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キャプテントゥーレの半弟クランモンタナがデビュー

  • 2011年10月17日(月) 18時00分
【栗東】
◆クランモンタナ(牡、父ディープインパクト、母エアトゥーレ、栗東・音無秀孝厩舎)
 皐月賞を制したキャプテントゥーレ、シルクロードS、セントウルSを制したアルティマトゥーレ、という重賞ウイナーを兄姉に持つ良血だけに、POGでもトップクラスの人気に支持されている馬。初夏の入厩ではゲート試験合格(7月8日)をクリアした後に予定通りの放牧。9月22日に再入厩してからは坂路で入念に仕上げられている。

 調教内容に関しては「今週の追い切り(10月12日)ではダノングーグーに少し遅れたし、馬体重は今朝(10月14日)の時点で488キロ。見た目にも立派なところがあるし、少し重めでの出走になるかも」と音無秀孝調教師は慎重な姿勢を崩さないが、それは周囲の期待の大きさを分かっているからこそ。目立って速い時計こそ出ていないものの、調教本数をしっかりと重ねている内容から初戦からある程度力を出せる状態にあるのは間違いないだろう。またこの状態で高いパフォーマンスを見せてくれてこそ、今後の走りが楽しみになるというもの。デビュー戦は10月23日(日)京都芝1800mを福永祐一騎手で予定している。

クランモンタナ


◆エーシンブラスター(牡、父Scat Daddy、母Madagascat、栗東・大久保龍志厩舎)
 父は現役時代にフロリダダービーを制しており、現在は種牡馬として芝、ダート問わない活躍馬を出している。本馬について大久保龍志調教師に印象を聞いたところ「かなり能力の高い馬ですね。追い切りに騎乗している岩田騎手も絶賛してくれています」と手応えあるコメントだった。

 そして10月14日に坂路で追い切られて4F51.6〜1F12.4秒と時計、動きともに文句ない走りを披露。追い切り後の同師は「スピードの絶対値が違いますね。当初は芝を使う予定でしたが、スピードがありすぎるので、馬の様子を見ながら最初はダートを使うことも検討してみます」と当初デビュー予定だった10月22日(土)京都芝1400mを10月29日(土)京都ダート1400mにスライドすることも示唆。どちらになっても岩田康誠騎手が騎乗する予定となっているが、出走してくれば、その走りに注目してみたい。

エーシンブラスター


◆アロマティコ(牝、父キングカメハメハ、母ナスカ、栗東・佐々木晶三厩舎)
 母の兄姉にはオーバーザウォール、サンバレンティン、インティライミといった重賞ウイナーがいる血統。母も当然活躍を期待されたが、デビュー前に骨折してしまい、繁殖に上がることになった。母も含めて佐々木晶三厩舎で管理されているだけに、厩舎ゆかりの新馬と言える。

 佐々木晶三調教師は「やっぱりこの血統は走るね。乗り手の評価も高い」と話しており、その期待は大きい。また担当する野口助手からは「素質の高い馬ですが、現時点ではまだ重いですね」と控えめなコメントだが、10月13日の坂路では新馬ワラオウヨと併せて先着。時計が4F56.2秒と遅いが、確実に出走へ向けての態勢が整っている。10月23日(日)新潟芝1600m(牝)を川須栄彦騎手でデビュー予定。

アロマティコ


◆マルカファイン(牡、父アグネスタキオン、母エアイゾルテ、栗東・松永昌博厩舎)
 全兄マルカベストは芝1200mで4勝を挙げており、近親には2010年オールカマーなど重賞3勝のシンゲンがいる血統。また2009年セレクトセール当歳では2000万円で落札されている。

 松永昌博調教師は「今週(10月12日)の坂路では古馬に少し遅れてしまったけど、先週(10月5日)はダイヴァーダウン(新馬2着)に馬なりで先着。血統的にも馬体的にもマイルまでが適性距離だと思うけど、素軽い動きをしますよ」と手応えを掴んでいる。デビュー戦は10月22日(土)京都芝1400mを武豊騎手で予定されている。

