スマートフォン版へ

ブエナビスタ半妹ジョワドヴィーヴルがついにデビュー

  • 2011年11月07日(月) 18時00分
【栗東】
◆テムジン(牡、父ディープインパクト、母アグネスミネルバ、栗東・松永幹夫厩舎)
 半姉アグネスラズベリは2007年函館スプリントSを制しており、2010年セレクトセール1歳にて4700万円で落札された。

 栗東へ入厩したのは9月30日。その1週間後の10月7日にはゲート試験に合格し、良血らしい優等生ぶりを発揮した。松永幹夫調教師は「スピードがあって、気のいいタイプなのでやりすぎないように注意したい」と話しながら調整を進めており、11月2日の坂路での追い切りが4F52.7秒。この動きに「終いが14.1秒と少し時計が掛かりましたが、全体の時計は速いですし、最後まで一杯に追えたのでよかったと思います」と合格点の評価。「将来的には姉と同じように短い距離での活躍になるかも知れませんが、現時点ではマイルまでこなしてほしい」ということでデビュー戦は11月12日(土)京都芝1600mを武豊騎手で予定されている。

 このレースにはブエナビスタの半妹としてPOGで最も注目されているジョワドヴィーヴルも出走を予定。11月2日にCWで福永祐一騎手(レースで騎乗予定)が跨り、新馬ストレートラブと併せて先着。時計は6F86.6秒と平凡だが、ラスト1Fで追われてからの反応はさすが。このひと追いでしっかり良化してくるだろう。

ジョワドヴィーヴル


 また2007年ヴィクトリアMを制したコイウタの半弟ベールドインパクトもC.ルメール騎手で出走を予定しており、来年のクラシック戦線で活躍してくれそうな素材が集うデビュー戦となるだろう。

ベールドインパクト


◆ハワイアンソルト(牡、父ディープインパクト、母ミスパスカリ、栗東・友道康夫厩舎)
 伯父にNHKマイルC、JCダートを制して、現在は種牡馬として活躍するクロフネがいるという良血。入厩以前の印象は「見た目は母に似た大型だけど、動かすと柔らかい」というのが友道康夫調教師の評価だった。

 初夏に入厩して7月15日にゲート試験に合格。その後、放牧に出されるのは予定通りだったが、帰厩してから5回阪神でのデビューを視野に入れて調整されていたが「まだまだピッチを上げられる状態ではない」ということで、じっくり馬の様子を見ながらの調教となり、ここまで時間を要した。しかしその効果で「やるたびに動きが良くなってきた」と同師。11月2日のDPでは古馬アドマイヤスコールと併せて、6F77.5秒で同入。走りやすいポリトラック馬場とはいえ、新馬として水準以上の時計が出た。11月13日(日)京都芝2000mを小牧太騎手でデビュー予定。

 なお同レースにはカンパニーの半弟ヒストリカルが福永祐一騎手で、コスモファントムの全弟ワイドクロスがI.メンディザバル騎手で、そして伯母に天皇賞秋を勝ったヘヴンリーロマンスがおり、宮本博調教師が「クラシックを意識させる馬」と高評価のシエルブリュなどデビューする予定となっており、前日に行われるマイル戦に続き、良血素質馬が揃うレースとなりそうだ。

シエルブリュ


◆シューサクオー(牡、父ダイワメジャー、母フィーユドノワール、栗東・中尾秀正厩舎)
 母系にはステイゴールド、ドリームパスポート、レクレドールといった重賞ウイナーが名を連ねる良血。2010年北海道サマーセールでは890万円で落札されている。

 10月14日にゲート試験に合格し、11月2日には坂路で新馬オールブラックスと併せて同入、4F53.3秒とマークしている。中尾秀正調教師は「短い距離が向くピッチ走法だし、ゲートが速い。初戦から動けるタイプだと思います」と高い評価。母系から出た重賞ウイナーとは少しタイプが違うようだが、ダイワメジャー産駒らしい前向きさが長所なのかも知れない。デビュー戦は11月13日(日)京都ダート1400mをM.デムーロ騎手で予定している。

