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注目の白毛馬ブラマンジェが東京でデビュー

  • 2012年11月12日(月) 18時00分
【栗東】
◆ウォータープリプリ(牝、父ハーツクライ、母ハイウェイトゥグローリー、栗東・安田隆行厩舎)
母は伊の活躍馬、ウォータープリプリ

母は伊の活躍馬、ウォータープリプリ

 母は現役時代にイタリアで活躍し、その近親もイタリアで重賞を勝ったいる血統だが、日本では半兄シンメイスバルが競走馬登録したものの、未出走で抹消。それだけに兄も知る安田隆行調教師のトーンは入厩当初から控えめだった。

 ただ追い切りを進めるごとに、その存在が目立ち始める。まず10月31日の坂路で新馬ストリボーグを追走して1秒近く引き離して先着。4F52.7秒を楽な手応えでマーク。これには「追い切りは動きますね」と同師。そして翌週の11月7日の坂路では新馬ウルトラサウンドと併せて大差で先着。その時計は4F50.2秒と、明らかに新馬離れした超抜の時計をマークした。「スピード能力はかなり高いですね。ゲートも水準レベルにはあるので、初戦から楽しみです」同師。11月17日(土)の牝馬限定戦か11月18日(日)か、どちらかの東京芝1400mを武幸四郎騎手でデビューする予定となっている。

◆ルリビタキ(牝、父デュランダル、母エリンバード、栗東・笹田和秀厩舎)
 先週のエリザベス女王杯は14着に敗れているが、2011年オークスを優勝したエリンコートの全妹。管理厩舎も一緒ということで、似ているのかと思いきや「タイプが違いますよ」と笹田和秀調教師。

 入厩してからは順調に坂路での調教を進められており、11月7日にはレースでも騎乗予定のM.デムーロ騎手が跨って4F53.3秒を馬なりでマークしている。「タイプはエリンコートと違うんですが、体型は似てきましたね。1歳の頃は全然似ていなかったんですが。気性はまだまだ子供ですが、パワーがあるので楽しみにしていますよ」と同師。11月18日(日)京都芝1800mでデビューする予定。

◆タイキマーシャ(牝、父タニノギムレット、母ヤングエブロス、栗東・西園正都厩舎)
 半兄トシザヘネシーはダートで5勝を挙げており、母は現役時代に根岸S(東京ダート1200m)を優勝。ダート短距離で結果を出している一族だが「さすがこの血統だけあって、ダートで相当動けそうですよ。ゲート試験では2F目に馬なりで12.1秒。ダッシュ力がありますね」と西園正都調教師のトーンも高い。

 初めての本格的な追い切りだった11月8日はCWで新馬ギョウショウとの併せ馬。内を回ったものの、6F81.3〜1F12.5秒と好タイムをマークして先着してみせた。「追い切り本数は多くありませんが、前向きな気性だし、このくらいの調教量で十分動けると思います」と同師。11月17日(土)京都ダート1400m(牝)をC.ルメール騎手かM.デムーロ騎手でデビューする予定。

 なお、前記ギョウショウは「追い切るたびに動きが良くなっています。テンから行くようなタイプではないので、ある程度距離があった方がいいと思います」ということで、11月18日(日)京都芝1800mでのデビューを予定。なお鞍上は酒井学騎手を予定している。

◆カレングラスジョー(牡父、キングカメハメハ、母ジェダイト、栗東・松永幹夫厩舎)
浜中騎手でデビュー、カレングラスジョー

浜中騎手でデビュー、カレングラスジョー

 母は現役時代に2005年忘れな草賞を勝っており、オークスや秋華賞にも出走。その初仔となるサナシオンは同厩舎で管理されており、夏の北海道シリーズで未勝利、500万下を連勝している。

 父がキングカメハメハに替わった本馬だが「サナシオンも同時期にデビューしたんですが、比べてもこちらの方が随分としっかりしていますね。兄は芝でデビューして結果が出ず、ダートで連勝しましたが、この馬は芝でも走れるフットワークをしていますし、初戦から楽しみにしています」と松永幹夫調教師。11月7日はレースで騎乗予定の浜中俊騎手が跨って、坂路で4F53.6秒をマークしている。11月18日(日)京都芝1800mでのデビュー戦が予定されている。

