【栗東】
◆ウイニングサルート(牡、父フレンチデピュティ、母ヘヴンリーロマンス、栗東・松永幹夫厩舎)
母は2005年天皇賞秋を制覇、半兄ヴェイロン(父キングカメハメハ)は昨年の福島芝1800mで新馬勝ちを収めている。本馬は栗東に入厩し、6月16日にゲート試験に合格した後、7月中旬に札幌へ移動。先週デビューしたエターナルフェイムとの併せ馬を意欲的にこなしていたが、当初は動きがひと息だった。それが8月10日の札幌芝での追い切りでは「追い通しだけど、最後までしっかり伸びるようになってきましたね。時間をかけて入念に調教を積んでいる効果が出ているのかも知れません。奥手の血統だけど、追うごとに良化しているので楽しみですね」と松永幹夫調教師。8月21日(日)札幌芝1800mを藤田伸二騎手でデビューする予定。
なお、同レースには母アドマイヤグルーヴのアドマイヤトライ(父シンボリクリスエス)やマルセリーナの半弟グランデッツァ(父アグネスタキオン)といった超良血馬のデビューも予定されているため、目が離せない一戦となりそう。
◆マイネボヌール(牝、父ロージズインメイ、母コスモフォーチュン、栗東・宮徹厩舎)
母は同厩舎で管理され、2006年北九州記念を制している。本馬は7月28日にゲート試験に合格。その後は坂路で調教を進められていたが、8月10日にDPでハーイスマイルとの併せ馬。後方から追走したので、追いつくのがやっとと思いきや、追う相手に対して馬なりの手応えで1馬身ほど先着。5F66.3-1F12.1秒と時計的には水準だが、併せた相手が先週の未勝利戦を勝ち上がったことを思えば、数字以上に評価すべき動きだったということだろう。デビューは8月21日(日)小倉芝1200m(牝)を予定している。
◆モズベラベラ(牡、父ワイルドラッシュ、母ホッカイキャシー、栗東・中尾秀正厩舎)
2010年北海道セレクションセールにて750万円で落札されており、祖母ホッカイセレスは1994年に中山牝馬S、府中牝馬Sといった重賞を勝っている。兄姉に目立った活躍馬はいないが「スピードがあるし、育成でもしっかりと乗り込んでもらっていたから初戦向き」と中尾秀正調教師。8月10日には札幌ダートで新馬ハルノスミエと併せて3馬身ほど遅れ。5F69.4秒と時計も目立ってはいないが、力のいるダートコースということも影響しているだろう。予定されている8月20日(土)札幌芝1200mでどのような動きを見せるか注目してみたい。なお鞍上は浜中俊騎手を予定。
◆エスジーブルーム(牝、父アフリート、母エスジービアンカ、栗東・藤岡範士厩舎)
半兄エスジービーム(父ブライアンズタイム)は芝3勝、ダート3勝と芝ダート問わず活躍した。母を担当した奥地厩務員は「まだ弱いところはあるけど、素質はありそう」と将来性を示唆。その言葉通りの動きを見せたのが8月4日のCWでの追い切り。新馬との併せだったが、道中は速いラップを刻み続けて6F80.7〜1F12.8秒。ある程度時計の出る馬場だったとはいえ、全体をこれだけ速い時計で走りながら、ラストを13秒切ってきたのは優秀。さすがにこの追い切り後は疲労もあったようだが、今では8月20日(土)新潟ダート1200mでのデビューへ向けて順調に調教を進めている。なお鞍上は村田一誠騎手を予定している。
【美浦】
◆サトノギャラント(牡、父シンボリクリスエス、母スティンガー、美浦・藤沢和雄厩舎)
サンデーサイレンス産駒の母はデビュー戦から無傷の3連勝で阪神3歳牝馬Sを制した名牝。2009年のセレクトセールに上場され、5460万円で取引された。美浦でゲート試験を受け、7月下旬に札幌競馬場に移動。1週前の追い切りは古馬のリリエンタールを相手に本馬場で1F11秒台をマークした。入厩してから1か月、豊富な調教量で仕上がりは順調だ。「この血統に見られる硬さがないし、古馬と併せても互角に動ける。もちろん、血統的にも楽しみな馬ですよ」と厩舎サイド。8月21日、札幌の芝1800mを横山典弘騎手で予定している。
◆ドラゴンフラッシュ(牡、父フレンチデピュティ、母パラダイスバード、美浦・久保田貴士厩舎)
祖母サイレントハピネスはGII2勝の活躍馬。その全姉にスティンガーがおり、サトノギャラントと同じ一族の出身だ。今春の千葉サラブレッドセールに上場され、1312万5000円で取引された。当初は3回新潟開催でのデビューを予定していたが、外傷で待機。すぐに症状は落ち着き、先週の10日に坂路で4F51秒2の時計をマークしている。「ピッチ走法で動きは上々。素直で乗りやすいし、いいモノを持っていると思います」と陣営は好感触だ。8月20日、新潟のダート1200mを蛯名正義騎手で予定している。
◆ダノンエレガント(牝、父ブライアンズタイム、母ドリームカムカム、美浦・国枝栄厩舎)
メジロライアン産駒の母は芝1200mのオープン特別3勝を含め、通算8勝と活躍した。ディープインパクト産駒の半兄ヒラボクインパクトは昨夏にデビュー勝ちを飾っている。ひと追い毎に時計を詰めており、先週の10日にはスピード感のある軽快な動きを見せた。「お母さんよりも落ち着いてるし、動きは水準以上。いい感じに仕上がっているし、初戦から楽しめそう」と国枝栄調教師。8月20日、新潟の芝1400m(牝馬)を予定している。
◆ローズノーブル(牝、父ディープインパクト、母ヴィアンローズ、美浦・古賀慎明厩舎)
母は仏GIIIの勝ち馬。半兄ディアシークレットは地方で2勝して中央に再転入した。函館競馬場でゲート試験を受けてからノーザンファームで乗り込み、札幌競馬場に入厩。1週前にはダートコースで追われ、出走態勢を整えている。「400キロほどの小柄な牝馬で仕上がりが早そうなタイプ。滞在競馬が合いそうだし、動き自体もしっかりしている」と古賀慎明調教師。8月20日、札幌の芝1500m(牝馬)を横山典弘騎手で予定している。