【栗東】
◆トルストイ(牡、父ディープインパクト、母グレースアドマイヤ、栗東・音無秀孝厩舎)
ヴィクトリー半弟トルストイ
半兄リンカーンは2006年天皇賞春2着をはじめ、G1で2着3回。そして2004年阪神大賞典をはじめ、芝長距離重賞で3勝を挙げている。また半兄ヴィクトリーは2007年皐月賞を制するなど、厩舎ゆかりの血統であり、大舞台で活躍した兄姉が多い。
当然、本馬に対する期待も大きく、入厩前から音無秀孝調教師は「当然クラシックを意識していきたい」と発言していた。ゲート試験合格後は坂路での追い切りが中心だが、時計自体は目立ってはいない。ただ「背中のいい馬だけど、まだトモに緩さの残っている段階。その分、馬場の悪い坂路では動けていないけど、実戦に行けば問題ないはず」と師。11/21の坂路でも僚馬サンライズシルバーに遅れてしまったが、相手は先週デビューして2着。こちらも当然、デビュー戦から動けると見ていいだろう。12/2(日)阪神芝2000mを福永祐一騎手でデビュー予定。
◆スマートパンドラ(牝、父キングヘイロー、母オリミツキネン、栗東・松田国英厩舎)
アジュディミツオー半妹スマートパンドラ
2011年北海道セレクションセール1歳にて640万円で落札されたアジュディミツオーの半妹。アジュディミツオーは2004年、2005年東京大賞典を連覇するなど、地方競馬所属ながら、地方交流G1を5勝している。
半兄は競走馬時代に542キロ(2009年マイルGP時)という大型馬だったが、本馬は「芝の長距離を走れそうな素軽い体をしていますよ」と松田国英調教師。また「馬体は重苦しくないんですが、水分を含んだ重いウッドチップ馬場を苦にしない力強い動きを見せてくれています」ということ。11/21の坂路では先週デビューしたハギノエルドラド(7着)を追走して3馬身ほど先着している。デビュー戦は12/2(日)阪神ダート1400mを武豊騎手で予定されている。
◆ハートブレイカー(牡、父ジャングルポケット、母ポンデローザ、栗東・松永幹夫厩舎)
近親に2010年府中牝馬Sを制したテイエムオーロラや2001年京阪杯(京都芝1800m)を制したテンザンセイザなどがいる血統。ちなみに母の現役時代に未勝利、500万下を勝っているのが、当時、騎手だった松永幹夫調教師。
本馬は夏場に栗東へ入厩し、ゲート試験に合格した段階で大山ヒルズにリフレッシュ放牧。再入厩してからは坂路での調教を中心に進められており、11/21の坂路では新馬コスミックワンダーと併せて、2馬身先着の4F55.5秒をマークした。「速い時計は出ていませんが、動きがいいですね。真面目に走ってくれますし、初戦から動けそうです」と同師。12/1(土)中京芝1400mを横山典弘騎手でデビューする予定となっている。
◆ラキシス(牝、父ディープインパクト、母マジックストーム、栗東・角居勝彦厩舎)
阪神でデビュー予定のラキシス
2010年セレクトセール当歳にて3000万円で落札されており、父Maria's Monの半兄エスケープマジックは現在、1000万下のダート短距離路線で活躍中。
本馬は9/7にゲート試験に合格後、一旦放牧に出され、11/7にノーザンFしがらきから再入厩。11/21にはDPで古馬サトノサミットを追走する併せ馬だったが、一杯に追う相手を追走して僅かながら先着。ラスト1F11.8秒と上々の伸びを見せていた。デビュー戦は12/2(日)阪神芝2000mが予定されている。
【美浦】
◆アンブリッジローズ(牡、父ディープインパクト、母クラシックローズ、美浦・国枝栄厩舎)
母系はバラ一族。ご存じ、この一族からはロゼカラー、ローズバド、ローゼンクロイツ、ローズキングダムなどの活躍馬ががいる。札幌でゲート試験を受けてから牧場で乗り込み、11月6日に再入厩。調教の動きは今ひとつピリッとしないが、まだまだ変わってきそうなムードだ。「男馬にしては線が細いけど、札幌に入れたときに比べれば良くなっている。動き自体はまあまあ。この先、いい方向に変わっていってくれれば…」と国枝栄調教師。12月1日、中山の芝1800mを三浦皇成騎手で予している。
◆イヤーオブドラゴン(牡、父Discreet Cat、母Spun Gold、美浦・大竹正博厩舎)
10月に入厩して以来、じっくりと時間をかけて態勢を整えてきた。父の産駒はエアハリファ(現3勝)、キズマ(現3勝)、サトノインスパイア(現2勝)の3頭が日本で走っている。「血統面を考えるとダート向きのイメージだけど、フットワークには軽さがあるし、ジョッキー(北村宏司騎手)も芝のほうがいいと言っている」と大竹調教師。12月1日、中山の芝1800?m北村宏司騎手で予定している。
◆ワッペンジュニア(牡、父ウォーエンブレム、母イサドラ、美浦・尾関知人厩舎)
2009年に藤沢和雄調教師の記念すべきJRA通算1000勝を飾ったワールドカルティエ(通算2勝)の全弟。伯父に1999年のセントライト記念を制したブラックタキシード、従姉に2008年のチューリップ賞を逃げ切ったエアパスカルがいる。11月15日に坂路で4F51秒9の時計を出し、22日はウッドチップコースで古馬を追走して活発な動きを見せた。「ウォーエンブレムの子で気難しいところがあるけど、稽古の動きからも能力を感じる。ゲート試験や普段の練習では出てからの二の脚が今ひとつだけど、周りに馬がいればついて行くと思います」と尾関調教師。12月1日、中山の芝1800mを予定している。