先週で夏競馬が終了。後半3週を小倉競馬場で過ごしたが、その期間の関東馬の勝利はゼロ。1開催を通してもコウセイコタロウ(3歳上500万下)が勝っただけという結果に終わった。もちろん総勢で30頭前後、それも下級条件馬しかいない状況で「結果を出せ」というのもかわいそうな話だが…。こうまで極端な成績が、それも毎年のように続いているのはさすがにふに落ちない。
単に馬のレベルの違い? ひとつ気になったのは関東と関西で極端に違う、スタッフの追い切り時計へのこだわり。関西のスタッフは馬上で数字を聞き「ありがとう」の一礼で終わりのケースが多い。しかし関東の場合は「時計はメモで欲しい」と言われ、時には「本当にこの数字?」と食い下がられることもある。
よくよく聞けば「個人的には調教の時計はどうでもいいんですけどね。調教師が『これくらいの数字で乗っておいて』とオーダーしてくるし、それと違うと『なんだ、この時計は』ってなるんです」と某関係者。
東西の馬に対する考え方の違いと言えばそれまでだが、「放任主義」的な関西と「管理主義」的な関東という色の違いは感じられた。どちらがいい、悪いではないが言葉が通じない生き物が相手。ハッキリと目に見えるもので縛りつけるのもいかがなものかと思うのだが…。
2歳馬の話からは少しそれるが、中野厩舎の黛助手が面白いことを言っていた。「関東圏の500万と関西圏の500万ではやはりレベルが違う。関西は750万くらい(笑い)」。実際、夏の小倉の古馬500万下以上のクラスで連対を果たしたのは黛助手が担当した前出コウセイコタロウだけだ。「強い関西馬に勝ったんだからね。次は1000万クラスに上がるが、関東馬同士なら昇級でもいい勝負になると思うよ」と明るい展望を持って小倉を去った。関東のファンは「モマれて強くなった」コウセイコタロウの走りに注目してほしい。
小倉開催の回顧が長くなってしまったが、4回阪神開幕週の注目は日曜(9日)の芝外1600メートルの新馬でデビュー予定のエーシンマックス(牡=父Dalakhani、母Midnight Angel・西園)。
入厩当初は坂路で時計が出ず、平田助手は「不安になってきました」と苦笑いしていたが、記者が小倉に滞在している間に素質馬の片鱗を見せ始めたようだ。調教にまたがる酒井も「来た時は何もわからなくて“猛獣”という感じだったけど、少しずつ覚えていって、ようやくまともになってきた。初戦から動けるかはわからないけど、背中の感じはいい馬。走ってきますよ」と将来性を高く評価している。血統的にも奥があるタイプで長い目で見守っていきたい。
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