【栗東】
◆ニーレンベルギア(牡、父アグネスタキオン、母シルヴァーカップ、栗東・西園正都厩舎)
デビューした2歳馬はすでに3頭勝ち上がっている西園厩舎だが、その中でも「牝馬でトップクラス」と西園正都調教師の評価が高かったのが本馬。函館競馬場に入厩して、すぐにゲート試験に合格するほどセンスが良く、その後も至って順調。8月17日の函館Wでの追い切りではレースで騎乗が予定されている佐藤哲三騎手が跨ってクッカーニャとの追い切り。外を回りながら、最後は1馬身ほど先着しているが、相手は先週の未勝利戦を楽勝した馬。5F68.8秒という時計以上に中身の濃い追い切りとなった。デビュー戦は8月27日(土)札幌芝1500mを予定している。
◆ヴィルシーナ(牝、父ディープインパクト、母ハルーワスウィート、栗東・友道康夫厩舎)
叔父にデビューから3連勝でラジオNIKKEI賞を制したフレールジャックがいる血統。叔父はレースへ行くとテンションの高いところを見せるが「牝馬だけど、どっしりした雰囲気を持っていて軽い走りをする馬」と友道康夫調教師。本馬は7月14日に函館競馬場でゲート試験に合格してから、いったん放牧へ。再入厩後の8月18日に函館芝でラシンティランテを1秒近く追走して半馬身ほど先着した。相手は先週の新馬戦でデビュー勝ちを決めており、その物差しからも新馬勝ちできるレベルにあることは間違いない。デビューは8月28日(日)札幌芝1800mを予定。
◆ミルドリーム(牡、父シンボリクリスエス、母ミルフィオリ、栗東・角居勝彦厩舎)
伯父に1995年朝日杯3歳Sを制し、種牡馬としても数々のG1ホースを輩出したフジキセキがいる血統で、2010年セレクトセール1歳にて3300万円で落札されている。本馬は7月1日にゲート試験に合格してから放牧に出されて8月に再入厩。その後は坂路とCWを併用してしっかりと調教を積んでおり、8月17日にはCWでグラッツィアに先行して最後は手応えで見劣ったものの、6F85.4-4F52.8-1F12.3秒と新馬としてはまずまずの時計で動けている。デビュー戦は8月27日(土)新潟芝1600mを吉田豊騎手で予定している。
◆シゲルマンゴスチン(牝、父ゼンノロブロイ、母ピアソラ、栗東・松永昌博厩舎)
2010年北海道オータムセールにて500万円で落札されているが、父の産駒といえば、オークスを制したサンテミリオン、ローズSを制したアニメイトバイオなど牝馬に活躍馬が多い。自然と本馬への期待も高まるところだが、調教ではその素質を少しだけ見せつつあるといった感じ。8月17日の坂路では2F目、3F目に12.8〜12.7秒と速いラップを刻みながらもラスト1F14.2秒と伸びあぐねた。担当する竹邑厩務員は「いい雰囲気は持っていると思うんだけど、使っていった方がいいタイプなのかな」と分析。今週の追い切り次第で8月28日(日)小倉芝1200mでのデビューが予定されている。
【美浦】
◆エネアド(牡、父ディープインパクト、母キュー、美浦・戸田博文厩舎)
共同通信杯を制したほか、朝日杯FS3着、東スポ杯2歳S2着、朝日CC2着など重賞戦線で活躍したブレイクランアウトの半弟。6月11日に入厩してから2か月、じっくりと時間をかけて態勢を整えてきた。特に速い時計こそ出していないが、この厩舎らしく運動量は豊富。8月17日の追い切りではウッドチップコースで長めから負荷をかけ、終いを軽く追われて反応よく先着した。「お兄ちゃんはコロッとしていたけど、ちょっと細めで体高のあるタイプ。体つきにはSS系らしい感じがある。まだ普段は子供っぽいところがあるけど、3週目に目標を定めて順調に乗り込んできたし、どんなレースを見せてくれるか楽しみにしてます」と戸田博文調教師。8月27日、新潟の芝1600mを福永祐一騎手で予定している。
◆サウスパシフィック(牡、父ステイゴールド、母フィジーガール、美浦・二ノ宮敬宇厩舎)
1歳上の全兄ナカヤマナイトは共同通信杯を勝ち、皐月賞5着、ダービー4着とクラシック戦線で活躍。現在はフランスに遠征しており、9月11日のニエル賞に向けて調整されている。当初は前開催にデビューさせる予定だったが、動きが物足りなかったこともあり、ここまで待機した。8月17日にはウッドチップコースで追われ、4週目にデビューする予定のブライアンズオーラ(牡、父ブライアンズタイム、母イリゼ)と併入。毎週、しっかりと併せ馬を消化して十分すぎるほど乗り込まれている。「体つきからして上とはタイプが違う。まだ全体的に緩いところがあるけど、いい素質はある」と三浦調教助手。8月27日、新潟の芝1600mを蛯名正義騎手で予定している。
◆トランドネージュ(牝、父ダイワメジャー、母イルネージュ、美浦・松山康久厩舎)
半姉ミッキーレモンは昨秋にデビュー勝ちした。母系を遡ると一族からはデュランダルが出ている。8月17日には先週の新潟でデビュー戦を快勝したサウンドオブハートを相手に坂路で4F50.5秒、1F11.8秒の好時計をマークした。「動くね。ちょっと気の悪さがあるけど、そのぶん、時間をかけて乗り込んできた。ノーザンファームでも動きの良さが評判になっていたし、いいモノは持っていると思う」と松山康久調教師。8月27日、新潟の芝1600mを予定している。
◆ペニーウエイト(牝、父ダイワメジャー、母マローラ、美浦・大竹正博厩舎)
半姉ナリタマローラはデビュー勝ち。いとこに2007年と2008年のジャパンCに参戦したペイパルブル(英GIIプリンセスオブウェールズSなど重賞4勝、英GIキングジョージ2着)がいる。8月18日には札幌競馬場の本馬場で横山典弘騎手を背に6F80を切る好タイムを弾き出した。ラストは先行していた3歳馬を楽に突き放す抜群の動きを披露した。「勝ち気な気性で初戦から動けそうなタイプ」と大竹正博調教師。8月27日、札幌の芝1500mを横山典弘騎手で予定している。
同じく大竹厩舎のゴールデンクラウン(牡、父フジキセキ、母ゴールドティアラ)は函館競馬場で調整中。デビュー戦は8月28日の札幌・芝1800mか、9月4日の札幌・芝1800mを予定している。
◆マイネルエクレウス(牡、父ロージズインメイ、母マイネエストレヤ、美浦・畠山重則厩舎)
母は芝のマイル戦で2勝した。近親にはカレンチャン、スプリングチケット、タケミカヅチといった重賞ウイナーがいる。8月17日の追い切りには松岡正海騎手が跨り、本馬場で5F63秒台の好タイムをマーク。3頭併せの大外で最先着と目につく動きを見せた。「走りそうですね。いい脚を長く使えそうなタイプだし、いかにも洋芝が合いそうな感じ。いい勝負になると思います」とジョッキーは好感触だ。8月28日、札幌の芝1800mを松岡騎手で予定している。