【栗東】
◆トーセンリュー(牡、父キングカメハメハ、母マイケイティーズ、栗東・大久保龍志厩舎)
アドマイヤムーンの半弟トーセンリュー
2007年に宝塚記念、ジャパンCを制したアドマイヤムーンの半弟。2011年セレクトセール1歳では2億6000万円という超高額で落札されている。ちなみにアドマイヤムーンも同セール(当歳)で取引されているが、その価格は1600万円。
本馬は10月31日に北海道ノーザンFから栗東へ入厩。その後、まもなくゲート試験に合格し、それからも順調に調整が進められている。11月29日にはレースで騎乗が予定されているC.ルメール騎手が跨ってCWでの追い切り。古馬スマートマーズを追走して先着する動きを見せた。12月5日にもCWで追い切られており「追い切るたびに動きが良化していますね。切れるスピードというよりはパワータイプでしょう」とは大久保龍志調教師。12月15日(土)阪神芝2000mでデビューする予定となっている。
◆ダノンリュウオー(牡、父キングカメハメハ、母ヴィアラクテア、栗東・松田国英厩舎)
近親に2002年阪神牝馬S(阪神芝1600m)など、牝馬限定重賞を4勝したダイヤモンドビコーがいる血統で、本馬は2010年セレクトセール当歳にて5300万円で落札されている。
12月5日にCWで先週デビューしたハギノブシドウとの併せ馬を行っているが、相手が一杯になるところを馬なりの手応えで先着。馬場の内目を回ったとはいえ、新馬として6F81.4秒は水準以上の時計と言える。12月16日(日)中京ダート1800mを川須栄彦騎手でデビューする予定。
◆ラジアントカット(牡、父ロージズインメイ、母プリンセスカット、栗東・中竹和也厩舎)
ネオヴァンドームの半弟ラジアントカット
半兄ネオヴァンドームは2010年きさらぎ賞を優勝、叔父タスカータソルテは2008年札幌記念を制している。マイルから中距離の芝で活躍馬が多い血統だが、本馬に関しては「中距離というよりはマイルに適性がありそう」と中竹和也調教師。
12月5日の坂路ではシャガールバローズと併せて僅かに遅れて4F58.1秒。「馬場が重かったこともあって、時計は遅くなりましたが、動きは悪くなかったと思います」と同師。デビュー戦は12月16日(日)中山芝1600mをC.ルメール騎手で予定されている。
◆タブレット(牡、父ディープインパクト 、母スカーレット、栗東・音無秀孝厩舎)
伯父に芝長距離重賞で3勝挙げたリンカーンや2007年皐月賞を制したヴィクトリーがいる血統で、先日デビュー(3着)したトルストイも叔父にあたる。
そのトルストイ、デビュー前から音無秀孝調教師の評価が高かった一頭だが、それと比較して「トルストイよりも動けるかも」というのがこの中間の手応えのよう。それを動きで証明したのが、12月5日のCWでの追い切り。レコンダイトとの併せ馬だったが、直線相手の脚色が悪くなるところを、力強い伸びで2馬身ほど先着。追われていたが、まだまだ余力十分という感じで、その走りは力強い。時計も6F82.5秒と新馬としては水準以上をマークしており、厩舎の期待に応える走りが見られそう。12月15日(土)阪神芝2000mをC.スミヨン騎手でデビューする予定。
【美浦】
◆インナーアージ(牝、父ディープインパクト、母ミュージカルウェイ、美浦・国枝栄厩舎)
母は仏GIIドラール賞(芝1950m)を勝ち、香港C3着などGIでも好走した。入厩後はゲート試験に時間を要したが、11月29日に合格。先週の12月5日には蛯名正義騎手を背にウッドチップコースで速めの時計を出し、9日にも坂路でラスト1Fを軽く伸ばした。「はじめのうちはフワフワと浮いてしまうところがあったけど、乗り込むに連れて良くなってきたし、いいバネを持っている。ディープ産駒の牝馬で軽さがあるし、初戦から動けると思います」と国枝栄調教師。12月16日、中山の芝1600mを蛯名正義騎手で予定している。
