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アドマイヤジュピタの半弟ジェラルドがデビュー

  • 2011年11月28日(月) 18時00分
【栗東】
◆ジェラルド(牡、父アグネスタキオン、母ジェイズジュエリー、栗東・友道康夫厩舎)
 半兄アドマイヤジュピタは同厩舎で管理され、2008年天皇賞春を制している。また本馬は2009年セレクトセール当歳にて4500万円で落札されている。

 ゲート試験までは坂路での15-15を主体に調整され、10月28日の試験合格後は本格的な追い切りが行われており、11月10日には坂路で先週デビューして3着だったスカイディグニティを追走して1馬身ほど先着。11月23日はCWでレースでも騎乗予定の岩田康誠騎手が跨って古馬アドマイヤスコールに先着した。「来週が競馬なので、今朝(11月25日)は岩田ジョッキーに跨ってもらってゲートから出しましたが『追い切ってからグンと良くなっている』とジョッキーも話してくれましたし、最初から動けると思いますよ」と友道康夫調教師。12月4日(日)阪神芝2000mでのデビューを楽しみに待ちたい。

ジェラルド


◆ハクサンムーン(牡、父アドマイヤムーン、母チリエージェ、栗東・西園正都厩舎)
 祖母メガミゲラン、母チリエージェともに芝の短距離で活躍したが、そこに今年の新種牡馬アドマイヤムーンが配合されて、どのような産駒が出るかという点が興味深い。

 西園正都調教師は「母系は短距離に適性がある血統だけど、父の影響もあってか、体型的にはある程度距離をこなせそう」と分析。追い切りでは11月16日に坂路でサダムオベーションと併せて、2秒近く先着し、4F52.3秒の好時計をマーク。11月24日には坂路で今年の皐月賞2着馬サダムパテックに先行していたとはいえ、半馬身ほど先着。4F53.5〜1F12.4秒と新馬らしからぬ脚力を見せている。「京都開催でも使えたほどの仕上がりなので、もちろん初戦から期待しています」と師。12月3日(土)阪神芝1400mを吉原寛人騎手でデビューする予定となっている。

ハクサンムーン


◆サウンドビガレス(牡、父Flashy Bull、母Berriesfromheaven、栗東・安達昭夫厩舎)
 近親に今年の目黒記念2着、宝塚記念6着と第一線で活躍しているハートビートソングがいる血統で、父は現役時代にスティーヴンフォスターH(G1・ダート1800m)を制している。

 本馬は10月26日にゲート試験に合格後、11月9日に坂路でメイショウゲンカイと併せて3馬身先着、4F52.7秒をマーク。その後は坂路で単走で追われており、11月24日はレースでも騎乗予定の佐藤哲三騎手が跨って4F54.9〜1F13.0秒で動いている。安達昭夫調教師からは「育成場で十分に調教を積んでから入厩したこともあって、こちらでの動きもしっかりしていますね。当初は芝でデビューを検討していましたが、ジョッキーの進言でダートを使う予定です」とのことで、現在のところは12月4日(日)阪神ダート1800mでのデビューが濃厚。なお今週の追い切り次第では12月11日(日)阪神ダート1400mへスライドする可能性もある。

◆エンブレムローザ(牡、父ウォーエンブレム、ローザネイ、栗東・橋口弘次郎厩舎)
 橋口厩舎ゆかりの薔薇一族、ロゼカラー、ロサード、ヴィータローザといった重賞ウイナーを続々と輩出する血統。その中で初めて父にミスタープロスペクター系の種牡馬が配合された。

 入厩翌日の登坂でいきなり時計になったように、坂路だと引っ掛かり気味に走ってしまうため、常に時計が出てしまうような状態。橋口弘次郎調教師も頭を悩めたが、ポリトラック馬場のDコースやダート馬場のEコースを併用することで、なんとか調整を進めてきた。圧巻だったのは11月16日のDPでの調教。テンから12秒台のラップと飛ばしたにも関わらず、ラストも13.1秒で我慢。6F76.8秒の時計には「そんなに出てた?」と師も驚きを隠さなかった。11月23日のゲート試験には無事合格。すでに調教本数は十分なため、12月3日(土)阪神芝1400mでデビューする運びとなった。

