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良績家系の注目馬!調教も優秀なタマモベストプレイ

  • 2012年10月15日(月) 18時00分
【栗東】
◆グレイスフルデイズ(牡、父チチカステナンゴ、母フェイムドグレイス、栗東・西園正都厩舎)
 キングカメハメハ産駒の半姉モアグレイスは同厩舎で管理されて、2011年紅梅Sを勝利。クロフネ産駒の半兄マルカバッケンはダート1200mで5勝、グラスワンダー産駒の半兄フェイマステイルは芝とダートで計4勝を挙げている活力のある血統。

 モアグレイスは坂路での調教が中心だったが、本馬は坂路だけでなく、DPやCWといったトラック馬場での追い切りも取り入れている。そのCWでの動きが抜群で、特に強調したいのは10月11日。新馬3頭での併せ馬だったが、直線最内にいた本馬が脚色が悪くなっていく他2頭に大きく先着。その時計が6F79.8秒と新馬ではトップクラスの速い数字をマークした。デビュー戦は他馬との兼ね合いもあり、東京競馬場で行われる10月20日(土)芝1400mでの使い出しとなるが、輸送さえクリアできれば、当然初戦から勝ち負けできるレベルにある。なお鞍上は内田博幸騎手を予定。

 11日の追い切りでグレイスフルデイズには遅れたものの、CW6F80.1秒をマークしたフレイムは10月20日(土)京都芝1400mでデビュー予定。こちらの鞍上は武豊騎手が予定されている。

◆タマモベストプレイ(牡、父フジキセキ、母ホットプレイ、栗東・南井克巳厩舎)
良績家系のタマモベストプレイ

良績家系のタマモベストプレイ

 9月29日のスーパー未勝利戦でタマモトッププレイが勝ち上がり、全兄、全姉はすべて1勝以上を挙げる優秀な兄姉。もちろん勝ち上がるだけでなく、2006年シルクロードSを勝ったタマモホットプレイを筆頭に、オープンクラスで活躍するばかりというのも特筆すべき点だろう。

 そんな良績家系だけに、本馬に対する注目度も高いが、調教の段階から優秀な動きを見せている。10月5日の坂路では4F52.5秒をマークし、併せた相手の新馬をぶっちぎった。10月11日にはCWで和田竜二騎手が跨っての追い切り。同じ相手に同入ではあったが、手応えは完全に優勢。6F83.3〜1F12.1秒と終いまでしっかりした脚色でゴールしている。デビュー戦は10月20日(土)京都芝1400mが予定されている。

◆エーシンサミット(牡、父Montbrook、母My Golden Quest、栗東・西園正都厩舎)
エーシンサミット(右)とフレイム(左).JPG

エーシンサミット(右)とフレイム(左)

 10月1日更新分に登場しているが、その週のデビューを同じオーナーの馬との使い分けで回避。デビューがスライドする形となった。父の名は聞き慣れないかも知れないが、海外での産駒に2010年BCスプリントを制したBig Dramaがいる。日本での産駒には芝ダート短距離で計3勝を挙げたセレスブルックがいる。

 先週のCWでは同じ新馬、グレイスフルデイズ、フレイムに遅れる形での追い切りとなったが「CWでは動きが目立たないけど、10月4日の坂路ではフレイムに先着して4F53.6秒をマークしているし、最終追い切りは坂路である程度時計を出すつもりですよ」と西園正都調教師。なにせ入厩当初、同師から「(デビューから2連勝している)エーシントップ以上かも」と言わせた逸材。最終追い切りの動きをじっくりと見守りたい。なおデビュー戦は10月21日(日)京都ダート1200mを岩田康誠騎手で予定している。

◆キングデザイヤー(牡、父ダンスインザダーク、母ウマヒトスジ栗東・鈴木孝志厩舎)
 叔母にダート中距離で3勝を挙げているプリンセスキナウがいる血統で、本馬は2011年北海道オータムセール1歳にて260万円で落札されている。

