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GIホースを育てたベテラン厩務員絶賛

  • 2011年08月01日(月) 18時00分
【栗東】
◆クニノカンタロー(牡、父ロイヤルタッチ、母オーナーズクリーク、栗東・境直行厩舎)
 母系には目立った活躍馬はいないものの、目立ったのは7月15日のゲート試験。時計こそ13秒台のラップで速くはないが、ゲートをポンと出て加速する様子はいかにも短距離向き。「1回目のゲート試験ではゲートが開く瞬間に後ろにモタれてしまったので、不合格になったけど、普通に出れば速い」と調教に跨る中川助手。その後の追い切りは7月28日にCWで新馬カシノチャームと併せて6F85.4秒とこの時計も目立たないが、余裕を持った手応えでフィニッシュしているあたりが大人っぽい。すんなりゲートを出れば、8月6日(土)小倉ダート1000mのデビュー戦で決めることができるだろう。なお鞍上は小坂忠士騎手。

◆マーベラスルビー(牝、父ゴールドアリュール、母マーベラスマロン、栗東・柴田政見厩舎)
 半兄マーベラスアローはダートで3勝を挙げているが、それ以上に強調したいのはこの馬の性格。これまでマーベラスクラウンやマーベラスサンデーといったGI馬を担当してきたベテラン古川厩務員が「普通、2歳牝馬は余計なことばかりするけど、これだけ大人しくて飼葉もしっかり食べる馬は初めて」と話す。7月27日はレースで騎乗予定の和田竜二騎手が跨ってCWでの追い切り。先行するオンワードデュークに外から並びかけると1馬身ほど先着してゴール。6F83.9秒は大外を回った点を考慮すれば、水準より上の時計だろう。8月6日小倉芝1200m(牝)でデビューする予定。

マーベラスルビー


◆エーシンクローバー(牝、父イーグルカフェ、母エイシンシンシン、栗東・松永昌博厩舎)
 半姉エーシンオフクロはダート1000mで1勝しているが、スタートの出が抜群。本馬がそんな姉に似たところを見せたのは7月28日。レースで騎乗が予定されている川須栄彦騎手が跨ってゲートから出され、テンの3Fが12.1-11.3-12.4秒と抜群のラップ。叩いて先行しているというよりも、ゲートを出て自然に加速するような走りだけに、とにかくセンスがいいということだろう。この動きを見ていた松永昌博調教師も「速いね」と満面の笑み。ただ予定されているのが8月6日小倉芝1200m(牝)ということで「ゲートが速いのは見てもらった通りだから、あとは距離をこなせるかだね」と心配点もあげていた。

◆ハッシュドトーン(牡、マンハッタンカフェ、母ハッシュバンバン、栗東・西園正都厩舎)
 半兄カミダノミは昨年、500万下、1000万下と連勝して菊花賞に駒を進めた。本馬はゲートに少し手間取った時期もあったが「しっかり特訓したら、すんなり出るようになったし、今では出るのは速いくらい」と西園正都調教師。7月28日には坂路で2歳オープンのシゲルスダチと併せて4F54.7秒。追い切りの内容に関して「シゲルスダチに1馬身ほど先行していたとはいえ、ゴールでは2馬身突き放したから動きは水準以上」と同師。徐々に追い切りの動きが良化している印象もあり、これからますます動けるようになりそうだ。デビューは8月7日(日)新潟芝1800mを石橋脩騎手で予定されている。


ハッシュドトーン


【美浦】
◆マイネサヴァラン(牝、父マンハッタンカフェ、母マイネデセール、美浦・清水英克厩舎)
 母は2歳時にオープン勝ち(カンナS)。近親に中山大障害を連覇したキングジョイ、オープン特別2勝のメイショウサライがいる。入厩後に熱発したが、7月7日にゲート試験に合格。追い切りでは3歳馬を相手に水準以上の動きを見せており、「乗り手の感覚以上に時計が出る」と厩舎サイド。いい雰囲気に仕上がっており、陣営は好感触をつかんでいる。当初は7月31日の芝1400mを予定していたが、抽選で除外に…。今週の8月6日、新潟の芝1200mで仕切り直しのデビュー戦を迎える。

◆マイネルセグメント(牡、父アグネスデジタル、母タニノダーリン、美浦・松永康利厩舎)
 母はデビュー勝ちを含め、通算5勝。近親に現4勝のタニノディキディキ、現3勝のブルーソックスがいる。7月6日に入厩し、翌週にゲート試験を無難にクリア。先週の27日にはウッドチップでビシッと追われ、5F64秒台の速い時計をマークした。8月6日、新潟の芝1200mを大野拓弥騎手で予定している。

◆ラシーク(牝、父Statue of Liberty、母ディペンドオンユー、美浦・矢野英一厩舎)
 Storm Cat産駒の父は今年の新種牡馬で、産駒のキクノストームが7月10日のメイクデビュー京都(ダート1200m)を7馬身差で圧勝し、JRA初勝利を飾っている。オジジアン産駒の母はダートで2勝。近親に中山でデビュー勝ちしたブランダムールがいる。「血統的にダートで走りそうだけど、いいスピードがあるし、芝のほうが良さそう。新馬だけじゃなく、先々まで楽しみにしています」と矢野英一調教師。8月6日、新潟の芝1200mを田辺裕信騎手で予定している。

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栗東担当:井内利彰 「競馬予想TV!」に出演中の調教捜査官。調教主体や厩舎取材の予想を提供中。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」など。

美浦担当:竹之内元 大学に通うため、東京競馬場から徒歩3分のアパートに住んだことで転落人生を歩み出した38歳ライター。POGでは中山大障害勝ちのメルシータカオー指名が自慢。

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