【美浦】
◆アロヒラニ(牡、父キングカメハメハ、母ファインセラ、美浦・久保田貴士厩舎)
 11月27日のジャパンCで通算6度目のGI制覇を飾ったブエナビスタは本馬の叔母にあたる。ほかにも叔父にアドマイヤジャパン、アドマイヤオーラ、トーセンレーヴと一族には活躍馬が並ぶ。同じく久保田厩舎で管理されている全兄ラロメリアは現1勝。まだ5戦のキャリアで今後の飛躍が期待される素質馬だ。11月に入ってから調教のピッチを上げ、先週の23日には古馬のヒシカツジェームスを追走して直線で並びかける稽古を消化。ゴール板を過ぎてからも速めのキャンターで流し、しっかりと負荷をかけた。「お兄ちゃんに比べると素直だし、雰囲気はいいですね。追ってからが良さそうだし、いいモノを持っていると思います」と尾形調教助手はA級の評価を下す。12月3日、中山の芝1800mを田辺裕信騎手で予定している。

◆アールデュラン(牡、父ハーツクライ、母パフェ、美浦・鹿戸雄一厩舎)
 半兄ローレルジャブラニはデビュー勝ちしている。先週の11月23日にはオープン馬のカリバーン、1600万下のエジソンを相手に坂路で上々の動きを見せた。「古馬の強い馬を相手に頑張ってついて行ったし、走りそうな雰囲気はある。性格も素直だし、芝の長いところが良さそう」と鹿戸雄一調教師。12月3日、中山の芝1800mを予定している。

◆コスモフルハート(牡、父ジャングルポケット、母アンフォイルド、美浦・手塚貴久厩舎)
 半姉コスモプリズムは未勝利で南関東に移籍。昨年のTCK女王盃ではユキチャンの3着、続くエンプレス杯でもブラボーデイジーの3着に入るなど活躍した。11月23日にはダートコースで長めから追われ、既走馬を相手に先着。時計的にも水準級の動きを見せている。「普段からおっとりとした気性で追わせるタイプだけど、水準以上の力はあると思う。現時点ではダートのほうが良さそうだし、距離も長めのほうが良さそう」と手塚調教師。12月4日、中山のダート1800mを予定している。

◆トーセンオウジ(牡、父ティンバーカントリー、母アナスミラビリス、美浦・鈴木康弘厩舎)
 全姉トーセンジョウオーは交流重賞6勝の活躍馬。叔母に桜花賞2着のブルーリッジリバーがいる。母系はスカーレットインク(3代母)に遡り、近親にダイワメジャー、ダイワスカーレット、ヴァーミリアンなどの一流馬が並ぶ。「ひと追い毎に良くなってきたし、しぶとくバテないタイプ。血統的にもダート向きでしょう」と鈴木康弘調教師。12月4日、中山のダート1800mを吉田豊騎手で予定している。

◆リードホイッスル(牡、父キングカメハメハ、母ペニーホイッスル、美浦・松山康久厩舎)
 同厩舎に在籍した母はデビュー勝ち。2戦目のフェアリーSで2着に入り、オープン特別2勝(アネモネS、札幌日刊スポーツ杯)と活躍した。叔父に兵庫ジュニアグランプリを勝ち、全日本2歳優駿3着のモエレソーブラッズがいる。9月に函館競馬場でゲート試験を受けてから美浦に入厩。東京でデビューさせるプランもあったが、まだ心身ともに子供っぽさがあり、じっくりと時間をかけて入念に乗り込まれてきた。先週の11月23日には三浦皇成騎手を背にウッドチップで長めからビシッと追われ、まずまずの動きを見せている。「まだまだ馬が幼いけど、だいぶスムーズに動けるようになってきた。ひと追い毎に良くなっている」と松山康久調教師。仕上がり次第で2週目以降にスライドする可能性もあるが、12月3日の中山・芝1800mを三浦騎手で予定している。

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栗東担当:井内利彰 「競馬予想TV!」に出演中の調教捜査官。調教主体や厩舎取材の予想を提供中。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」など。

美浦担当:竹之内元 大学に通うため、東京競馬場から徒歩3分のアパートに住んだことで転落人生を歩み出した38歳ライター。POGでは中山大障害勝ちのメルシータカオー指名が自慢。

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