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6月の新馬戦は頭数が揃うのか/吉田竜作マル秘週報

  • 2013年05月01日(水) 18時00分
 厩舎の預託頭数の上限が減らされ、2歳馬の入厩を含め各厩舎がその対応に苦慮していることを先週までにお伝えした。

 そもそもなぜ、このようなルールが規定されることになったのか? 関西調教師会の某調教師に直撃すると「こっち(関西)から出た話じゃない」。POGをたしなむ人なら、この言葉だけでピンとくるかもしれない。

 競馬界の「西高東低」の勢力図はもうかなり長く続いている。記者が東京で一ファンとして楽しんでいた時代、例えば91年にトウカイテイオーが中山の若葉Sに参戦した時は「西の秘密兵器がやってきた」という感じで伝えられていたから、この当時はまだ関東馬も互角に渡り合えていたのだろう。

 しかし、その後の東西格差はご存じの通り。POGでは「指名馬はオール関西馬」なんて戦略はもはや当たり前に。一口馬主の世界でも「関東所属というだけで売れ残る」こともあるそうだ。そうした負のスパイラルが続くことで、関東の厩舎には満足に馬が集まらなくなってしまったのだ。

 もちろん、リーディング上位の厩舎はまだ安泰と言えるだけの駒が揃っているが、中〜下位ともなると、馬房数の2倍も馬を確保できない厩舎も少なくない。中には馬房数すら埋められない厩舎さえ出てきて、解散する事態にも…。

 一方で関西はどういうわけか、下位の厩舎でも馬房が空くケースは本当に少ない。引退が近い梅内調教師ですら「2歳馬がようけおるし、馬の入れ替えで頭が痛い」と言うほどだ。預託料の問題ほか、要因は一つではないのだろうが、ハッキリ預託頭数に差がついてしまったのはどうにも動かしようのない事実。

 昨今の経済状況から馬主の数、登録頭数は確実に減っている。新規に馬を集められないとなれば「預託頭数の上限を下げ、そこに入り切らない馬を馬の集まらない厩舎に振り分ける策」(もちろん、建前上は違うのだろうが…)をJRAとしても取るしかなかったのだろう。

 しかし、馬主から見れば、自分の子供のような馬を「どこに預けてもいい」わけがなく、その選択権もオーナー自身にある。果たして、こうしたやり方で根本的な解決となるのかどうか。何より預託制限を厳しくしたことで、2歳馬がなかなか預託契約を結べず、競走馬登録できずにいる現状がある。

 ひと月先から始まる2歳新馬戦までに、レースを成立させられるだけの頭数が集まるのか。「3場開催だし、毎週のように新馬戦もある。これだけの鞍数で馬が揃うのかねえ。まあ、見ものだよね」と某関係者は意地悪く笑う。

 先日、栗東ではツィンクルソード(牡=父デュランダル、母ツィンクルブライド)、シシャモオージ(牡=父タイキシャトル、母テンザンストーム)という松永昌厩舎の2頭がようやく今年初の2歳馬ゲート試験合格1、2号となった。「シシャモはこのあと函館へ。ツィンクルは阪神でデビューじゃないかな」と森助手。果たして、この2頭にどれだけの馬が続いていくのか。気の早い話だが、来年度のクラシックロードは波乱の予感がする。

※本日は『トレセン発秘話』も更新されております。下部のバックナンバーからご覧ください。

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