【栗東】
◆メイショウアカフジ(牡、父メイショウサムソン、母マストビーラヴド、栗東・西浦勝一厩舎)
ラインクラフト半弟メイショウアカフジ
2010年セレクトセール当歳にて4700万円で落札。半姉ラインクラフトは2005年に桜花賞、NHKマイルCといったG1を勝っており、父メイショウサムソンは今年デビューの新種牡馬。なにかと話題の多い注目馬である。先週の阪神競馬場でデビュー勝ちを収めたティーハーフとともに調教を進めていたが、こちらは中距離路線を目指すということで、トラックでの調教を中心に行われてきた。6月20日にDPでシルクルガールとの併せ馬を行ったが、一杯に追われて相手の手応えが優勢で同入。6F81.8秒という数字は正直物足りない印象もあるが、馬体の良さは現在栗東に入厩している2歳新馬の中でもトップクラス。このひと追いでどこまで上昇してくるか。7月1日(日)中京芝1600mを武豊騎手でデビューする予定。
◆ラーストチカ(牝、父スウェプトオーヴァーボード、母イソノスワロー、栗東・宮徹厩舎)
早期の活躍期待ラーストチカ
半兄のトラストワン、モンストールはともに新馬勝ち。モンストールは2戦目の新潟2歳Sを制するなど、早い時期から大舞台で活躍できる血統。本馬は北海道サマーセールにて840万円で落札されている。入厩当初から「うちに入厩している新馬の中では一番落ち着きがある」と宮徹調教師が評価。6月13日の坂路ではハッピーヤングマンを追走する併せ馬で、最後は1馬身ほど先着。4F53.5〜1F13.1秒を馬なりでマークするスピードある動きを見せた。デビュー戦は7月1日(日)中京芝1400mを藤岡康太騎手で予定されている。
◆ヒシパール(牝、父ディープインパクト、母ユーコーバンベール、栗東・佐々木晶三厩舎)
佐々木厩舎ゆかりのヒシパール
母は佐々木晶三厩舎で管理されたゆかりのある血統。ちなみに叔父にはダートで3勝を挙げたピサノバンキッシュがいる。アフリートの肌に父ディープインパクトとということで、佐々木晶三調教師も「芝かダートかなんとも言えない」と入厩当初は話していたが、それが芝で大丈夫と判断できたのが、6月21日のDPでの併せ馬。本格的な追い切りはこれが初めてだったが、相手の新馬ハリバットが一杯に追うところを持ったままで同入。騎乗していた山田誠二助手も「最後まで楽でした」と十分に手応えが残っていた様子。DP6F81.1〜1F12.0秒と時計は水準だったが、ディープ産駒らしい、きれいなフットワークが印象的だった。6月30日(土)中京芝1400mか7月1日(日)中京芝1400m(牝)でのデビューが予定されている。
◆ローガンサファイア(牝、父ダイワメジャー、母ダークサファイア栗東・佐々木晶三厩舎)
伯父に2002年、2003年の根岸Sの連覇や2003年JBCスプリントを勝つなど、地方交流競走も含めたダート重賞で8勝を挙げたサウスヴィグラスがいる血統。本馬は栗東には移動せず、直接函館競馬場へ入厩。6月13日にゲート試験に合格すると、そのまま順調に調教が進み、6月20日の函館Wでの追い切りでは併せたシンワウオッカが一杯に追うところを楽な手応えで先着して見せた。騎乗していた松田大作騎手もその動きを絶賛していたようで、5F69.1〜1F13.4秒という時計以上に内容のある走りを見せた。デビュー戦は6月30日(土)函館芝1200mを藤岡佑介騎手で予定している。
ちなみに同レースには福島2歳Sを制したエクセルシオールの半弟にあたるプレイズエターナル(栗東・安田隆行厩舎)も出走を予定。鞍上は大野拓弥騎手。
【美浦】
◆レッドレイヴン(牡、父Smart Strike、母Wonder Again、美浦・藤沢和雄厩舎)
Silver Hawk産駒の母はグラスワンダーの全姉にあたり、米GI・2勝とアメリカのトップクラスで活躍した名牝。3代母からも米GI馬のTribulationが出ており、大舞台向きの底力を兼ね備えた血統背景が魅力だ。入厩後は坂路を中心に乗り込まれ、ひと追い毎に活発な動きが目立ってきた。先週の6月20日には終い重点の内容で追われ、後半の2Fを23.7秒-11.8秒でフィニッシュ。まだ気性的にヤンチャな面もあるが、馬っぷりやフットワークの良さからも潜在能力は高い。「ここまで順調に乗り込んできたし、走りに軽さがあって瞬発力もありそう。スッと反応した稽古の動きからも楽しみになってきました」と厩舎サイド。注目のデビュー戦は7月1日、函館の芝1800mを内田博幸騎手で予定している。
◆タイセイゼニス(牝、父ネオユニヴァース、母シーズガットゲイム、美浦・武藤善則厩舎)
HBAセレクションセールの出身。母の半兄に米GI・3勝を挙げ、2000年のドバイワールドカップで2着に入ったBehrensがいる。黒鹿毛の好馬体が目につき、先週の6月20日にはポリトラックコースで軽快な動きを見せた。「牝馬にしてはカイバを食べるし、すごく腹袋がしっかりしている。見た目にも首差しが綺麗だし、とにかく馬の格好がいい。ここまで緩めずに稽古を積んでくることができたし、カリッとした気性的にも初戦から動けると思う」と武藤調教師。6月30日、福島の芝1200m(牝馬)を松岡騎手で予定している。
◆ナカヤマシャイン(牡、父マンハッタンカフェ、母オースミシャイン、美浦・二ノ宮敬宇厩舎)
昨年のセレクトセールにおいて1500万円で落札された。シンボリルドルフ産駒の母は中山牝馬S2着、チューリップ賞3着、スプリンターズS4着など重賞戦線で活躍。サンデーサイレンス産駒の半姉アズマサンダースは桜花賞でダンスインザムードの2着に入り、翌年の京都牝馬Sを勝っている。先週の6月20日にはウッドチップコースでスピード感のある走りを披露。蛯名騎手をはじめ、厩舎陣営も「初戦から勝ち負けになりそう」と手応えを掴んでいる様子だ。7月1日、福島の芝1200mを蛯名騎手で予定している。
◆シャンピオナ(牝、父ダイワメジャー、母ヴィクトリーバンク、美浦・矢野英一厩舎)
ネオユニヴァース産駒の半兄ユニバーサルバンクは共同通信杯2着、京都新聞杯2着など3歳時の春先から重賞戦線で活躍。その後は昨秋のアンドロメダS、今春の大阪-ハンブルクCとオープン特別を2勝している。坂路とコースを併用して丹念に併せ馬を消化しており、ひと追い毎に気配は上向いている。「ちょっと気難しいところがあるけど、柔らかいキャンターをするし、いいモノはある」と矢野英一調教師。7月1日、中京の芝1400m(牝馬)を幸騎手で予定している。