【栗東】
◆リュウシンアクシス(牡、父ファンタスティックライト、母ラグレスロマニー、栗東・橋口弘次郎厩舎)
橋口弘次郎調教師がその馬体に惚れ込み、2010年北海道セレクションセール1歳にて1400万円で落札された。その後も順調に成長し、今年4月の段階で「今年のダービーのパドックに周回させても見劣りしない素晴らしい馬体の持ち主」と絶賛していた。
もちろん入厩してからも馬体の評価に関して同師の評価は変わりない。ただいつも坂路で併せ馬を行っているオリービンが攻め駆けしすぎるため、どうしても追い切りでは見劣ってしまう。ただ8月24日には坂路4F51.9秒をマークしており、水準以上の動きであることは間違いない。最終調整となる今週は「(レースで騎乗予定の)小牧太騎手が跨るので、多分動くと思う」と同師。9月19日(月)阪神芝1800mのデビュー戦へ向けて万全の仕上げで出走することができそうだ。
◆ゴールドベル(牡、父ステイゴールド、母シルバーベル、栗東・庄野靖志厩舎)
兄姉に目立った活躍馬がいない血統だが、8月上旬から入念に乗り込まれており、その動きの良さが気になる一頭。
庄野靖志調教師は「まだまだ子供っぽいところはあるけど、気性的にいいものを持っています。後ろから突かれれば前へ出ようとする前進気勢がありますし、初戦から力が出せるタイプですよ」とコメント。9月7日のCWではデュークワンダーと併せて3馬身先着。内を回ったとはいえ、6F83.6秒をマークして古馬に先着した内容は高く評価したい。未だ追い切りで遅れたことはなく、仕上がりの良さで9月18日(日)阪神芝1400mのデビュー戦をモノにしたい。なお鞍上は武豊騎手が予定されている。
また同レースには、関屋記念など重賞3勝したオースミコスモの仔、オースミツバキが和田竜二騎手を背にデビューする予定となっている。
◆アシュヴィン(牡、父Giant's Causeway、母Crazy Volume、栗東・中竹和也厩舎)
本馬は6月8日にゲート試験に合格し、そのままデビューする予定で追い切られたが、その動きが重かったため、成長を促す意味で大山ヒルズに放牧に出され、栗東には8月26日に再入厩した。
中竹和也調教師は「帰ってきて馬が良くなっている」と成長を感じるコメントをしていたが、9月7日のDPでは先週デビューしたジョーマダガスカルと併せて同入。軽く仕掛けた程度で5F64.9〜1F12.1秒と水準以上の時計をマークしており、成長を促した効果が出た調教内容だった。デビュー戦は9月19日(月)阪神芝1800mを後藤浩輝騎手で予定されている。
◆シュタインガーデン(牡、父アドマイヤドン、母ロココスタイル、栗東・須貝尚介厩舎)
伯父はスプリンターズSを連覇し、種牡馬としても大活躍したサクラバクシンオー。血統背景から芝の短距離をイメージするが「馬体を並べると耳を絞るような気の悪さを見せることがあるんですよ。こういうタイプはダートが合うことが多いんですよね。蹄の形もダート向きだと思います」ということで9月17日(土)札幌ダート1700mでのデビュー(鞍上は三浦皇成騎手)を決めたという須貝尚介調教師。栗東でも十分すぎる調教を積んでから函館へ移動しているが「早目にトラックでの調教を行いたかった」とのことで、現地でも十分に調教を積んだ。9月7日の函館Wでは併せ馬に遅れてしまったが、相手は先週のコスモス賞を楽勝したゴールドシップ。この馬としては十分、新馬の水準を超える動きを見せている。
【美浦】
◆クッキーチャン(牝、父スペシャルウィーク、母チャーミングクリス、美浦・畠山吉宏厩舎)
千葉サラブレッドセールに上場され、1260万円で取引された。米国産馬の母は芝で2勝。半姉クラリスピンクはダートで1勝している。目立って速い時計こそ出していないが、じっくりと乗り込んで追い切りの本数は豊富だ。「そこそこの馬格があるし、今のところはカイ食いも落ちていない。芝向きの軽い走りをするし、長めの距離もこなせそう」と畠山吉宏調教師。9月17日の中山・芝1600m(牝馬)を予定しており、鞍上には米国遠征から帰国する後藤騎手を配している。
◆サウスパシフィック(牡、父ステイゴールド、母フィジーガール、美浦・二ノ宮敬宇厩舎)
11日に行われたフランス遠征初戦のニエユ賞は残年ながら最下位に終わったが、春に共同通信杯を勝ち、クラシックの舞台で活躍したナカヤマナイトの全弟。兄と違い、こちらは500キロほどの大型馬。2009年のHBAセレクションセールでダーレージャパンが落札した。新潟デビューの予定を先送りして納得がいくまで乗り込んだ。「なかなか気持ちが入ってこなかったので予定を延ばした。大型馬だし、まだまだ全体的に緩いところがあるけど、ようやくGOサインが出せるぐらいになってきた。素質はある」と三浦調教助手。9月18日の中山・芝1800mを蛯名騎手で予定している。
◆ドリームコメット(牡、父アグネスタキオン、母ゲイロレンヌ、美浦・尾関知人厩舎)
半姉タヤスブルームは新馬戦とラベンダー賞を連勝し、1998年のGIIIフェアリーSを制した。その産駒にカタマチボタン(桜花賞3着、クイーンC2着)がいる。2009年のセレクトセールに上場され、1900万円で落札された。ゲート試験に合格したのち、ソエの様子を見ながらトレセン近くの育成場で調整。再入厩後は坂路を中心に乗り込み、先週の8日には4F51.8秒-35.9秒-11.6秒の好時計を弾き出すなど豊富なスピードを見せている。「短い距離が良さそうな体つき。今のところはソエのほうも問題なく落ち着いている。ひと追い毎に変わってきたし、初戦から動けると思います」と尾関調教師。9月18日の中山・ダート1200mを中舘騎手で予定している。
◆フリーダムマーチ(牝、父フジキセキ、母フリードリームズ、美浦・尾関知人厩舎)
ドイツ産の母は独1000ギニー3着馬。近親にも独オークス馬をはじめ、同国のチャンピオン牝馬がいる。坂路・ポリトラック・ウッドチップで入念に追い切りを重ね、先週の8日には北村宏司騎手を背に3頭併せで軽快な走りを見せた。「2、3週前から動きが良くなってきた。芝向きの軽い走りをするし、牝馬らしく切れそうなタイプです」と尾関調教師。9月17日の中山・芝1600m(牝馬)を北村宏司騎手で予定している。
◆ワールドエンド(牡、父サウスヴィグラス、母レーシングハート、美浦・斎藤誠厩舎)
近親にタマモヒビキ(小倉大賞典)、タマモイナズマ(ダイヤモンドS)がいる。前開催の新潟で除外になったため、適鞍のある中山に目標を切り替えた。そのぶん、1か月も余分に乗り込めたのはプラス材料。初戦から動ける態勢は整っている。「ガッシリとした体つきでスピードタイプ。血統的にもダートの短距離が合っていると思います」と斎藤誠調教師。9月18日の中山・ダート1200mを田辺裕信騎手で予定している。
【お知らせ】
来週の当コラムは3日間開催のため、20日(火)18時公開とさせていただきます。何卒ご了承の程よろしくお願い致します。