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ベストメンバー半弟マイネルマインツがデビュー

  • 2012年07月09日(月) 18時00分
【栗東】
◆ウインアルザス(牡、父シンボリクリスエス、母シシーダルザス、栗東・西園正都厩舎)
ルミナスウイング

文句ない時計のウインアルザス

 半兄にダート2勝、芝1勝のレッドボルサリーノがおり、2011年セレクトセール1歳では1500万円で落札されたシンボリクリスエス産駒。この時点でも注目を集める要素はありそうだが、それ以上に目立ったのが、6月27日のCWでの動き。

 同じく今週デビューする予定のマイネルコイヌール、ヤマニンイリーヌとの3頭併せになったが、その大外に位置しながら、ゴールでは楽々先着。6F81.4〜1F12.2秒は新馬としては文句ない時計。まして最後は余力を残していたので、目一杯やればどこまで動くか分からない魅力もある。デビュー予定の7月15日(日)中京芝1600mはなかなかの好メンバーが揃いそうな一戦だが、それでも人気最上位に推されることは間違いないだろう。なお鞍上は酒井学騎手を予定。

◆アラムナス(牡、父Any Given Saturday、母ラヴィングプライド、栗東・安田隆行厩舎)
アラムナス

母はフランス重賞馬アラムナス

 母はフランスのマイル重賞を勝っており、日本で活躍する父産駒には福島ダート1700mで2着に1.4秒差をつける快勝を見せたレッドグルーヴァーなどがいる。本馬は5月10日に小松トレーニングセンターから栗東へ入厩。5月23日にはゲート試験に合格し、その後も順調に調教が進められている。

 6月28日に安田隆行調教師自ら騎乗して4F53.3秒と新馬としては水準以上の時計をマークしているが「まだ緩いところがありますね」と厳しいジャッジ。7月5日にはCWでG1馬グレープブランデーと併せ馬を行ったが、2馬身ほど遅れている。「あっさりと交わされましたね。本当はもう少し伸びて欲しかったんですが」とこの調教にも騎乗していた師は相変わらずの辛口な評価だ。ただ時計は6F81.7〜1F13.2秒と十分に新馬勝ちできるレベルの数字。7月14日(土)中京芝1400mを北村友一騎手でデビュー予定だが、その中心的存在になることは間違いない。

◆マイネルマインツ(牡、父ステイゴールド、母グレートキャティ、栗東・宮本博厩舎)
アラムナス

ベストメンバー半弟マイネルマインツ

 半兄ベストメンバーは同厩舎で管理され、2009年京都新聞杯の重賞制覇を筆頭に、芝レースで4勝を挙げた。気になるのは兄との比較だが「この時期のベストメンバーはトモの緩いところがあったので、現時点の完成度としてはマインツの方が高いですね」と宮本博調教師。

 7月4日にはDPで新馬マイネルカミカゼと併せて4馬身ほど先着。「全体時計は速くありませんが、終いの反応は良かった。まだまだ自分から走る気はありませんが、追ってからがいいですね。クラシックに乗せたい器ですし、大事に育てていきたい素材です」と同師の評価は非常に高い。7月15日(日)中京芝1600mを幸英明騎手で予定している。

◆ゴッドフロアー(牝、父ハーツクライ 、母ウェルシュステラ、栗東・松永幹夫厩舎)
 半姉に新馬、函館2歳Sを連勝したステラリード(父スペシャルウィーク)がいる血統。本馬は6月に入って函館競馬場に直接入厩。すぐにゲート試験にも合格した。松永幹夫調教師が「直線入厩なのでしっかり乗り込みたい」ということで、入念に調教を積み重ねてきた。姉はパドックでも入れ込みが目立つタイプで、活躍した距離も短いが「落ち着きがありますし、距離はこなしてくれそうですよ」と師。

 7月4日は函館Wでレースで騎乗予定の三浦皇成騎手が跨っての追い切り。また今週の最終追い切りでもジョッキーに騎乗してもらうとのこと。7月15日(日)函館芝1800mでのデビューが予定されている。

【美浦】
◆ネロディアマンテ(牝、父シンボリクリスエス、母アドマイヤマダム、美浦・相沢郁厩舎)
 サンデーサイレンス産駒の母はダートで2勝。3代母は米GIを勝っている。入厩後は毎週のように意欲的な追い切りをこなしており、活発な動きが目につく。シンボリクリスエス×サンデーサイレンスの配合にしては柔軟で瞬発力もありそうなタイプだ。「これは走りそう。うちの厩舎で言えばアイスフォーリス(オークス3着)と比べても遜色ないし、重賞級のレベルにあると思います」と松岡騎手は素材の良さに惚れ込んでいる。7月14日、新潟の芝1400m(牝馬)でデビュー勝ちを狙う。

◆ノウレッジ(牡、父Street Sence、母チャリティークエスト、美浦・二ノ宮敬宇厩舎)
 母の半妹Charity Belleは仏GIIIの勝ち馬。ゴールデンウィーク明けに入厩して以来、じっくりと乗り込まれてきた。7月4日にはウッドチップコースでワイルドドラゴンと併せ、5F64秒台の好時計をマーク。陣営は「乗り味の良さ」を評価している。8日の福島でデビュー勝ちしたタイセイポラリスとも互角の動きを見せており、この馬も初戦から注目の存在。500キロを超す大型馬で上級のスピードとパワーを兼ね備えたタイプだ。7月14日、新潟のダート1200mを蛯名騎手で予定している。

◆マイネカトレア(牝、父アグネスタキオン、母タカラカンナ、美浦・国枝栄厩舎)
 マイネルキッツ、マイネカンナの妹。まだ目立って速い時計は出していないが、7月5日に2歳馬同士の3頭併せを行い、フラットコースでの初時計をマークした。「晩生型の血統としては上々。気合を入れれば反応するし、いい性格をしている。まだ若馬らしさがある中にも精神的にはタフそうだし、将来的には距離が延びても楽しめると思う」と番頭の佐藤調教助手。7月14日、新潟の芝1400m(牝馬)を柴田大知騎手で予定している。5日の追い切りで併せたマイネグロリアーナ(牝、父Rock Hard Ten、母Elizabeth Street)もデビュー予定。こちらは7月15日、新潟の芝1600mを松岡騎手で予定している。

◆ミラクルアスク(牝、父ディープインパクト、母イルバチオ、美浦・伊藤正徳厩舎)
 母は短距離路線で活躍。2003年のアイビスサマーダッシュを勝っている。7月4日の追い切りは坂路で4F49秒8と破格の時計を弾き出し、2頭の3歳馬を相手に最先着を果たした。母譲りのスピードを持っており、初戦から注目したい。今週の最終追い切りにはコンビを組む北村宏司騎手が感触を確かめることになっている。7月14日、新潟の芝1400m(牝馬)でデビューする予定だ。

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栗東担当:井内利彰 「競馬予想TV!」に出演中の調教捜査官。調教主体や厩舎取材の予想を提供中。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」など。

美浦担当:竹之内元 大学に通うため、東京競馬場から徒歩3分のアパートに住んだことで転落人生を歩み出した38歳ライター。POGでは中山大障害勝ちのメルシータカオー指名が自慢。

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