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菊花賞馬スリーロールスの弟などがデビュー

  • 2011年10月31日(月) 18時00分
【栗東】
◆スリーヴェローチェ(牡、父ダイワメジャー、母スリーローマン、栗東・武宏平厩舎)
 半兄は2009年菊花賞を制したスリーロールス。また父産駒は小倉2歳Sを制したエピセアロームなど勢いのある新種牡馬なので、血統的に注目度が高いのは当然だろう。

 ただ普段の様子を見ていても気の悪さというか、気の強さが目につくシーンもあったが、ここにきて、ようやく気持ちが走る方へ向いてきた感じ。10月28日にCWでシンワカントリーを追走する併せ馬を行ったが、直線内に入れると豪快な伸び。6F82.2秒の全体時計はもちろんのこと、ラスト1F12.4秒も数字的に評価できる。デビュー予定の11月6日(日)京都芝1800mは兄のデビュー戦(4着)と同じ場所だが、兄以上の走りが期待できそうな態勢が整った。なお鞍上は浜中俊騎手が予定されている。

スリーヴェローチェ


◆オメガセニョリーナ(牝、父アグネスタキオン、母ショーコ、栗東・松永幹夫厩舎)
 2009年セレクトセール当歳にて2000万円で落札。全姉ビクトリクスは阪神芝1800mの未勝利戦を勝ち上がっているという血統。

 本馬がゲート試験に合格したのは9月22日だったが、その直後に「飼葉食いが細いので、一旦放牧に出すかも」と松永幹夫調教師は話していたが「思った以上にしっかり飼葉を食べてくれるので、調教を進めていきます」とプラン変更。10/12の坂路追い切りではその週の未勝利戦を勝ったテラノイロハを相手に手応え優勢で先着している。「馬体に心配がないので、しっかり乗り込めていますね。これなら初戦から力を発揮してくれそうです」と同師も順調な調整に手応えを感じている。デビューは11月5日(土)京都芝1600m(牝)を浜中俊騎手で予定している。

◆エーシンハッブル(牡、父トーセンダンス、 母サクラハートピア、栗東・中尾秀正厩舎)
 近親に目立った活躍馬がいる血統ではないが、2011JRAブリーズアップセールでは取引価格が上位から3番目の2500万円で落札されている。ちなみに今年のブリーズアップ出身馬ではエイシンキンチェムがダリア賞、ダームドゥラックがラベンダー賞のオープン特別を勝っている。

 中尾秀正調教師は「高値で取引されるだけあって、いいものを持っていますね。牧場でそんなに攻めていなかったので、入厩してからじっくり仕上げていますが、追い切りでの動きも目立ってきました」と評価。その言葉通り、10月26日は古馬ナリタプラチナとCWで併せて、一杯になりながらも最後は先着。時計は6F82.5秒はかなり優秀な数字をマークした。11月6日(日)京都芝1800mでデビューする予定だが、初戦からどれだけ走れるか注目したい。

エーシンハッブル


◆ツルマルナルト(牡、父ジャングルポケット、母ツルマルグラマー、栗東・橋口弘次郎厩舎)
 母は同厩舎で管理されて、新馬勝ち後にファンタジーS2着。そして半姉ツルマルワンピースも同厩舎で管理されており、未勝利、りんどう賞と連勝して、レーヴディソールの勝った阪神JFで5着と健闘。厩舎ゆかりの血統と言える。

 宇治田原優駿Sでじっくりと調教を積んで栗東へ入厩したこともあり、入厩して1週間で坂路15-15の調教を開始。10月14日はゲート試験に合格した。10月27日は坂路で新馬フェアブルームと併せたが一杯になる相手に対して余力残しで同入。4F54.3秒だったが「追えば53秒台前半で動けていた」と橋口弘次郎調教師もその素軽い動きを評価している。目立って速い時計は出ていないものの、調教量は十分。予定されている11月6日(日)新潟芝2000mのデビュー戦が楽しみ。

