スマートフォン版へ

スクリーンヒーローの全妹、ブロンドヒロインがデビュー

  • 2012年09月18日(火) 18時00分
【栗東】
◆マジェスティハーツ(牡、父ハーツクライ、母エアラホーヤ、栗東・松永昌博厩舎)
マジェスティハーツ武豊騎手でデビュー

マジェスティハーツ武豊騎手でデビュー

 松永昌博厩舎のハーツクライ産駒といえば、2011年青葉賞を優勝したウインバリアシオン。そこまでのスケールとは言わないまでも、入厩当初から「いいキャンターをするし、学習能力も高いから期待していますよ」と松永昌博調教師の評価も高い。当初は先週の阪神芝1800mでのデビュー予定もあったが、じっくりと調整することで9月23日(日)阪神芝1600mの番組までデビューを延期した。師は「調教を重ねるごとに動きが良くなっているし、予定を延ばして正解だったね」と思惑通りの仕上げができた様子。9月13日の坂路では4F54.2〜1F12.7秒と速い時計ではないものの、余力十分の動きだっただけに及第点だろう。なお鞍上は武豊騎手が予定されている。

◆キリノトップラン(牡、父メイショウサムソン、母シンシアナガール、栗東・岩元市三厩舎)
 今年の岩元市三厩舎の2歳勢は先々週のアスター賞を勝ち上がったミヤジタイガを筆頭に、ゴーインググレートやトップエトワールが勝ち上がっている。本馬はメイショウサムソンの初年度産駒だが、産駒として父にJRA初勝利をプレゼントできるのではないだろうか。そう思えるのは追い切りの動き。8月30日の時点でCW6F81.8秒、新馬として勝ち負けレベルの数字をマークしていたが、9月14日の新馬テイエムオオワシとのCWでの併せ馬が目立つ動き。道中、かなり速いペースで飛ばしたため、最後は脚色一杯になってしまったが、6F80.4秒はスピード能力がなければ出せない数字。近親に1998年デイリー杯2歳Sや1999年アーリントンCを制したエイシンキャメロンがいるだけに、その血を受け継いでいるのかも知れない。デビューは9月22日(土)阪神ダート1800mを和田竜二騎手で予定している。

◆シゲルリュウコツザ(牡、父メストーミングホーム、母シゲルイケイケ、栗東・小原伊佐美厩舎)
シゲルリュウコツザ、調整過程は良好

シゲルリュウコツザ、調整過程は良好

 母系には目立った活躍馬はいないものの、父ストーミングホームの産駒には2011年京王杯2歳S2着のサドンストームや2012年函館2歳S3着のティーハーフがいる。本馬の動きが目立ったのは9月5日のDP。シゲルツルザとの併せ馬だったが、相手が一杯に追うところを馬なりの手応えで同入。5F64.8〜1F12.1秒は時計の出やすいポリトラック馬場とはいえ、それなりに評価できる。9月13日の坂路では前半がゆっくりだったので、4F56.6秒と全体は遅かったが、後半2Fで追い出されると2F26.0〜1F12.3秒。加速して坂を駆け上がってくる様子はなかなか迫力があった。9月22日(土)阪神芝1200mを高倉稜騎手でデビューする予定。

◆ハギノサキガチ(牡、父アグネスタキオン、母ハギノアウグラーレ、栗東・中竹和也厩舎)
 近親に今年のフローラSを勝ち、今夏のクイーンSでは古馬相手に3着と健闘したミッドサマーフェアがいる血統。また父と母父の配合では芝中距離で6勝を挙げているアドマイヤメジャーがいる。入厩してしばらくは目立って速い時計は出ていなかったが、中竹和也調教師は「追い切るたびに動きが良化。デビューする頃には動けるようになっていると思いますよ」とコメント。その通り、デビュー1週前追い切りとなった9月13日の坂路でレースでも騎乗予定の川須栄彦騎手が跨って4F52.6秒と新馬として水準以上の数字をマークした。9月23日(日)阪神芝1600mでデビューする予定となっている。

【美浦】
◆ヒストリアドリーム(牝、父アドマイヤムーン、母シンコウノビー、美浦・田中清隆厩舎)
 米国産の母はファンタジーS2着、阪神3歳牝馬S5着(1番人気)、フラワーC3着など早い時期から活躍。現5歳の半姉サリエルはスプリント戦で4勝している。じっくりと乗り込まれ、ひと追い毎に気配が良化。ここ2週は蛯名正義騎手を背に坂路で軽快な動きを見せている。「やや気難しさがあるけど、いいところはありそう。集中して走ってくれれば楽しみ」と田中清隆調教師。9月22日、中山の芝1200m(牝馬)を蛯名正義騎手で予定している。

◆ブロンドヒロイン(牝、父グラスワンダー、母ランニングヒロイン、美浦・武市康男厩舎)
 2008年のジャパンCを制したスクリーンヒーローの全妹。祖母は名牝ダイナアクトレス。一族からはステージチャンプ、プラムステージ、ベストロケーション、アブソリュートなどの活躍馬が出ている。特に目立つ時計こそ出していないが、坂路とコースを併用して乗り込みは十分。ひと追い毎にフォームが良くなっており、先週の9月12日には横山典弘騎手が感触を確かめて態勢を整えた。当初は1600mでのデビューも検討されていたが、「牝馬で前進気勢のあるタイプ。まずは1200mのほうが良さそう。血統的にも楽しみにしています」と武市康男調教師。9月22日、中山の芝1200m(牝馬)を横山典弘騎手で予定している。武市康男厩舎からはアルデオ(牝、父ゼンノロブロイ、母ブライアンズビット)もスタンバイ。同じく9月22日、中山の芝1200m(牝馬)を松岡正海騎手で予定している。

◆ムーンメイヴン(牝、父アドマイヤムーン、母トリート、美浦・二ノ宮敬宇厩舎)
 ダーレー・ジャパン・ファームの生産馬。母は英G1・フィリーズマイル2着、英1000ギニー4着などの戦歴がある。9月5日にウッドチップで初時計をマーク。先週の9月13日にもポリトラックで1F11秒台とシャープな反応を見せた。2本の追い切りに騎乗している三浦皇成騎手は動きの良さを絶賛しており、厩舎サイドも好感触をつかんでいる様子だ。こちらも9月22日、中山の芝1200m(牝馬)を三浦皇成騎手で予定している。二ノ宮敬宇厩舎からはダイワフォスター(牡、父アグネスデジタル、母マジックキス)もスタンバイ。こちらは9月23日、中山の芝1600mを予定している。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

栗東担当:井内利彰 「競馬予想TV!」に出演中の調教捜査官。調教主体や厩舎取材の予想を提供中。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」など。

美浦担当:竹之内元 大学に通うため、東京競馬場から徒歩3分のアパートに住んだことで転落人生を歩み出した38歳ライター。POGでは中山大障害勝ちのメルシータカオー指名が自慢。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング