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アドマイヤムーン産駒アルキメデスなどがデビュー

  • 2011年10月24日(月) 18時00分
【栗東】
◆アルキメデス(牡、父アドマイヤムーン、母アーキオロジー、栗東・藤原英昭厩舎)
 半兄アストロロジーは同厩舎で管理され、京都芝1600mで2勝を挙げている。また父産駒は今年が初年度となるが、ファインチョイスが函館2歳Sを制しており、その勢いは継続中。

 本馬は7月14日のゲート試験に合格した時点で一旦放牧に出されており、ヒルサイドステーブルから帰厩したのは9月24日。その5日後には坂路で15-15程度の調教を開始しており、CWと坂路を併用しながら仕上げられた。1週前追い切りはCWでロードアリエスを追走する併せ馬となったが、インから並びかけると最後は1馬身ほど先着してゴール。手応えは相手の方が楽だったとはいえ、新馬が古馬を追走して先着する芸当はなかなかできない。その時計も6F81.3〜1F12.3秒と優秀。デビュー予定の10月29日(土)京都芝2000mはなかなかの好メンバーが揃いそうだが、その中心核であることは間違いない。なお鞍上は岩田康誠騎手が予定されている。

アルキメデス


◆オオミカミ(牡、父Scat Daddy、母Gone Bye Bye、栗東・藤岡健一厩舎)
 近親タマモハクライは芝1200mで3勝を挙げており、父は現在アメリカで芝ダート問わず活躍しているフレッシュマンサイアー。

 本馬はゲート試験合格後、坂路を中心に調教を積んできたが、10月に入り、CWで時計を出すようになった。10月19日はCWで新馬エーシンフルハウスを内から追走して半馬身ほど先着。その時計は6F86.1〜1F12.9秒と決して速くはないが、力強い脚捌きは目立った。藤岡健一調教師も「ここにきて大分動けるようになってきました」と合格点のコメント。10月29日(土)京都ダート1400mを藤藤岡佑介騎手でデビューする予定となっている。

 なお、同師が「長距離向く持久力があって、追ってからいいタイプ」と話すエーシンフルハウスは同日京都芝2000mを川田将雅騎手でデビュー予定。

オオミカミ


◆サナシオン(牡、父シンボリクリスエス、母ジェダイト、栗東・松永幹夫厩舎)
 母は忘れな草賞を勝っており、オークスと秋華賞に出走した。また近親には芝で3勝を挙げており、現在も活躍中のレッドシャガーラなどがいる。

 入厩当初の本馬に関して、松永幹夫調教師は「普段は元気すぎる仕草を見せるんですが、いざ追い切りをやると動きに物足りないところがありますね」と話していたが、10月12日の坂路での追い切り後に「速い調教をやるごとに変わってきましたね」と手応えを感じている。10月19日の坂路でも決して動いたという時計ではなかったが、再三にわたる併せ馬で中身は出来ている。予定されている10月29日(土)京都芝2000mでの走りに注目したい。鞍上は武豊騎手が予定されている。

◆ダノンクリエーター(牡、父Half Ours、母Difficult、栗東・村山明厩舎)
 半兄は同厩舎で管理され、2009年ジャパンダートダービーを制したテスタマッタ。その血統背景からも注目新馬と言えるだろう。

 本馬は10月7日にゲート試験に合格しており、10月19日の坂路では古馬アグネスヨジゲンと併せて1馬身ほど遅れたが、4F53.8秒とマークしている。村山明調教師は「まだ子供っぽいところはありますが、素質は高そうですね」とその将来性を示唆。現時点の動きについては「まだ物足りないところもあるので」と10月29日(土)京都ダート1400mのデビュー予定を先延ばしすることも検討しているようだが、その際は11月13日(日)京都ダート1400mへスライドすることになりそうだ。

 なお10月29日(土)京都ダート1400mには先週当コラムで紹介したエーシンブラスターが出走を予定しており、ダートとはいえ、良血や好調教馬が揃う注目の一戦となりそうだ。

【美浦】
◆シャドウパーティー(牡、父King's Best、母Glinting Desert、美浦・堀宣行厩舎)
 半兄Alfred Nobel(アルフレッドノーベル)はアイルランドの2歳G1・フェニックスSの勝ち馬。祖母の兄弟には高松宮記念を制したシンコウフォレスト、英ダービー馬のNew Approach(ニューアプローチ)がいる。父は日英のダービー馬(エイシンフラッシュ、ワークフォース)を送り出しており、世界的にも一流の血統背景を誇る。

 先週の10月20日にはデビュー戦2着のストローハット(10月30日の東京2Rに出走予定)を相手にウッドチップコースでビシッと追われた。このひと追いでグンと上向いてきそうなムードだ。「一生懸命に走るタイプで稽古の動きは抜群。スタミナもありそうだし、いい脚を長く使いそうなイメージなので東京の長い直線は合っていると思う。ポテンシャルの高さは間違いないし、レースぶりを楽しみにしています」と橋本調教助手。10月30日、東京の芝2000mを福永祐一騎手で予定している。

◆シャンボールフィズ(牝、父キングカメハメハ、母マンハッタンフィズ、美浦・小島太厩舎)
 半姉に現オープンのコロンバスサークル、重賞2勝のアプリコットフィズ。母の全兄(伯父)にはマンハッタンカフェがおり、小島太厩舎にゆかりの良血だ。現3歳の半兄クレスコグランド(栗東・石坂正厩舎)も京都新聞杯を勝っている。先週の20日には坂路で4F50.8秒と水準以上の好時計をマーク。血統の良さに違わぬ動きを見せている。「入厩してきた当初は体つきが幼かったけど、日を追う毎にグングンと良くなってきた。従順な性格で指示どおりに動けるし、速かろうが遅かろうが抑えも利く。お姉ちゃんとは違い、とにかく無駄がない。初戦から楽しみが大きいですよ」と小島良太調教助手。10月30日、東京の芝1600mをクリストフ・ルメール騎手で予定している。

◆ロワヴェールカフェ(牡、父キングカメハメハ、母マーヤナ、美浦・小島太厩舎)
 当初は2週目のデビューを予定していたが、軽いスクミの症状で延期。すぐに坂路で時計を出せたように大きな影響は見られず、20日に古馬のメイショウツチヤマ(現1000万下)と併せて4F54.7秒をマークした。「じっくりと乗り込んできたし、すごく身のこなしがいい。瞬発的な脚を持っているし、いい切れ味がありそうなタイプですね」と小島良太調教助手。10月30日、東京の芝2000mを柴田善臣騎手で予定している。

◆デジタルデータ(牡、父サクラバクシンオー、母マストシーストップ、美浦・加藤征弘厩舎)
 同じく加藤征弘厩舎で管理されている半姉サクラトップクインは現1勝。母の全兄(伯父)にはダービー馬のタヤスツヨシがいる。夏にゲート試験を受けたのち、牧場で乗り込んで9月28日に再入厩。坂路とウッドチップで順調に追い切りを重ねており、万全の態勢を整えている。「動きは文句ない。気性的にも前向き初戦から動けそう」と加藤征弘調教師。10月30日、東京の芝1600mを蛯名正義騎手で予定している。

 同厩舎のトーセンシーザー(牡、父ディープインパクト、母シェンク)は、じっくりと時間をかけて入念に乗り込んできた。デビュー戦の舞台は10月30日、東京の芝2000mを視野に入れている。ただ、期待の大きな良血馬だけに追い切りの動き次第で流動的。現状でも水準級の動きを見せているが、納得がいかなければ次開催まで延ばす方針だ。

◆マイネルレーサー(牡、父ジャングルポケット、母レース、美浦・国枝栄厩舎)
 半兄に現オープンのアドマイヤシャトル、現1600万下のトーセンアレスがいる。坂路で追い切りを重ね、先々週の13日に4F51.3秒、先週の20日には4F50.6秒をマーク。ひと追い毎に時計を詰めており、水準以上の動きを見せている。「やれば動くし、だいぶ気持ちが乗ってきた。いいモノを持っているんじゃないかな」と国枝栄調教師。10月30日、東京の芝2000mを松岡正海騎手で予定している。

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栗東担当:井内利彰 「競馬予想TV!」に出演中の調教捜査官。調教主体や厩舎取材の予想を提供中。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」など。

美浦担当:竹之内元 大学に通うため、東京競馬場から徒歩3分のアパートに住んだことで転落人生を歩み出した38歳ライター。POGでは中山大障害勝ちのメルシータカオー指名が自慢。

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