【美浦】
◆トーセンターキー(牡、父ディープインパクト、母チェリーラブ、美浦・加藤征弘厩舎)
 昨年のセレクトセールにて5400万円で落札された。半兄に重賞2勝(京王杯2歳S、スワンS)マイネルレーニア、近親にはジャガーメイル(天皇賞・春)やハタノヴァンクール(ジャパンダートダービー)がいる。ゲート試験に合格後は育成場に戻して成長を促し、10月23日に再入厩。11月8日の追い切りではフィフスペトルの相手を務め、力強い動きを見せた。「暑い時期は無理させず、東京開催でのデビューを目標に乗り込んできた。ここまで順調に来ているし、いい素質を持っているよ」と加藤征弘調教師。11月17日、東京の芝1800mを内田博幸騎手で予定している。

◆ブラマンジェ(牝、父クロフネ、母シラユキヒメ、美浦・萩原清厩舎)
 今年も注目の白毛がデビューする。全姉のユキチャンはダートの交流重賞(関東オークス、クイーン賞、TCK女王盃)を3勝した他、芝のミモザ賞など通算5勝をマーク。現3歳の全姉マシュマロはデビュー勝ちを含む2勝を挙げている。ここ3週の追い切りには蛯名正義騎手が跨がり、先週の11月7日に坂路で4F51秒台を計時。ひと追い毎に時計を詰めており、仕上がりは順調に進んでいる。「追い切りを重ねる毎にしっかりと動けるようになってきました。いい体つきをしているし、気性も悪くありません。ダートでのデビューを本線に考えていたけど、まずは芝で力試しをしてみようということになりました」と萩原清調教師。11月17日、東京の芝1800mを蛯名騎手で予定している。

◆ヘルデンテノール(牡、父ディープインパクト、母ディーバ、美浦・大久保洋吉厩舎)
 現6歳の半兄サンカルロは重賞3勝(NZT、阪神C、阪急杯)の他、高松宮記念2着など活躍している。当初は夏の新潟でデビューする予定だったが、夏負けから熱発や下痢の症状が出たために立て直しを図った。10月12日に再入厩し、11月8日には坂路で4F55秒0―37秒6―24秒1―11秒7をマーク。しまいは見た目以上に速いラップを刻んでおり、着々と態勢を整えてきている。「戻ってきてからは順調に乗れている。大きなフットワークで走るし、兄貴よりも距離の融通が利きそう」と大久保洋吉調教師。11月17日の東京・芝1800mか、24日の東京・芝1600mを吉田豊騎手で予定している。

◆リップル(牝、父アグネスタキオン、母レインボーリップル、美浦・二ノ宮敬宇厩舎)
 いとこに重賞4勝のコンゴウリキシオーがいる。9月下旬に入厩し、ひと追い毎に調教のピッチを上げてきた。ここ3週はポリトラックとウッドチップで長めから併せ馬を消化しており、デビューに向けて順調な仕上がりを見せている。アグネスタキオン産駒らしいキレを感じさせるタイプだ。エリザベス女王杯(レインボーダリア)で大金星を挙げた二ノ宮厩舎。2歳世代の活躍にも注目したい。11月17日、東京の芝1400m(牝馬)を内田博幸騎手で予定している。

 もう1頭、ダイワロージー(牡、父グラスワンダー、母ダイワフェニックス)もスタンバイ。こちらは11月17日、東京の芝1800mを北村宏司騎手で予定している。

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栗東担当:井内利彰 「競馬予想TV!」に出演中の調教捜査官。調教主体や厩舎取材の予想を提供中。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」など。

美浦担当:竹之内元 大学に通うため、東京競馬場から徒歩3分のアパートに住んだことで転落人生を歩み出した38歳ライター。POGでは中山大障害勝ちのメルシータカオー指名が自慢。

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