この10年の間にウオッカ、ブエナビスタ、ジェンティルドンナと歴史的な名牝が立て続けに誕生。現4歳世代にはハナズゴール、ジョワドヴィーヴルら“予備軍”も控えており、古馬牝馬の層はさらに厚みを増している。
世界に目を向けてもゼニヤッタ、スノーフェアリー、デインドリーム、プライド、ソレミアなど枚挙にいとまがなく、競馬の世界は現在「牝馬の世紀」のド真ん中にいると言っていいのでは。
その反動なのか、国内の3歳牝馬戦線がやけに手薄に映る。27日終了時点で牝馬のオープン馬は27頭。数字の上ではジェンティルドンナを筆頭とした“牝馬最強世代”の昨年(同時期28頭)とそう変わりないのだが、何ともスッキリしない現状を簡潔に言い当てたのが安田調教師。いわく「ディープインパクト産駒で“有力”と言えるのが少ないんですよね」。
まさにこれだ。現4歳世代はジェンティルドンナ、ジョワドヴィーヴル、ヴィルシーナといったディープ産駒が中核を成したが、3歳世代で本賞金1000万円以上を稼いでいるディープ産駒の牝馬は現状1頭だけ。その1頭こそが(こういう文脈だと“手前みそ”のような扱いになって申し訳ないのだが)14日の紅梅S(京都芝外1400メートル)を快勝した安田厩舎のレッドオーヴァルなのだ。
レースを振り返ると、素質馬オツウと人気を分け合う形となり、道中もそのライバルにぴったりマークされる展開。しかし鞍上のルメールは意に介さず4角手前から外を回ってスパートすると、力強い末脚でオツウ(3着)を振り切り、2着に食い込んだメイショウマンボにも3馬身という決定的な差をつけた。道中はおっつけ気味に追走していたように、決して上手に立ち回ったわけではない。それでいてこの完勝劇だ。
「直線は馬場の悪いところを通ったのにあの強い競馬。レースを見てもそうだし、これまで乗ってくれた騎手も『マイルは大丈夫』と言ってくれている。ただ…」。
これ以上まだ注文があるのかと思ったら「さらに距離が持ってくれれば言うことないですね」と安田師はニヤリ。桜花賞だけでなく、すでに樫の舞台(オークス)まで視野に入れているということか。
今後はトライアルを挟んで桜花賞へ。トライアルでクリスチャン・デムーロ、本番でミルコ・デムーロという“兄弟リレー”を予定しており、鞍上の面でも隙はない。現時点で2歳女王ローブティサージュに最も近い存在はこのディープ産駒レッドオーヴァルだろう。
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