【栗東】
◆テーオークリスエス(牡、父シンボリクリスエス 、母ミヤコサンライズ、栗東・須貝尚介厩舎)
テーオークリスエスは実戦タイプと須貝師
半兄ミヤコトップガンは芝中距離で2勝を挙げており、近親には1995年京都牝馬特別を勝ったシスティーナや2008年クラスターC(水沢ダート1400)を勝ったプライドキムなど重賞ウイナーが名を連ねる。8月下旬から坂路で15-15の追い切りを開始しており、調教本数は十分すぎるくらい。1週前追い切りとなる10月4日には、レースでの騎乗が予定されている浜中俊騎手が跨って坂路での追い切り。追走した古馬シャドウバンガードを3馬身突き放して先着。4F53.3秒は時計の掛かる馬場だったことを考慮すれば、優秀な時計。「シンボリクリスエス産駒らしく、切れる脚を使うというよりも、いい脚を長く使うというタイプ。それだけに実戦でいいタイプだと思います」と須貝尚介調教師。10月14日(日)京都芝2000mでデビューする予定。
◆ミライエ(牡、父ディープインパクト、母アドマイヤキラメキ、栗東・友道康夫厩舎)
半姉ラシンティランテは札幌芝1500mで新馬勝ち。母系には天皇賞・秋を制したカンパニーやトーセンジョーダンなどのG1ウイナーがいる血統で、2011年セレクトセール1歳では4000万円で落札されている。夏の函館競馬場でゲート試験に合格。その後は牧場に戻されて調整を進め、9月13日に栗東へ入厩した。その後も順調に調教が進められ、10月4日にはレースでの騎乗が予定されている福永祐一騎手が跨ってDPでの追い切り。古馬アドマイヤバラードを追走する形だったが、軽く仕掛けて最後は併入。6F84.9〜1F11.6秒は時計の出やすいポリトラック馬場ということを考慮すれば、目立った時計ではないが、並びかける時の雰囲気が抜群。「当初から秋の京都を目標に育成調教を進めてきた馬。栗東での調教本数はさほど多くありませんが、仕上がりはいいですね。バネのある走りをしていますし、もちろん初戦から期待していますよ」と友道康夫調教師。デビュー戦は10月13日京都芝1600m(牝)が予定されている。
◆エーシンレンジャー(牡、父Read the Footnotes、母Dixie Talent、栗東・中尾秀正厩舎)
エーシンレンジャーは和田騎手で初陣
2012年OBSマーチセールにて47万5,000ドルで落札された外国産馬。父はミスタープロスペクター系で、現役時代にはファウンテンオブユースSなどを勝っている。栗東へ入厩した当初は「トレーニングセールの後は馬もいったん緩められるから、かなり太い状態でしたね」と中尾秀正調教師。その分、動きに重め感があったが、9月30日の坂路で4F52.5秒をマークしたように、調教を重ねるごとに素軽くなってきた。10月4日にはCWでキュールエアリスと併せて、6F84.4〜1F12.1秒をマークした。同師もここ2週の追い切りを見て「体も絞れてきて、態勢が整ってきましたよ」と笑顔。これなら予定されている10月14日(日)京都芝1400mのデビュー戦が楽しみ。なお鞍上は和田竜二騎手が予定されている。
◆ヒルノケアンズ(牡、父ハーツクライ、母スルーザシーズン、栗東・北出成人厩舎)
近親に2000年天皇賞春など、G1レースで7勝を挙げたテイエムオペラオーがいる血統。本馬は2011年北海道セレクションセール1歳にて1000万円で落札されている。ちなみに、テイエムオペラオーも1997年北海道10月市場にて1000万円で落札された。北出成人調教師は「馬体の良さに惚れてセリで購入していただいた馬。育成段階からいい動きを見せていましたが、栗東に入厩してからも変わらず動きは目立ちますね。特に速い時計は出していませんが、牧場でもかなり乗っていますし、こちらでの調教内容もいいので、特に強い追い切りは必要ないかも知れませんね」とコメント。10月4日にレースで騎乗予定の和田竜二騎手が跨って坂路で追い切られて、古馬レッドマーキュリーに先着。4F53.3秒と十分な時計もマークしている。10月13日(土)京都ダート1400mでデビューする予定。
【美浦】
◆サクセスカサノヴァ(牡、父ディープインパクト、母パーフェクトワールド、美浦・牧光二厩舎)
Giant's Causeway産駒の姉はダートで勝ち上がっているが、父がディープインパクトに替わり、こちらは芝向きのタイプに出た。9月から坂路で時計を出しはじめ、ここまでの調教量は十分。先々週のウッドチップでは思ったほど動けなかったが、このひと追いで変わったのか、先週はポリトラックで軽快な走りを見せた。「ウッドチップだと今ひとつ動かないけど、ポリトラックに入れたらシュッと動いた。長めの距離が良さそうだし、軽い芝なら走れると思います」と牧光二調教師。10月13日、東京の芝2000mを蛯名正義騎手で予定している。
◆タイダルベイスン(牡、父アグネスタキオン、母ワシントンシティ、美浦・大竹正博厩舎)
昨年のセレクトセールに上場され、1900万円で落札された。タニノギムレット産駒の半兄ラトルスネークは現3勝の他、アーリントンC4着、白百合S2着など活躍している。8月12日に入厩してからの乗り込みは実に入念。馬っぷりの良さも目立ち、先週は3歳馬を相手に先着と好気配の動きを見せている。「お兄ちゃんはテンションが高くて気難しいところもあるみたいだけど、その点を比較するとタイプがまったく違う。落ち着いて走れるし、素直な性格で操縦も利く。まだ緩さはあるけど、ためれば切れそうなイメージもあるし、どんな競馬をしてくれるか楽しみにしています」と大竹正博調教師。10月13日、東京の芝2000mを秋山真一郎騎手で予定している。
◆トーセンジャスト(牡、父チチカステナンゴ、母サンデーピクニック、美浦・加藤征弘厩舎)
昨年のセレクトセールに上場され、5200万円で落札された。サンデーサイレンス産駒の母は仏GIIIクレオパトル賞を勝っている他、英オークス4着の戦歴。日本に移籍してからも2勝を挙げ、クイーンS3着など活躍した。半兄には重賞2勝(アーリントンC、函館記念)のトーセンキャプテン、現オープンのトーセンアドミラルがいる。当初は前開催の中山でデビューさせる予定だったが、今ひとつ動きがピリッとしなかったこともあり、ここまで待機。先週は坂路でビシッと追われ、ひと追い毎に上向いている。「現状ではダートのほうが良さそう」と加藤征弘調教師。10月13日、東京のダート1600mを内田博幸騎手で予定している。
◆ミストフェリーズ(牡、父ダンスインザダーク、母キトゥントリックス、美浦・斎藤誠厩舎)
2歳上の全姉キトゥンブルーは同じく斎藤誠厩舎の所属で現1勝。9歳上の全兄フェイトトリックスは通算6勝でオープン入りした。近親には重賞ウイナーのザフォリアやストロングガルーダ、NHKマイルC2着のダイワバーバリアンがいる。6月末にゲート試験を受け、夏場はノーザンファーム天栄で体力強化に努めた。9月25日に再入厩し、先週は吉田豊騎手を背にウッドチップコースでの追い切りを消化。既走馬を相手に先着しており、動き自体は上々だ。「距離はマイルぐらいが良さそう」と斎藤誠調教師。10月14日、東京の芝1600mを吉田豊騎手で予定している。