦・古賀慎明厩舎)

 母の全兄にGIII東京新聞杯2着など活躍したリキッドノーツがいる。こちらも特に目立つ時計は出していないが、坂路とフラットコースを併用して順調に乗り込まれてきた。

「ロブロイの子で馬格があるし、能力は感じる。短いところより、ゆったりと走れる距離で構えていけそうなタイプ。実戦に行って良さを見せてくれそうなイメージがありますね」と古賀慎明調教師。7月30日、新潟の芝1600mを北村宏司騎手で予定している。

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栗東担当:井内利彰 「競馬予想TV!」に出演中の調教捜査官。調教主体や厩舎取材の予想を提供中。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」など。

美浦担当:竹之内元 大学に通うため、東京競馬場から徒歩3分のアパートに住んだことで転落人生を歩み出した38歳ライター。POGでは中山大障害勝ちのメルシータカオー指名が自慢。

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