◆ヴィサージュ(牡、父デュランダル、母シャープキック、栗東・安田隆行厩舎)
 半兄に同厩舎で管理され、芝2勝、ダート2勝という成績を残したラフィナールがいるが「タイプは違いますね」と安田隆行調教師。

 10月7日のゲート試験に合格後も「気持ちは前向きになってきましたが、まだ少し重いですね」という調教の進捗状況だったが、11月2日にCWで古馬シンメイフジとの併せ馬を行って6F83.9秒。「遅れましたが、相手が相手ですし、時計もそれなりですが、中身はしっかり出来てきましたね」と同師の評価は日増しに上がっている。デビューは11月12日(土)東京ダート1600mをF.ベリー騎手で予定している。

【美浦】
◆アメリカンウィナー(牡、父Bernardini、母Zappeuse、美浦・戸田博文厩舎)
 父の産駒には9月の札幌でデビュー勝ちを飾り、デイリー杯2歳S3着のゲンテン(今週の京王杯2歳Sに出走予定)がいる。半姉Danzon(ダンゾン)は米・加・独・仏で10勝(重賞3勝)。3代母からは仏G1・2勝のDanseuse du Soi(ダンスーズデュソワール)が出ている。入厩後はパートナーのドラゴンフォルテ(3週目にデビュー予定)と一緒に乗り込まれてきた。それほど目立つ時計は出していないが、ひと追い毎に態勢を整えてきた。「調教を積む毎に良くなってきた。素直な気性だし、馬がゆったりとしている。あとは競馬に行ってどうかだけど、芝のマイルから中距離ぐらいが良さそうな感じですね」と戸田博文調教師。11月13日、東京の芝1600mを吉田豊騎手で予定している。

◆キンラン(牡、父ハーツクライ、母ミルククラウン、美浦・戸田博文厩舎)
 2009年のセレクトセールに上場され、2100万円で落札された。米国産の母はダートの1200mでデビュー勝ちを飾っている。坂路とポリトラックコースで追い切りを重ね、軽快な動きが目につく。「ミスターグリーリー産駒の母は短い距離で走ったけど、おとなしい性格で真面目なタイプだし、中距離ぐらいが良さそう。稽古でも引っ掛かるようなところがないし、いい動きを見せてくれています」と戸田博文調教師。11月12日、東京の芝2000mを予定している。

◆ダノンゴールド(牡、父ゴールドアリュール、母ライブリーチューン、美浦・藤沢和雄厩舎)
 2009年のセレクトセールに上場され、3600万円で落札された。近親にキングヘイロー、マジェスティバイオがいる。10月27日にゲート試験を合格。1週前の11月2日には坂路で4F51.6秒、6日の日曜日にも51.7秒のタイムを出している。「大型馬らしく、ひと追い毎に良くなってきた。だんだんと目覚めてきた感じがするし、いい馬だよ」と藤沢和雄調教師。11月12日、東京の芝2000mを横山典弘騎手で予定している。

◆マイネカメリア(牝、父ディープインパクト、母タカラカンナ、美浦・国枝栄厩舎)
 マイネルキッツ、マイネカンナの半妹。入厩後はゲート試験に時間を要し、10月27日に3度目の受験で合格した。その間も含め、坂路とウッドチップコースを併用して入念に時計を出してきた。「400kgちょっとの小柄な女馬。種馬も違うし、お兄ちゃんとはタイプが違うね。そんなにビュッと切れるような感じはないけど、ディープの子で軽い走りをする」と国枝栄調教師。11月13日、東京の芝1600mを松岡正海騎手で予定している。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

栗東担当:井内利彰 「競馬予想TV!」に出演中の調教捜査官。調教主体や厩舎取材の予想を提供中。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」など。

美浦担当:竹之内元 大学に通うため、東京競馬場から徒歩3分のアパートに住んだことで転落人生を歩み出した38歳ライター。POGでは中山大障害勝ちのメルシータカオー指名が自慢。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング