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話題のアドマイヤキンカクが日曜阪神でデビュー

  • 2012年09月10日(月) 18時00分
【栗東】
◆アドマイヤキンカク(牡、父ディープインパクト 、母ソニックグルーヴ、栗東・友道康夫厩舎)
メイケイペガスター

POGファン必見のアドマイヤキンカク

 2010年セレクトセール当歳にて8000万円で落札。近親にはエアグルーヴ、アドマイヤグルーヴ、ルーラーシップといった国内外のG1レースを制したスターが名を連ねる良血。それだけにPOGファンの注目度も高く、4月下旬に栗東へ入厩した際には非常に話題となった。

 3回阪神でのデビューを視野に、ゲート試験合格を目指していたが不合格の連続。リフレッシュの意味も含めて、再度ノーザンFしがらきへ戻し、7月25日に栗東へ再入厩という形になった。今回は無事ゲート試験にも合格し、順調に追い切りを消化。9月5日はCWでスカイディグニティを追走する併せ馬。テンから速いペースで飛ばしたため、最後は一杯だったが、なんとか同入。6F80.6〜1F13.0秒という時計は新馬としてはトップクラスの数字。この中間の追い切りに跨る川須栄彦騎手(レースでは福永祐一騎手が騎乗予定)は「調教を重ねるごとに前向きさが出てきましたね。芝ではもっといい走りをしてくれそうですよ」とその素質の高さを評価している。デビュー戦は9月16日(日)阪神芝1800mを予定。

◆レッドアリオン(牡、父アグネスタキオン、母エリモピクシー、栗東・橋口弘次郎厩舎)
メイケイペガスター

橋口厩舎ゆかりのレッドアリオン

メイケイペガスター

武豊騎手とのコンビ、カレンバッドボーイ

 全兄リディル、父がダンスインザダークのクラレント、どちらも橋口弘次郎厩舎で管理されており、デイリー杯2歳Sを制覇している。本馬はついては「クラレントよりひと回り大きいかな」と橋口弘次郎調教師。

 9月5日にレースでも騎乗が予定されている小牧太騎手が跨って坂路で追い切られたが、相手が古馬シャイニーホークだっただけに、さすがの遅れ。それでも大きくは離されておらず、4F53.4秒も水準の時計。クラレントの新馬時は追い切りで時計が出なかったので、本馬も同じようなタイプかも知れない。デビュー戦は9月17日(月)阪神芝1400mを予定。

 なお1週前の追い切りでレッドアリオンに先着した同厩カレンバッドボーイは9月16日(日)阪神芝1800mを武豊騎手でデビュー予定。

◆コレクターアイテム(牝、父ハーツクライ、母ネットオークション、栗東・須貝尚介厩舎)
 半兄ハンマープライスはダート短距離で4勝。近親には今年の新潟芝1800mで新馬勝ちしたサトノノブレス、中京芝1200mを勝ち上がったクラウンビションなど、現2歳世代も活躍する血統。

 本馬はゲート試験に合格してから一旦放牧に出されて、8月17日に再度栗東へ入厩。一旦放牧に出された理由については「暑い時期に強い調教を課していくことを控えました。気性的に気持ちを優先して調整してあげないといけない馬だと思うので、暑さも和らぐお盆過ぎからピッチを上げていくつもりでした」と須貝尚介調教師。9月5日にはレースでも騎乗が予定されている浜中俊騎手が跨って坂路での追い切り。併せたジェネカーを追走して先着、4F52.7秒と水準以上の時計をマークしている。デビューは9月15日(土)阪神芝1600m(牝)を予定している。

◆シゲルサジタリアス(牡、父Street Cry、母City Beautiful、栗東・西園正都厩舎)
メイケイペガスター

シゲルサジタリアス、水準以上の時計

 父は現役時代に2002年ドバイワールドCを優勝。種牡馬としてはStreet Senseが2007年ケンタッキーダービー、Zenyattaが2009年ブリーダーズCを制覇するなど、産駒も次々にG1で結果を残した。

 本馬について「鞍上の指示に従順な馬。ゲートも速くて、とにかく素直な気性がいいですね」と西園正都調教師。9月5日にCWで3頭併せを行い、一番遅れてしまったが、その相手は先週のレースで500万下2着したホーマンベルウィン、新馬3着したエーシンマックスだから仕方ない。むしろ6F82.4秒と水準以上の時計で動けた点を評価すべきだろう。デビュー戦は9月15日(土)阪神ダート1200mを浜中俊騎手で予定している。

【美浦】
◆アディシオン(牝、父マンハッタンカフェ、母クリスマスツリー、美浦・鈴木康弘厩舎)
 5月の千葉サラブレッドセールに上場され、1050万円で取引された。トニービン産駒の母はオープン勝ち(ターコイズS)を含む6勝。現5歳の半姉クリスマスキャロルは6月に行われたG3・マーメイドSでグルヴェイグの2着に追い込んだ。鈴木康弘厩舎にとっては重賞2勝(青葉賞、ステイヤーズS)のペインテドブラック、桜花賞(8着)とオークス(12着)に参戦したギミーシェルターの姪にあたる。新潟で下ろす予定もあったが、じっくりと中山まで待機。ここ3週はウッドチップとポリトラックで長めを乗られており、年長馬を子供扱いにするほどで動きの良さも目立っている。「まだビシッと追っていないけど、古馬と併せても楽に動くし、牝馬にしては落ち着いて走るタイプ。ゆったりと走れる長めの距離が良さそうだし、血統的にも将来性は十分。だからこそ初戦から男馬にぶつけるんです。奥がありそうな馬ですよ」と鈴木康弘調教師。9月16日、中山の芝1800mを大野拓弥騎手で予定している。

◆トロワボヌール(牝、父バゴ、母チューニー、美浦・畠山吉宏厩舎)
 サンデーサイレンス産駒の母はG3・クイーンCを勝っており、G1・オークスでスティルインラブの2着に健闘した。現3歳の半兄フジマサエンペラーは昨秋のG3・東京スポーツ杯2歳Sでディープブリランテの2着に食い込んでいる。春に一度は入厩したが、無理せずに山元トレセンで基礎体力の強化に努めた。8月23日に再入厩し、先週の9月6日には騎乗予定の後藤浩輝騎手を背に坂路で4F51秒7―37秒8―12秒2の時計をマーク。水準以上の動きで好気配の仕上がりを見せている。「しっかりと牧場でトレーニングを積んだし、だいぶ動けるようになった。はじめに入厩した頃は気性的にうるさかったけど、戻ってきてからは意外と大人しくしている。お母さんに乗っていたジョッキーも好感触を掴んでくれているし、初戦からは勿論、先々まで楽しみな馬です」と畠山吉宏調教師。9月15日の中山・芝1600mか、翌16日の中山・芝1800mを後藤騎手で予定している。

◆マンボネフュー(牡、父バゴ、母セカンドハピネス、美浦・国枝栄厩舎)
 伯父(母の半兄)にキングマンボがいる世界的名牝系の出身。昨年のセレクトセールに上場され、2625万円で取引された。当初は6月の東京や福島でデビューする予定だったが、肩の出が悪くなったために放牧へ。8月の札幌でもソエを気にしたためにデビューを見送り、美浦トレセンに戻ってきた。9月5日には坂路で4F51秒1をマーク。予定は延び延びになったが、依然としてポテンシャルの高さを感じさせる動きだ。「札幌でデビューの直前まで仕上げていたから調整は楽。大事を取って予定を延ばしたけど、美浦に戻ってからは順調に乗り込めている。気が良くて軽い走りをするタイプだし、マイルから中距離まで対応できるんじゃないかな」と国枝栄調教師。9月15日、中山の芝1600mを蛯名正義騎手で予定している。

◆レオハイタッチ(牡、父タニノギムレット、母レオソレイユ、美浦・杉浦宏昭厩舎)
 現3歳の半兄レオアクティブは昨秋のG2・京王杯2歳Sを勝ち、昨日(9月9日)のG3・京成杯AHで芝1600mのJRAレコード(1分30秒7)を樹立した。伯父(母の半兄)には2002年と03年のG3・京成杯AHを連覇した他、G1・安田記念2着などの実績を残したブレイクタイムがいる。それほど目立つ時計は出していないが、少しずつ良化している印象だ。「うるさい気性はアクティブに似ている。まだ能力的なものを比べるのはどうかと思うけど、弟のほうが距離の融通性はありそう。いいモノは持っている」と杉浦宏昭調教師。9月15日、中山の芝1600mを内田博幸騎手で予定している。

 また、杉浦厩舎からはポンマリー(牝、父チチカステナンゴ、母ラブリネスオブパリ)もデビュー予定。こちらは変則3日間開催最終日の9月17日、中山の芝1600m(牝馬限定)を横山典弘騎手で予定している。

【お知らせ】
週末の競馬3日間開催に伴いまして、当コラムの次回更新は9/18(火)18時となります。予めご了承ください。

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栗東担当:井内利彰 「競馬予想TV!」に出演中の調教捜査官。調教主体や厩舎取材の予想を提供中。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」など。

美浦担当:竹之内元 大学に通うため、東京競馬場から徒歩3分のアパートに住んだことで転落人生を歩み出した38歳ライター。POGでは中山大障害勝ちのメルシータカオー指名が自慢。

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