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トーセンラーの全弟スピルバーグがデビュー

  • 2011年10月11日(火) 18時00分
【栗東】
◆ダノングーグー(牡、父ハーツクライ、母フローラルグリーン、栗東・音無秀孝厩舎)
 同厩舎で管理されている半兄ダノンヨーヨーは2010年富士Sを勝ち、同年マイルCSは2着。本馬は2009年セレクトセール当歳にて2050万円で落札されている。入厩当初は手探りながら「適性距離はやっぱりマイルかな」と兄に似た距離適性を話していた音無秀孝調教師だが、追い切りを進めていくごとに兄に似たところを見せている。10月5日の坂路では新馬ミッキークリスエスを追走して最後は2秒近く先着。時計が出やすい馬場だったとはいえ、4F51.8秒は新馬としては破格の数字だ。兄も攻め駆けしてレースでも結果が出るタイプだけに、楽しみは膨らむばかり。デビュー予定の10月16日(日)京都芝1600mをまずは注目してみたい。なお鞍上は北村友一騎手。

ダノングーグー


 また先週の併せ馬のパートナーだったミッキークリスエスは「攻めは目立たないけど、ダートなら走りそう」と同師。同日京都ダート1800mを北村友一騎手でのデビューが予定されている。

ミッキークリスエス



◆ダイヴァーダウン(牡、父ブラックタキシード、母プリンセスオーロラ、栗東・松永昌博厩舎)
 半兄に同厩舎で管理され、ダートで3勝を挙げたビードラスティックがいるが、松永昌博調教師は「やっぱり兄に似てダートで良さそうな雰囲気はあるけど、将来的には芝でも十分にやれそう」と好感触。10月5日の坂路では新馬マルカファインと併せて遅れてしまったが、相手は芝の短距離で走れるスピードタイプ。それを考えれば、最後までよく食い下がって4F53.9秒と水準の時計を出した。デビュー戦は10月16日(日)京都ダート1800mが予定されている。

◆アイアンプラスワン(牝、父シンボリクリスエス、母チアフル、栗東・橋口弘次郎厩舎)
 全兄ミッキーチアフルは音無秀孝厩舎で管理され、芝で4勝を挙げており、3歳時には菊花賞に出走した経歴も持っている。また2009年セレクトセール当歳にて1300万円で落札されている。本馬について「攻めは水準」と決してトーンは高くない橋口弘次郎調教師だが、10月5日の坂路では古馬アーセナルゴールと併せて同入。相手が馬なりでこちらは一杯という手応えではあったが、抜かせないあたりにセンスを感じる。予定されている10月16日(日)京都芝1600mでどのような走りを見せてくれるか楽しみ。なお鞍上は小牧太騎手。

アイアンプラスワン



◆マウンテンビュー(牡、父フレンチデピュティ、母スターアミュレット、栗東・吉田直弘厩舎)
 近親に香港ヴァーズを優勝し、現在は種牡馬として大活躍するステイゴールドや1988年マイルCSを制したサッカーボーイ(先週、蹄葉炎で死亡)などがいる血統。本馬は10月2日にCWで先週の新馬戦2着だったコリンブレッセに併入して、5F68.6秒、1F12.3秒と軽快な動きを見せ、10月8日には坂路で古馬コンカランと併せて同入、4F52.2秒、1F12.7秒と少し時計の掛かる馬場状態だったことを考慮すれば、上々の時計だった。デビューは10月16日(日)京都ダート1800mを川田将雅騎手を予定している。

