【栗東】
◆メイケイペガスター(牡、父フジキセキ、母ストームホイッスル、栗東・木原一良厩舎)
動き抜群のメイケイペガスター
伯母にアネモネSを勝って桜花賞に出走したペニーホイッスルがいる血統で、2011年セレクトセール1歳では3000万円で落札されている。
本馬は7月25日に信楽牧場から栗東へ入厩。その後、順調に調教を消化しているが、特筆すべき動きを見せたのは8月25日。CWで新馬タイムアラウドとの併せ馬だったが、道中のペースが新馬らしからぬハイペース。このままだと直線はバタバタになるだろうと思っていると、ラスト1F標識手前で止まったタイムアラウドを抜き去って、最後まで豪快な伸びでフィニッシュした時計6F79.1〜1F12.9秒は攻め駆けする古馬でもなかなか出せない数字だが、追い切り後、騎乗していた川須栄彦騎手(レースでも騎乗予定)からは「ケロッとしていましたよ」と、これまた新馬らしからぬコメント。
木原一良調教師からは「育成の段階から目立っていたので、動けるとは思っていましたが、柔らかいフットワークでバネがすごい」と笑みがこぼれる。デビュー予定は好素材揃う、9月9日(日)阪神芝1600mだが、その中でも中心的存在であることは間違いない。
◆エーシンマックス(牡、父Dalakhani、母Midnight Angel、栗東・西園正都厩舎)
大物の評判エーシンマックス
近親には2010年日本ダービーを制したエイシンフラッシュがいる血統で、海外で活躍する父産駒にはBCターフを制したコンデュイット、アイリッシュオークスを制したムーンストーンなどがいる。
入厩前からエーシントップ(2戦2勝)とともに、西園正都調教師の評価が高かった期待馬だが、当初の調教での動きはさほど目立ったなかった。それが8月30日のCW追い切りでは3頭併せの最内に入って、直線力強い伸び。「全体の時計(6F88.2秒)は遅かったけど、終いの反応は上々。中途半端な状態ではデビューさせられない期待馬だけに、じっくりと仕上げてきましたが、その効果が出ていますね」と師。この厩舎にしては珍しく坂路で時計を出していないが、それだけトラックでしっかり負荷を掛けて仕上げているということ。9月9日(日)阪神芝1600mを岩田康誠騎手でデビュー予定。
◆カーヴィシャス(牝、父シンボリクリスエス、母モンローブロンド、栗東・松永幹夫厩舎)
折り合いに不安なしカーヴィシャス
半姉ビキニブロンドは芝1200mを連勝し、先日の1000万下は3着。叔父には2011年エルムSを制したランフォルセ、近親には2009年日本ダービー優勝馬ロジユニヴァースと活躍馬がズラリな血統。
本馬は7月13日にノーザンFしがらきから栗東へ入厩。7月27日のゲート試験合格後は坂路での調教を中心に進められて、8月22日の坂路では併せたマンデルクライエに1秒近く先着して、4F53.0〜1F13.3秒をマークした。松永幹夫調教師は「前向きな気性ですが、走る時は落ち着いているので、折り合いに心配はなさそうですね。ただ初戦から1200mを使ってしまうと、きっと動けると思いますが、将来的に距離がもたなくなってしまいそうなので」ということで、デビュー戦は9月9日(日)阪神芝1400m(牝)を岩田康誠騎手で予定されている。
◆アッピアス(牝、父チチカステナンゴ、母コンコルディア、栗東・安田隆行厩舎)
CWで好時計アッピアス
半姉にクロフネ産駒のカピトリヌスがいるが「タイプは全く違いますね」と姉も管理する安田隆行調教師。また父産駒は現2歳世代が初年度になるが、JRAではニシノアプレゲールが小倉芝1800mの未勝利戦を勝ち上がっている。
本馬は7月20日にノーザンFしがらきから栗東へ入厩。入厩当初の調整では「阪神開催の後半くらいになるかも」という師だったが「調教を重ねるごとに動けるようになってきましたね」と日増しに良化していった。8月29日のCWでは道中のペースこそ上がらなかったが、かなり先行していたハローヘイローを直線捕まえると力強い伸び。6F85.4〜1F12.4秒と時計以上にしっかりした動きに見えた。デビューは9月9日(日)阪神芝1400m(牝)を浜中俊騎手で予定されている。
【美浦】
◆アルヴェロン(牡、父ダイワメジャー、母アルヴァーダ、美浦・小島茂之厩舎)
母はアメリカの重賞を2勝した他、仏GI・サンタラリ賞3着など芝で活躍した。7月に函館競馬場に入厩して以来、調教量は十分。当初は2回札幌でデビューさせるプランもあったが、無理せずに中山まで待機した。
8月24日に美浦トレセンに移動。先週の30日にはウッドチップコースで半マイルから時計を出し、3歳馬のラスヴェンチュラス(現1000万下)を相手に互角の動きを披露した。軽めの追い切りだったが、見た目にも雰囲気の良さを感じさせる。手綱を取った蛯名正義騎手は「まだ緩いところがあるけど、モノは良さそう」と好評価。小島茂之調教師も「じっくりと乗り込んだし、ひと追いごとに良くなってきた。馬格もあって脚の回転が軽いし、いい走りをする」と手応えを掴んでいる様子だ。9月9日、中山の芝1600mを蛯名騎手で予定している。
◆サクラプリムローズ(牝、父サクラプレジデント、母サクラヒーロー、美浦・牧光二厩舎)
サクラチトセオー、サクラキャンドルの姪っ子。ひと追いごとに負荷を強め、ここ2週はウッドチップコースで5Fから時計を出した。8月29日には後藤浩輝騎手を背に追われ、しっかりとした動きを披露。初戦から走れる態勢だ。
「牝馬にしては落ち着きがあるし、いい動きを見せている。いいスピードがありそうだし、どんな競馬もできそう。初戦から楽しみにしています」と牧光二調教師。9月9日、中山の芝1600mを後藤騎手で予定している。
◆サンダーオーシャン(牡、父クロフネ、母シュガーミント、美浦・松山康久厩舎)
4代母のSugar and Spiceは米GI・マザーグースSの勝ち馬。その他にも母系にはアメリカのGIウイナーが並び、古く遡ればAlydarの名もある。8月29日には中舘英二騎手を背にウッドチップコースで追われ、3頭併せで再先着と力強い動きを披露。血統背景からも上級のパワーがありそうだ。
目立って速い時計こそ出していないが、7月に入厩してからの乗り込みは豊富。陣営も能力の高さを感じている様子だ。9月9日、中山のダート1800mを中舘騎手で予定している。
◆ワンツーステップ(牝、父スウェプトオーヴァーボード、母ビクトリーステップ、美浦・尾関知人厩舎)
母の半妹にフローラS・2着のブロンコーネがいる。7月20日に入厩して以来、ひと追いごとに調教のピッチを上げてきた。8月29日にはウッドチップコースで半マイルからの初時計をマーク。年長馬をアオるほどの動きを見せており、気配の良さが目立っている。
「うちの厩舎にいるリズミカルステップの妹になるけど、前向きな気性は似ている。稽古では水準以上の動きを見せているし、初戦から楽しみ。1200mから下ろすけど、距離はマイルぐらいまでこなせると思います」と尾関知人調教師。9月8日、中山の芝1200mを田中勝春騎手で予定している。