【栗東】
◆プリフォンテイン(牡、父アドマイヤムーン、母プレミアノアール、栗東・松永幹夫厩舎)
ブラックエンブレム近親プリフォンテイン
叔母に2008年秋華賞を制したブラックエンブレムがいる血統で、同じく母の弟にあたる母ヴァンドノワール(父チチカステナンゴ)が先日のセレクトセール1歳にて、5000万円で落札されている。
本馬は6月30日にヒルサイドステーブルより栗東へ入厩。7月6日にゲート試験に合格してからは坂路とCWを併用して、じっくりと調教が進められている。「常に調教では楽に動けていますし、初戦から走れるタイプだと思います」と松永幹夫調教師。同厩シェイクザバーレイがデビュー勝ちを決めたのと同じ舞台、8月11日(土)新潟芝1600mでデビューを予定。なお鞍上は松岡正海騎手となっている。
◆アクロマティック(牡、父ジャングルポケット、母チアフルスマイル、栗東・中竹和也厩舎)
母チアフルスマイルはG3のキーンランドCを含む芝で8勝を挙げ、愛知杯2着やクイーンS3着など牝馬限定重賞では中距離でも活躍した。
本馬は7月20日に函館競馬場に入厩し、27日にゲート試験に合格。かなり順調に進んでいる分、調教本数は少ないが「山口ステーブルで相当調教を積んでから入厩しているので、競馬場に入ってからはさほど調教は必要ないと思っています。現時点でもキビキビしていて、動きもかなりいいですよ」と中竹和也調教師。母が重賞が勝ちした舞台、8月12日(日)札幌芝1200mでデビューが予定されている。なお鞍上は藤岡佑介騎手の予定。
◆ゼンノビッグワン(牡、父Mr. Greeley、母フォーマルアプローバル、栗東・中竹和也厩舎)
坂路で力強い動きゼンノビッグワン
日本で活躍した父産駒にはグリーリーランドやピサノアルハンブラなど、芝でもダートでも短い距離で結果を残した馬が多い。また、母の半兄に1996年鳴尾記念(阪神芝2500m)を勝ったマルカダイシスがいる血統。
父が短距離系、母系が中長距離系だが、デビュー予定は8月12日(日)小倉ダート1000mを予定。中竹和也調教師は「距離は延びても全く問題ないんだけど、適鞍がないので」と短距離戦を選択した理由を教えてくれた。「パワフルでいかにもダートが合いそう」というだけに、坂路でも力強い動きを披露。8月1日の坂路では新馬ヴェントスと併せて、相手を4馬身突き放して先着。4F55.0〜1F12.9秒の動きを見せた。そんなに速い時計が出るタイプでもなく、デビュー戦からバリバリ動けそうという印象はないが、距離が延びるにつれて良さが出てきそう。なおデビュー戦の鞍上は幸英明騎手が予定されている。
◆ドコフクカゼ(牡、父ワイルドラッシュ、母デピュティプリミエ、栗東・友道康夫厩舎)
祖母がダート1勝、芝4勝を中長距離で挙げたカートゥーン。近親にダート中長距離4勝を挙げたエーピーバーストがおり、本馬と同じく友道康夫厩舎で管理されているアドマイヤネアルコも近親にあたる。
ゲート試験時の時計自体は目立って速くないが「スタートは遅くないですよ」と友道康夫調教師。8月2日の追い切りでは併せたヒルノアビスコに遅れてしまったが、5F68.1秒という時計はまずまず。調教本数自体が少なく、先週の追い切りでぐんと良化してくるのではないだろうか。8月11日(土)札幌ダート1700mを岩田康誠騎手でデビュー予定。
【美浦】
◆オベロン(牡、父シンボリクリスエス、母ナイトアットオペラ、美浦・高橋祥泰厩舎)
母系はダイナカール(3代母)に遡り、GI馬のエアグルーヴ、ルーラーシップ、アドマイヤグルーヴ、オレハマッテルゼなどと同じ一族。オペラハウス産駒の母は同じく高橋祥泰厩舎で管理され、デビュー勝ちを含む3勝。祖母のエルフィンフェザー(3勝)も同厩舎に在籍していた。ここ2週の追い切りには柴田善臣騎手が跨がり、坂路とウッドチップで軽快な動きを披露。ほぼ態勢は整っている。「これだけ動ければ十分だし、雰囲気はいいね。うちの厩舎にゆかりの血統だし、楽しみにしています」と高橋祥泰調教師。8月11日、新潟の芝1600mを柴田善臣騎手で予定している。
◆オメガキングティー(牡、父ジャングルポケット、母ミュージックアワー、美浦・斎藤誠厩舎)
千葉サラブレッドセールに上場され、1890万円(税込)で取引された。祖母のミュンシーはフランスのGI馬(サンタラリ賞)。母の半兄に天皇賞・春3着、菊花賞5着など中長距離路線で活躍したストラタジェムがいる。ウッドチップコースでしっかりと負荷をかけ、8月1日の追い切りでは大差先着と上々の動きを見せた。「追い切りを重ねるごとにフォームが変わってきたし、あとは直前にジョッキーを乗せてサラッとやれば仕上がると思う。普段はチャカチャカするところがあるけど、走らせれば素直な気性。芝向きの軽さがあるし、初戦から動けると思います」と斎藤誠調教師。8月11日、新潟の芝1600mを石橋脩騎手で予定している。
◆ジプシースウィング(牡、父シンボリクリスエス、母バプティスタ、美浦・牧光二厩舎)
サンデーサイレンス産駒の母は3歳時にオープン特別のフローラSを勝ち、続く桜花賞トライアルで3着。桜花賞9着、オークス7着、秋華賞5着と牝馬3冠の全てに出走した。半兄のイースターはオープン特別2勝(さざんかS、ディセンバーS)、京王杯2歳S2着の実績がある。ゲート試験を受けてから牧場で調整され、7月中旬に再入厩。先週の8月1日にはウッドチップで実戦を想定した3頭併せを消化した。「そんなにビシッと攻めていないけど、能力はありそう。競馬に行けば切れる脚を使えそうだし、血統的にも先々まで楽しみ。見た目のイメージではマイル前後の距離が良さそうですね」と牧光二調教師。8月11日、新潟の芝1600mを蛯名正義騎手で予定している。
◆ミエノハートハート(牡、父チチカステナンゴ、母ニフティハート、美浦・尾関知人厩舎)
祖母のニフティニースは関屋記念、セントウルSの勝ち馬。半兄に現オープンのシンゲン(オールカマーなど重賞3勝)、ヤングアットハート(白富士S)などがいる。軽い熱発で前開催のデビュー予定を延ばしたが、そのぶん、入厩後の乗り込み量は十分すぎるほど。8月2日にはウッドチップで3頭併せを消化。小柄なタイプで馬体は仕上がっており、息も整っている。「まだ華奢な感じでウッドチップのような力が要る馬場だと今ひとつだけど、動き自体はまずまず。軽い芝に行けば走りも変わりそうな雰囲気ですね」と騎乗した北村宏司騎手。8月11日、新潟の芝1600mを同騎手で予定している。