【美浦】
◆グランシャルム(牝、父Dylan Thomas、母ロイヤルファンタジー、美浦・鹿戸雄一厩舎)
 父はアイリッシュダービー、愛チャンピオンS、キングジョージ、凱旋門賞など欧州のGIを6勝した名馬。母は受胎した状態で日本に輸入され、本馬を社台ファームで出産。持込馬の扱いとなる。愛国産の半兄ミッションモードはデビュー勝ちを飾っており、現1000万下(3勝)で活躍中だ。台風が接近していた9月21日の調教中に強い雨風やカッパの音に驚いて放馬するアクシデントもあったが、軽い擦り傷だけで済み、様子を見ながら乗り込みを進めてきた。目立って速い時計は出していないものの、イラつかせないように気をつけながら調整されている。「気性的に前向きすぎるところが課題だけど、能力はある。力の要るウッドチップより、軽いポリトラックのほうが動くから芝向き。血統的にも先々は距離を延ばしていっても大丈夫だと思います」と鹿戸雄一調教師。10月16日、東京の芝1600mを蛯名正義騎手で予定している。

◆スピルバーグ(牡、父ディープインパクト、母プリンセスオリビア、美浦・藤沢和雄厩舎)
 1歳上の全兄トーセンラーは昨秋にデビュー勝ちを飾り、GIIIきさらぎ賞を制するなどクラシック戦線で活躍中。半姉ブルーミングアレーはデビュー勝ちを含む通算4勝を挙げ、オークスにも出走した。8月末に入厩して以来、じっくりと時間をかけて乗り込まれてきた。やや前向きさに欠けるようだが、調教でブリンカーを着けるなどして気持ちを乗せてきた。先週の5日は本馬場で3頭併せを消化。先行する2頭を追いかける形で外から馬体を並べて併入。ひと追い毎に気配は上向いている。「乗り込むに連れ、段々と自分がするべきことを分かってきたような感じ。追い切りでの反応もピリッとしてきたし、だいぶ馬自身が目覚めつつある。切れるというより、長く脚を使えそうなイメージ。この血統だし、競馬に行けば走ると思います」と津曲調教助手。10月15日、東京の芝2000mを北村宏司騎手で予定している。

 同じく藤沢和雄厩舎のスーパームーン(牡、父ブライアンズタイム、母フェアリーバラード)は「ひと追い毎に素軽さが出てきたし、追ってから良さそうなタイプ。まだまだ変わってきそう」とのこと。こちらは10月16日、東京の芝1600mでデビューする予定だ。

◆ブラインドサイド(牡、父キングカメハメハ、母ギミーシェルター、美浦・加藤征弘厩舎)
 サンデーサイレンス産駒の母は通算5勝。3歳時は桜花賞、オークスにも出走した。初仔の半兄サトノスパイダーはダートで勝ち上がっている。2009年のセレクトセールで2625万円(税込)で取引された。中山の4週目や東京の開幕週にデビューさせるプランもあったが、じっくりとスタンバイ。ウッドチップやポリトラックで長めからビシビシと乗り込まれており、追い切りの本数は十分すぎるほど。10日にも坂路で4F51.3秒の時計を出している。「まだ背中が緩いし、小脚を求められる中山よりは東京のような広いコースのほうが良さそう。動き自体は悪くないし、いいモノを持っている馬ですよ」と加藤征弘調教師。10月15日、東京の芝2000mを田中勝春騎手で予定している。

◆ローレンルーナ(牡、父Mineshaft、母Champagne Sue、美浦・田村康仁厩舎)
 キーンランドエイプリルセールの出身。1F10秒ジャストのトレーニングタイムを記録し、28万5000ドルの値をつけた。ノーザンリバーやヘニーハウンドなどで知られる林正道氏の名義で登録されている。入厩後も水準以上の時計で動いており、「古馬でも相手にならないぐらいだからね。期待しています」と田村康仁調教師。10月16日、東京の芝1600mを藤田伸二騎手で予定している。

 また、同じレースには国枝栄厩舎のエンドレスノット(牝、父ディープインパクト、母ウィキウィキ)や大竹正博厩舎のダークマレイン(牝、父サブミーカー、母スターマレイン)なども出走を予定している。

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栗東担当:井内利彰 「競馬予想TV!」に出演中の調教捜査官。調教主体や厩舎取材の予想を提供中。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」など。

美浦担当:竹之内元 大学に通うため、東京競馬場から徒歩3分のアパートに住んだことで転落人生を歩み出した38歳ライター。POGでは中山大障害勝ちのメルシータカオー指名が自慢。

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