【美浦】
◆ケイアイカーム(牡、父ハーツクライ、母ダディーズシューズ、美浦・加藤征弘厩舎)
 2009年のセレクトセールで1000万円で落札された。半兄ダディーズドリームは札幌日経オープンなど通算7勝の他、目黒記念で2年連続3着など2000m以上の中長距離で活躍。伯父に重賞3勝(中山記念、京王杯SC、京成杯)のダイナマイトダディ、叔父に同じく重賞3勝(毎日王冠、愛知杯、北九州記念)のトゥナンテがいる。夏場にゲート試験を受けてから牧場に戻して成長を促した。東京開催でのデビューを目標に定めて9月24日に再入厩。坂路とウッドチップコースを併用して順調に乗り込み、ひと追い毎に態勢を整えてきた。「期待通りに成長して帰ってきた。新馬向きの気性だし、動きも上々。まず初戦から好勝負でしょう」と加藤征弘調教師。10月22日、東京の芝1800mを安藤勝己騎手で予定している。 

 同厩のトーセンヴェール(牝、父クロフネ、母ツィンクルヴェール)も夏場のデビューを予定していたが、馬体の細化で立て直しを図った。こちらは10月23日、新潟の芝1600m(牝馬)を予定している。

◆セイクリッドロード(牡、父シンボリクリスエス、母ホーリーブラウン、美浦・高橋裕厩舎)
 半兄セイクリッドバレーは今春の新潟大賞典で重賞初制覇を飾るなど現オープンで活躍中。9月下旬から調教のピッチを上げ、坂路で上々の動きを見せている。「500キロを超す大型馬。シンボリクリスエスの産駒らしく、脚が長くて雄大な体つきをしている。少しワガママなところを見せているけど、長めの距離がいいんじゃないかな」と高橋裕調教師。10月22日、東京の芝1800mを三浦皇成騎手で予定している。

◆ダイワインスパイア(牡、父ダイワメジャー、母ダイワパッション、美浦・池上昌弘厩舎)
 母は2歳の秋にデビュー3戦目で勝ち上がり、続く黒松賞→フェアリーS、さらに年明け初戦のフィリーズレビューと破竹の4連勝で桜花賞に駒を進めた。ダイワメジャーとの間に生まれた初仔にはオーナーも大きな期待を寄せている。先週の13日にはウッドチップコースで意欲的に追われ、古馬1600万下のダイワナイトを追走して併入。外めを回っていたことを思えば及第点の時計をマークした。「さすがに手応えは見劣ったけど、このひと追いで一段と良くなると思う。前向きな気性だし、体形的にも短めの距離が良さそう。初戦から動けるタイプだと思います」と池上調教助手。10月23日、東京の芝1400mを北村宏司騎手で予定している。

◆フェデラルホール(牡、父ステイゴールド、母オーバーザウォール、美浦・中川公成厩舎)
 母は1998年の福島記念を制した。その半弟に重賞3勝(京都新聞杯、京都大賞典、朝日CC)のインティライミ、重賞2勝(福島記念、七夕賞)のサンバレンティンがいる。「ステイゴールドの子にしては気性がおっとりしている。まだ全体的に緩い現状だけど、見た目以上に馬格があるし、心肺機能も高い。ためれば切れる脚を使いそうだし、実戦に行って良さそうなイメージ。」と中川公成調教師。10月22日、東京の芝1800mを蛯名正義騎手で予定している。

◆スーパームーン(牡、父ブライアンズタイム、母フェアリーバラード、美浦・藤沢和雄厩舎)
 先週の更新でも取り上げたが、もうひと追いが必要と判断されて待機。サトノレオパード(牡、父ウォーエンブレム、母バトルエンプレス)と入れ替わる形で今週にスライドした。10月12日、東京の芝1800mを横山典弘騎手で予定している。

 このレースには国枝栄厩舎のジェノアチャリス(牡、父アグネスタキオン、母シルバーチャリス)もスタンバイ。こちらの鞍上には後藤浩輝騎手を予定している。

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栗東担当:井内利彰 「競馬予想TV!」に出演中の調教捜査官。調教主体や厩舎取材の予想を提供中。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」など。

美浦担当:竹之内元 大学に通うため、東京競馬場から徒歩3分のアパートに住んだことで転落人生を歩み出した38歳ライター。POGでは中山大障害勝ちのメルシータカオー指名が自慢。

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