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アドマイヤムーン半弟トーセンサミットがデビュー

  • 2011年11月14日(月) 18時00分
【栗東】
◆テストマッチ(牡、父キングカメハメハ、母アレキサンドリア、栗東・音無秀孝厩舎)
 近親に2008年スプリンターズSを制したスリープレスナイトがいる良血で、母自身は同厩舎で管理され、素質の高さを期待されたが、デビュー戦のみで引退を余儀なくされた。

 その初仔は「産まれた時から誰が見てもいい馬だったと思う」と音無秀孝調教師が絶賛するほど。栗東へ入厩したのは9月21日で、その4日後には坂路で15-15の時計が出るほど順調な調整過程を踏んでいる。また11月9日には坂路で4F51.9秒をマークしており、出走態勢は整った。ただ調教を進めていく上で「キングカメハメハ産駒だけど、幅のあるタイプだから距離には限度があるかも」と師が適性を判断しているので、デビュー戦は11月19日(土)京都芝1600mを予定している。なお鞍上は安藤勝己騎手を予定。

 なお11月9日の坂路でテストマッチと併せて先着したサンライズマヌーは11月20日(日)京都芝1800m(日)でデビューする予定となっている。

テストマッチ


◆ダッチェスドライヴ(牝、父Street Sense、母アバヤ、栗東・安田隆行厩舎)
 日本で走っている父産駒には京都ダート1200mの未勝利戦で2着馬を1.3秒ちぎって圧勝したストリートハンターなどがいる。母系には京都ダート1400mで圧勝したアースソングなどがいる血統。

 本馬は入厩当初「大型馬なので、じっくり乗り込んだ方がよさそうですね」と安田隆行調教師が調整の展望を語っていたが、追い切りをやるたびに軽快な動きを見せ「見た目のイメージよりスピードある動きをします」と日増しに評価が高くなっていた。11月9日の坂路では新馬クルージンミジーと併せて4F51.2秒。「少し頭の高い走りでしたが、やっぱり動きますね」と師もご満悦。デビュー予定の11月19日(土)京都ダート1400m(牝)で高いパフォーマンスを見せてくれるだろう。鞍上は北村友一騎手を予定している。

◆アドマイヤレイ(牡、父ダイワメジャー、母ティエッチマンボ、栗東・友道康夫厩舎)
 半兄に同厩舎で管理されており、芝中距離で6勝を挙げているアドマイヤメジャーがいるが「兄は繊細なところがあって、レースでの闘争心が少し足りないようなタイプ。それに比べると前向きさがあるし、重たいウッドチップでも力強く走るだけのパワーもありますね」と友道康夫調教師。

 11月9日はレースでも騎乗予定の川田将雅騎手が跨ってCWで3頭併せ。先行するアグンに直線内から並びかけて最後はやや遅れ。ただ6F82.0〜1F11.8秒という時計は新馬ではトップクラス、まして相手は新馬勝ちし、今週の東京スポーツ杯2歳Sでも注目視される一頭ということを考えれば上出来だろう。このひと追いで11月20日(日)京都芝1800mのデビュー戦への出走態勢は整った。

アドマイヤレイ


◆トーセンサミット(牡、父シンボリクリスエス、母マイケイティーズ、栗東・大久保龍志厩舎)
 半兄アドマイヤムーンは2007年に宝塚記念、ジャパンCを制して引退。現在は種牡馬として初年度から重賞ウイナーを送り出すなど大活躍している。なお本馬は2009年セレクトセール当歳では1億2500万円で落札されている。

 それだけに注目度が高く、大久保龍志調教師も「出走させるからには結果が求められる馬」と高い次元での走りができるように調整を進めていた。11月3日のCWでは古馬チュウワブロッサムを追走して最後まで抜くことができずにゴール。時計は6F83.2〜1F12.2秒と決して遅い数字ではないが調教師、ジョッキーともにもうワンランク上の走りを期待していた様子。そして11月10日はCWで新馬スカイノライアンを追走して6Fこそ86.3秒と遅かったが、ラスト1Fは11.6秒の伸び。陣営の思惑通り、弾ける調教はできた。あとは11月20日(日)京都ダート1800mのデビュー戦でどのような走りを見せてくれるか。鞍上は岩田康誠騎手。