同じレースにはヒシエメラルド(牝、父ネオユニヴァース、母ヒシショウコ)も出走予定。こちらの鞍上は田中勝春騎手を予定している。
◆マツリダデンカ(牡、父ジャングルポケット、母トーセンアモーレ、美浦・国枝栄厩舎)
一族からはセイウンワンダー(朝日杯FS)をはじめ、マルブツサンキスト(小倉記念)、メリッサ(北九州記念)などの重賞ウイナーが出ている。昨年のセレクトセールにおいて2100万円で落札された。12月5日の追い切りには内田博幸騎手が跨がり、古馬との併せ馬を消化。ひと追い毎に時計を詰めており、仕上がりは上々だ。
「この馬も最初の頃は上に浮いちゃうところがあったけど、乗り込むに連れて解消されてきた。能力はありそう」と国枝栄調教師。12月15日、中山の芝1800mを内田博幸騎手で予定している。
同じレースにはミエノワンダー(牡、父グラスワンダー、母トリプレックス)も出走予定。こちらの鞍上は北村宏司騎手を予定している。
◆コスモマートレット(牡、父マイネルラヴ、母シルクスウィフト、美浦・高橋裕厩舎)
この厩舎の2歳世代は3頭がデビュー勝ちしており、スズノネイロが新馬→つわぶき賞を鮮やかな決め手で連勝。最低人気の福島2歳Sで大波乱を演じたディアセルヴィスは今週の朝日杯FSに参戦する。本馬は春に開催されたHBAトレーニングセールの出身だが、じっくりと芯が入ってくるのを待ち、11月に入厩。先週の12月5日には坂路で52.3〜37.4〜23.5〜11.5秒と出色の伸び脚を見せた。
「瞬発力が桁違い。1頭になると集中力を欠くところがあるけど、競馬に行けば大丈夫でしょう。走ると思います」と騎乗予定の松岡正海騎手。12月16日、中山の芝1600mを予定している。
◆ジョーヌドール(牡、父アグネスタキオン、母アビ、美浦・二ノ宮敬宇厩舎)
2008年に変則二冠制覇(NHKマイルC、ダービー)を成し遂げたディープスカイの全弟。昨年のセレクトセールにおいて5000万円で落札された。ゲート試験を合格したのち、暑い時期は無理させずに牧場で調整され、9月に再入厩した。なかなかピリッとして来なかったが、10月中旬からはコース追いで長めからビシビシと乗り込まれている。ひと追い毎に時計を詰め、先週の12月5日にはポリトラックコースで5F63秒前後の速い時計をマーク。ここまで予定を先延ばしにしてきたが、この馬なりに徐々に上向いている。
「ウッドチップでは今ひとつ動き切れないけど、ポリトラックでは動いた。現状では軽い馬場のほうが良さそう」と厩舎サイド。今週の追い切りでは騎乗予定の蛯名正義騎手が感触を確かめる予定。今のところは12月15日、中山の芝1800mを視野に入れている。
◆マイネルオリンポス(牡、父ディープインパクト、母ハナノメガミ、美浦・鹿戸雄一厩舎)
半兄に新馬勝ちを含めて4勝したコーナーストーン、近親に2002年のアルゼンチン共和国杯を勝ち、翌年の天皇賞・春で2着に好走したサンライズジェガーがいる。先週の12月5日には本馬場で古馬のブルームーンピサと併せて軽快な動きを披露。小柄な馬体で仕上がり早のタイプだ。
「牧場では気の悪さを見せていたようだけど、ゲートからの反応も抜群だし、すごくいい動きを見せている。走りそうな雰囲気があるし、初戦から楽しみ」と鹿戸雄一調教師。12月15日、中山の芝1800mをライアン・ムーア騎手で予定している。