このところ、毎週のようにお送りしている重賞レポートですが、今週はその条件が行われる舞台の先週の結果から分析できる「調教傾向」も踏まえた上でレポートをお届けしたいと思います。
土曜日に行われるクイーンCは東京競馬場で行われるということもあり、美浦所属馬が上位人気を占めることになりそうなレース。まして先週同じ舞台で行われた東京新聞杯は逃げた「栗東坂路」追い切りのコスモセンサーを「南P」追い切りのガルボが差し切ったレース内容を見ると、美浦の南P追い切りは好走の鍵を握りそうな気がします。
栗東所属馬の最有力候補はエリカ賞で牡馬も一蹴したヴィルシーナでしょう。レース後は放牧に出されて、1月11日にノーザンFしがらきから帰厩。普段はあまり坂路でのキャンターを行わないため、撮影した画像はありませんが、とにかく順調。1週前追い切りとなる2月1日の坂路ではラスト1Fが最速になるラップを踏んで併せ馬で同入しており、仕上がりに関して特に気になるような点はありません。
ウインバリアシオン
京都で日曜日に行われるのは京都記念。登録頭数が少ないのは寂しい限りですが、そのメンバー構成は豪華。なんといっても注目を浴びるのは菊花賞2着馬ウインバリアシオンでしょう。
画像は1月12日にノーザンFしがらきから帰厩して5日目の17日の登坂の様子。この表情を見ていただければ、お分かりだと思いますが、目つきが闘争心たっぷりなんですよね。休養していたとは思えない気持ちの入ったキャンターでした。
目立って速い時計を出しておらず、担当する竹邑行生厩務員によると「少し太いかも」ということでしたが、春のG1へ向けての始動戦としてはそれでいいんじゃないかと思います。気持ちさえしっかり乗っていれば、きっちり結果を残してくれそうな気がします。
ヒルノダムール
ちなみに先週京都芝2200mで行われた未勝利戦を勝ったのは坂路で本数多く調教されたクランモンタナでしたが、開幕週に行われた松籟S(芝2400m)を勝ったのは標準多め坂路主体で最終追い切りがCWだったトパンガ。2着には標準多め併用のドリームノクターンが粘っているだけに、調教馬場はともかく、本数の多い調教は重要かも知れません。
そういった意味でアドバンテージがあるのはヒルノダムール。今年からG1ホースでも58キロで出走できるG2戦となりましたから、斤量面でもこの馬にとっては有利な条件です。画像は1週前のものとなりますが、今朝も坂路を1本キャンターで駆け上がっており、CWと坂路を併用して本数多く調教されている中間の内容に何ら問題はありません。
ディープブリランテ
最後に共同通信杯。先週のワールドエース快勝によって今週も「ディープの衝撃」を期待するファンは多いことでしょう。1月21日にノーザンFしがらきから帰厩したディープブリランテは調教本数は決して多くありません。ただ1週前のCWでの追い切りは抜群、先行していたエバーグリーンをあっという間に抜き去り、ぐんぐん伸びていました。
先週の東京芝1800mは未勝利戦が行われていますが、上がり3Fのレースになっていただけに、共同通信杯も同様に瞬発力比べのレースになれば、ディープブリランテの調教本数の少なさは問題にならないかも知れません。
ゴールドシップ
調教本数の多さで逆転可能なのはゴールドシップ。前走後も放牧に出されず、在厩で調整されていましたが、その具合が「良すぎる」と須貝尚介調教師の判断で急遽参戦が決定しました。
調教で派手な動きをする馬ではありませんが、レースでは安定して力を出せるのがこの馬の良さ。これだけ調教を重ねてのレースというのはなかっただけに、今回が最も能力を発揮できるのではないかと思っています。
◆次走要注意
・2/4 小倉5R
タムロトップステイ(1人/1着)
デビュー前のCW追い切りでの動きが目立っており、確実に勝ち負けできるスケールだと思っていましたが、先行して押し切るセンスの良さも見せたデビュー戦でした。西園正都厩舎でCW追い切りの動きが目立って出世したのがサダムパテック。そこまでとは言いませんが、自己条件ならあっさりと突破するだけの脚力を持っているでしょう。
【メモ登録用コメント】標準の調教本数なら坂路でもトラックでも問題なく自己条件で勝ち負け
・2/5 東京2R
スカーレットリング(1人/5着)
ダートの良血だけに人気しての出走となりましたが、レースぶりは荒削りな面ばかりが目立ちました。4コーナーから直線に入る箇所ではまったく走る気を見せていませんでしたが、これは中間にコーナーリングの練習となるトラック調教がなかったからでしょう。それでもゴール300m手前からようやく伸びる格好を見せて5着。一度レースを覚えて一変するでしょう。
【メモ登録用コメント】ダートであればどんな距離でも調教内容でも未勝利は即勝ち
◆今週末馬券圏内
・2/12 小倉11R 桜島S
ダートムーア 休養明けの前走は調教本数こそ多かったんですが、最終追い切りが坂路。やはり中山への輸送を考慮して追い切り場所が変化したことが6着の要因ではないでしょう。凍結防止剤が散布されて力のいる小倉ダートは吉田直弘厩舎の「量」の調教が適性大。今週の最終追い切りをCWで一杯に追われれば、力を発揮することは間違いありません。
【メモ登録用コメント】最終追い切りをCWで一杯に追われれば馬券圏内確実
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