【栗東】
◆アリストクラシー(牝、ジャングルポケット 、母ノブレスオブリッジ、栗東・野中賢二厩舎)
母は函館芝1000mで新馬勝ちし、2001年テイエムオーシャンが勝った秋華賞に出走して7着しており、芝で6勝を挙げて繁殖入り。まだ母として活躍した産駒を輩出していないものの、サンデーサイレンスの血を受け継ぐ背景は見逃せない。
本馬は11月23日にゲート試験に合格しているが「気が良すぎて、あまり調教をやりすぎるとマイナスになりそうな感じ。それだけにソロッと仕上げてきましたが、今週の追い切りは良かったですね」と野中賢二調教師。その追い切りは12月15日のCWでの併せ馬。古馬ネオスペチアーレを追走したが、内から並びかけて同入。6F85.1秒と全体の時計は遅かったものの、1F12.1秒と終いは鋭い伸び。「あと1本やれば、ちょうどよくなりますね」と師も満足の追い切り内容だった。デビューは12月25日(日)阪神芝2000mを秋山真一郎騎手で予定されている。
◆エーシンヴンダバー(牡、父ゴールドアリュール 、母サクラメントガール、栗東・松永昌博厩舎)
父産駒にはスマートファルコン、エスポワールシチーといった現在の日本ダート界でトップクラスの実力を持つスターホース。本馬に関しても「ダートがよさそうなパワータイプ」と松永昌博調教師。
11月17日にゲート試験に合格してから順調に調教を消化。12月8日のCWではマルカファインと併せて遅れてしまったが、12月14日のCWでは先週デビューして3着だったノボリドリームに馬なりで先着。先行していたとはいえ、一杯に追う相手に対して楽な手応えで6F82.9〜1F12.7秒は非常に優秀な数字。ゲートさえポンと出て先手さえ奪えば、逃げ切るシーンが想像できるような追い切りだった。12月24日(土)阪神ダート1800mを小牧太騎手でデビューする予定。
◆ショウナンタケル(牡、父アグネスタキオン 、母ショウナンクイーン、栗東・北出成人厩舎)
近親に芝で5勝を挙げたリヴァプールやラインクラストが勝った2005年NHKマイルCで5着したセイウンニムカウなどがいる血統。
2週前追い切りとなる12月7日のCWでの動きを見た後、北出成人調教師に本馬についてコメントを求めると「聞きに来ると思ったよ」と師。つまりそれだけ期待度が大きいということだろう。その翌週となる12月14日はレースでも騎乗予定の和田竜二騎手が跨ってのCWでの併せ馬。相手は先週の未勝利戦を勝ったニシノプレゼンスだったが、追走して先着する見事なパフォーマンス。時計も6F79.3秒と新馬では破格の数字をマーク。兄姉に目立った活躍馬はいないものの、本馬は母系の非凡なスピード能力を受け継いでいるのかも知れない。12月25日(日)阪神芝2000mでのデビュー戦が予定されている。
◆ミッキーエール(牡、父アグネスデジタル 、母ナチュラルグレイス、栗東・清水出美厩舎)
祖母に1987年エリザベス女王杯を勝ったタレンティドガールがおり、近親には2010年ファルコンSを制したエーシンホワイティがいる血統。なお本馬は2009年セレクトセール当歳にて1300万円で落札されている。
12月7日にDPで先々週デビューして4着だったフォースチャンスと併せて先着。大きく先行していたが、6F80.4〜1F11.7秒はなかなか優秀な数字。それ以前の併せ馬でも常にアタマひとつ前に出るような走りを見せており、その勝負根性はなかなか。12月15日はゲートから追い切られたが、12秒台のラップで先行しており、そのダッシュ力は見どころがある。デビュー予定の12月24日(土)阪神ダート1800mではそのレースぶりに注目してみたい。なお鞍上は池添謙一騎手を予定している。
【美浦】
◆アストライオス(牡、父サクラバクシンオー、母ビーナスライン、美浦・堀宣行厩舎)
フジキセキ産駒の母は2006年の函館スプリントSを13番人気で勝ち、堀宣行厩舎に重賞の初タイトルをもたらした。その初子となる本馬は陣営にとっても思い入れの深い1頭だ。
7月にゲート試験をクリア。その後は育成場で基礎体力の強化に努め、11月25日に再入厩した。初時計となる12月1日の追い切りではバタバタになったが、このひと追いで上昇。馬体が絞れるに連れ、動きのほうも変わってきた。「男馬にしてはキンキンとした気性。見た目も含め、そのあたりは母親似ですね。この血統だし、距離はマイル以下の短いところがベターでしょう」と橋本調教助手。2歳戦で7勝、うちメイクデビューで4勝と例年どおりに素質馬ぞろいの堀厩舎。この馬も続くことができるか注目だ。12月24日、中山の芝1600mを石橋脩騎手で予定している。
◆アメリカンダイナー(牡、父Distorted Humor、母Checkered Flag、美浦・相沢郁厩舎)
A.P. Indy産駒の母は不出走。半兄Zanjero(ザンヘロ)は米6勝(うち重賞3勝)。牝系を遡ると一族にはBCクラシックを制したAwesome Again(オーサムアゲイン)、BCジュヴェナイルを制したMacho Uno(マッチョウノ)などがいる。ここ2週はポリトラックで抜群の動きを見せており、「血統的にはダート向きかもしれないけど、柔軟なフットワークを見せているから芝でも走れると思う。初戦から期待しています」と相沢郁調教師。12月25日、中山の芝1800mをI・メンディザバル騎手で予定している。
◆アンスポークン(牡、父シンボリクリスエス、母キープクワイエット、美浦・戸田博文厩舎)
エアジハード産駒の母は戸田厩舎に所属して通算5勝と活躍した。1歳上の全姉カルマートは秋華賞TRの紫苑Sをレコード勝ちするなど現3勝。伯父にプリサイスマシーン(重賞4勝)、いとこにマルモセーラ(ファンタジーS)がいる。ひと追いごとに軽快さを増しており、「男馬のぶん、お姉ちゃんよりも力強さがある。前向きな気性で芝向きのスピードもありそうだし、いいモノを持っていると思います」と斎藤調教助手。12月25日、中山の芝1800mを福永祐一騎手で予定している。
◆スカーレル(牝、父ゴールドアリュール、母ドライアッド、美浦・二ノ宮敬宇厩舎)
半兄ファルカタリアはスプリント戦で5勝。伯父に重賞2勝のペインテドブラック、近親にマイルGI2勝のエアジハードがいる。じっくりと追い切りの本数を重ね、ひと追いごとに良化。12月17日の牝馬限定戦を除外されて予定は延びたが、初戦から動ける態勢を整えている。12月25日、中山のダート1200mを三浦皇成騎手で予定。
◆ミステリーコード(牡、父ネオユニヴァース、母マジックコード、美浦・藤沢和雄厩舎)
母はカナダの古牝馬チャンピオンに輝いた名牝。Fusaichi Pegasus産駒の半姉シークレットコードはデビュー2戦目の阪神JFで2着に食い込んだ。ディープインパクト産駒の半姉ヌーベルバーグもデビュー勝ちを飾っている。
夏場にデビューする予定もあったが、馬体が細くなったために再調整。11月下旬に帰厩してからは坂路と本馬場でキビキビとした動きを見せており、順調な仕上がりを見せている。「カイ食いが細くなりやすくて入退厩を繰り返したけど、今回は我慢して頑張っている。きつい性格のわりに扱いやすいタイプ。血統的にも期待しています」と葛西調教助手。12月25日、中山の芝1800mを北村宏司騎手で予定している。