【美浦】
◆オメガエンブレム(牝、父ウォーエンブレム、母オメガグレイス、美浦・古賀慎明厩舎)
 古賀慎明厩舎の牝馬と言えばアサヒライジング、サンテミリオン、ピュアブリーゼがクラシック戦線で活躍しており、この馬も注目の存在だ。サンデーサイレンス産駒の母はデビュー勝ちを含めて5勝しており、その半妹に今年のオークスを制したエリンコートがいる。本馬の半兄オメガブレインはデビュー勝ちを含めて現2勝と活躍中だ。

 夏場に一度は入厩したが、少し疲れが出たこともあって秋まで待機した。再入厩してからは順調に乗り込まれ、坂路で4F51秒台の時計を出すなど上々の動きを見せている。「この血統だし、けっこう前向きなところがあるけど、特に気難しい訳ではない。どちらかと言えばスピードタイプ。いい素質を感じるし、初戦から楽しみにしています」と厩舎サイドも期待を寄せる1頭だ。11月19日、東京の芝1400m(牝馬)でデビュー勝ちを狙う。ルメール騎手の騎乗停止により、福永祐一騎手が手綱を取る予定だ。

◆ドラゴンフォルテ(牡、父ディープインパクト、母ヴィフォルテ、美浦・戸田博文厩舎)
 同じく戸田博文厩舎に所属していた母はダートの短距離で3勝した。その初仔となる。9月22日に入厩し、10月に入ってから本格的な調教を開始。11月3日には福永祐一騎手が跨り、ポリトラックで5F69秒台をマークした。先週の9日にも長めを乗られており、仕上がりは順調に進んでいる。

「はじめのうちは自分から走る気を見せていなかったけど、ひと追い毎に良くなってきた。お母さんは短い距離で走ったけど、ディープの子で体形的にも気性的にも距離の融通が利きそうなタイプですね」と戸田博文調教師。11月19日、東京の芝1800mを福永騎手で予定している。

◆フェアブレシア(牡、父マンハッタンカフェ、母オカノハーモニー、美浦・斎藤誠厩舎)
 斎藤誠厩舎の2歳世代は先々週のヴィオラーネに続き、先週もコスモポーラベアとカリスマアキラが勝ち上がった。本馬の母は6月の函館でデビュー勝ちを飾り、3戦目の福島2歳Sで2勝目を挙げた。近親にはリンデンリリー(エリザベス女王杯)、ヤマカツリリー(フィリーズレビュー)がいる。9日にはポリトラックで水準以上の好時計を出しており、活発な動きが目を惹いた。

「普段は大人しいけど、馬場に出るとスイッチが入る。そういう気性なので制御するのが難しいけど、引っ掛かっても簡単にはバテないし、スピードの持続力がある。素材はいいですよ」と斎藤誠調教師。11月19日、東京の芝1800mをF.ベリー騎手で予定している。場合によっては翌日の芝1400mに回る可能性もある。

◆ミラクルムーン(牝、父アドマイヤムーン、母ノースフライト、美浦・手塚貴久厩舎)
 トニービン産駒の母は通算11戦8勝。1994年には安田記念、マイルCSを連覇した。その他にもマイラーズCなど重賞を4勝している。父の産駒は函館2歳Sのファインチョイスに続き、先日の京王杯SCをレオアクティブが制するなど好調だ。

「アドマイヤムーンの子供らしく、気が強いタイプ。やる気になれば、もっと動けると思う。数字以上にガッチリとしているし、血統的にも先々まで楽しみにしています」と手塚貴久調教師。馬体重は450kg前後。11月19日、東京の芝1400mを予定している。

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栗東担当:井内利彰 「競馬予想TV!」に出演中の調教捜査官。調教主体や厩舎取材の予想を提供中。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」など。

美浦担当:竹之内元 大学に通うため、東京競馬場から徒歩3分のアパートに住んだことで転落人生を歩み出した38歳ライター。POGでは中山大障害勝ちのメルシータカオー指名が自慢。

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