ツルマルナルト



【美浦】
◆アルフェロア(牡、父シンボリクリスエス、母マルカキャンディ、美浦・戸田博文厩舎)
 サンデーサイレンス産駒の母はGIII府中牝馬Sの勝ち馬。1歳上の半兄にはダービー3着のベルシャザールがいる。9月にゲート試験を受けてから山元トレセンでリフレッシュさせ、10月7日に再入厩。10月30日にデビュー勝ちしたフェノーメノと一緒に調教を積まれており、ウッドチップとポリトラックを併用して時計を出している。「まだ現状では緩さがあるけど、追う毎に反応が良くなってきている。背中やフットワークの良さからも素質は感じるし、シンボリクリスエスの子にしては重たさを感じない。性格的には幼いところがあるけど、血統的にも成長力があると思います」と斎藤調教助手。11月6日、東京の芝1800mを吉田豊騎手で予定している。

◆コナセラー(牝、父キングカメハメハ、母トップセラー、美浦・和田正道厩舎)
 祖母はGIIIクイーンSを制したプロモーション。スペシャルウィーク産駒の母はデビュー勝ちを含め、通算3勝をマークした。その母の半弟に毎日杯と青葉賞を勝ち、ダービー2着、菊花賞3着のアドマイヤメインがいる。9月28日に入厩し、10月5日にゲート試験をパス。先週の26日にはポリトラックコースで追われ、初めての併せ馬で先着と及第点の動きを見せた。「じっくりと乗り込んできたし、動きのほうも良くなってきた。まだ少し弱いところがあるけど、いいところはありそうです」と和田正道調教師。11月5日、東京の芝1600m(牝馬)を蛯名正義騎手で予定している。

◆ダイワネクサス(牡、父ジャングルポケット、母ダイワルージュ、美浦・上原博之厩舎)
 サンデーサイレンス産駒の母はGIII新潟3歳Sを制した他、阪神3歳牝馬S2着、桜花賞3着など早い時期から活躍した。現4歳の全兄ダイワファルコンは休み明けの韓国馬事会杯に続き、10月30日のカシオペアSを連勝。この先、重賞戦線での飛躍が期待されるところだ。先週の27日にはウッドチップコースでアドマイヤリリーフとの併せ馬を消化。追走して馬なりで併入と気配の良さを印象づけた。「雰囲気はいいね。ジャンポケ産駒に特有の緩さがあるけど、背中の感じがいいし、心身ともにしっかりしている。気性的にもカリカリしたところがないし、ゆったりと走れる距離が良さそう。お母さんの最後の子供なので、いい結果を出したいですね」と上原博之調教師。11月6日、東京の芝1800mを北村宏司騎手で予定している。

◆ドリームピース(牡、父ゼンノロブロイ、母ソレイユドール、美浦・松山康久厩舎)
 母の半兄Stuka(スツーカ)は米G1サンタアニタHの勝ち馬。種牡馬としてはチリで多くの活躍馬を出している。坂路を中心に追い切りを重ね、10月20日に4F50.6秒、26日に4F51.5秒を軽快にマーク。ソエの状態を見ながら乗り込みを進めてきたが、ここに来て症状は落ち着いてきたようだ。当初は29日の東京・ダート1400mでデビューする予定だったが、抽選で除外の憂き目。仕切り直しのデビュー戦は11月5日の東京・ダート1400mか、翌6日の東京・芝1400mを両にらみで検討している。

 その他、松山康久厩舎ではトーセンセカイオー(牡、父キングカメハメハ、母スリリングヴィクトリー)が11月6日の芝1800mか、翌週の芝2000mを予定。カフェルネッサンス(牡、父フジキセキ、母ミルグレイン)も1週目か2週目のデビューを視野に入れている。

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栗東担当:井内利彰 「競馬予想TV!」に出演中の調教捜査官。調教主体や厩舎取材の予想を提供中。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」など。

美浦担当:竹之内元 大学に通うため、東京競馬場から徒歩3分のアパートに住んだことで転落人生を歩み出した38歳ライター。POGでは中山大障害勝ちのメルシータカオー指名が自慢。

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