 血統やセリ価格は目立たないが、中間の追い切りではその存在感を示している。9月21日に合格したゲート試験では2F目に11.9秒とダッシュ力のあるところを見せた。またそれ以降のCW追い切りでは併せ馬で常に先着。10月10日のCWではレースでも騎乗を予定している松山弘平騎手が跨って、新馬クイーンズリーフを追走する併せ馬。直線では楽に突き放して、6F82.3〜1F12.5秒と新馬では水準以上の時計をマークした。デビュー予定の10月21日(日)新潟芝2000mではどの程度の注目が集まるか分からないが、馬券的にも魅力のあるレースとなりそう。

【美浦】
◆ゴールデンファレノ(牝、父フジキセキ、母ナイストレビアン、美浦・二ノ宮敬宇厩舎)
 全兄のゴールデンダリアは新潟大賞典の勝ち馬。現3歳の半兄にはセントライト記念で2着に入り、今週の菊花賞に出走予定のスカイディグニティがいる。10月11日にはポリトラックコースで5F65秒台と及第点の時計をマーク。ひと追い毎に時計を詰めており、軽快な動きには素質を感じる。「まだ体が出来ていないようなところもあるけど、だんだんと良くなっている」と二ノ宮敬宇調教師。10月21日、東京の芝1600m(牝馬限定)を柴田善臣騎手で予定する。

◆サトノマーキュリー(牡、父ディープインパクト、母クライム、美浦・国枝栄舎)
 同じく国枝栄厩舎に在籍した半姉のクリミナルコードは2勝。半兄には豪G1・メルボルンC2着のクライムシーンがいる。10月3日に坂路で4F51秒4をマーク。11日には中山でデビュー勝ちしたマンボネフュー(いちょうSに出走予定)を相手に4F52秒8の時計を出した。「背中が強いし、動かしてみると軽い走りをする」と厩舎サイド。騎乗予定の北村宏司騎手も「まだ粗削りだけど、いいところがありそう」と上々の感触だ。10月20日、東京の芝1400mを予定する。

◆ファミーユ(牡、父チチカステナンゴ、母キストゥヘヴン、美浦・戸田博文厩舎)
 2006年の桜花賞を制した母の父初仔。10月11日には横山典弘騎手が跨がり、ウッドチップコースで70―40の時計を出した。まだまだ成長の余地を残すが、併せた既走馬を上回る手応えでフィニッシュ。古馬を相手にしても互角に動いており、秘めるポテンシャルは高い。「まだ集中力を欠いたりして子供っぽいところを見せているけど、気持ちが前に向いたときの動きはいいですね。走りのバランスもいいし、母譲りの素質を持っていると思います」と斎藤調教助手。デビュー戦は10月20日、東京の芝1400mを視野に入れている(今週の動き次第で翌週に回る可能性も…)。

◆ホアピリ(牡、父キングカメハメハ、母ライラックレーン、美浦・加藤征弘厩舎)
 重賞2勝(函館2歳S、京成杯AH)、マイルCS2着など活躍しているフィフスペトルの全弟。夏に函館競馬場でゲート試験を受け、9月22日に再入厩した。10月11日には蛯名正義騎手を背にウッドチップコースで追われ、終い重点に上々の動きを見せた。「なかなかいいね。牧場でも乗り込んだし、仕上がりは順調。フィフスペトルに比べると気性も穏やかだし、距離には融通が利きそう。いい馬です」と加藤征弘調教師。10月20日、東京の芝1800mを蛯名騎手で予定する。

◆レッドセシリア(牝、父ハーツクライ、母サセッティ、美浦・鹿戸雄一厩舎)
 半兄のレッドセインツは2歳の夏にデビュー勝ちしており、続く新潟2歳Sで3着に好走した。9月8日に入厩してからコンスタントに追い切りの本数を積み、見た目にもスッキリと仕上がっている。「細っこい牝馬で仕上がりは良さそう。脚が長くて芝向きの軽い走りをするし、いかにも切れそうなタイプ」と鹿戸雄一調教師。10月21日、東京の芝1600m(牝馬限定)を蛯名正義騎手で予定する。

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栗東担当:井内利彰 「競馬予想TV!」に出演中の調教捜査官。調教主体や厩舎取材の予想を提供中。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」など。

美浦担当:竹之内元 大学に通うため、東京競馬場から徒歩3分のアパートに住んだことで転落人生を歩み出した38歳ライター。POGでは中山大障害勝ちのメルシータカオー指名が自慢。

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