スマートフォン版へ

早くも坂路を中心に乗り込まれているダイワレジェンド

  • 2013年05月20日(月) 18時00分
 今年の栗東トレセン在厩の2歳馬はやや少なめ。また、デビューするためには必須条件となる「ゲート試験合格」を果たしている馬も少なく、来週から始まる新馬戦で「頭数が揃うかどうか」という懸念すらあるくらい。ただ、入厩している馬の『質』は高く、良血馬も多数。これからゲート試験を目指す馬を含め、現在、栗東に在厩している注目馬をピックアップしてみる。

サトノバリアント

開幕週にデビュー予定のサトノバリアント

シシャモオージ

函館でデビュー予定のシシャモオージ

 まず、筆頭に挙げたいのは、5月1日に栗東へ入厩したレッドリヴェール(栗東・須貝尚介厩舎)。10日でゲート試験に合格したかと思うと、その翌週には坂路で追い切られて、4F56.5〜1F13.3秒。持ったままで併走馬を問題にしない動き。騎乗していた岩田康誠騎手も手応えを掴んでおり、新馬離れしたスケールの大きさを感じさせている。予定しているデビュー戦が6月23日(日)の阪神芝1800mと時間があるため、一旦放牧に出される予定。

 阪神開催最初の新馬戦となる、6月1日(土)の阪神芝1600mでのデビューを予定しているのが、サトノバリアント(栗東・安田隆行厩舎)。2012年セレクトセール1歳では、9200万円という高額で落札されており、半兄に芝中長距離で4勝を挙げたミルドリームがいる血統。入厩から順調に調整は進んでおり、仕上がりは栗東在厩馬でトップクラス。やや小柄だが、スピードはありそう。なお、鞍上は岩田康誠騎手が予定されている。

 馬名がユニークなシシャモオージ(栗東・松永昌博厩舎)だが、追い切りの動きは目立っている。5月16日の坂路で武豊騎手が跨ったウインバリアシオンの半弟、ダンスールクレールと併せたが、その動きには終始余裕があった。これには「動きは良かったよね。(管理馬だった)メイショウボンハオがダート短距離で活躍したことを思うと、血統的には短いところだと思いますが、早い時期から活躍してくれそうですね」と松永昌博調教師も笑顔。6月15日(土)の函館芝1200mでのデビューを予定しており、5月下旬には函館競馬場へ移動。鞍上はゲート試験、追い切りにも跨っている松田大作騎手が予定されている。

母ソブストーリー

ゆったりした馬体が印象的な母ソブストーリー

タガノベルーガ

ラストインパクトの半妹タガノベルーガ

 ゲート試験合格へ向けて調整を続けている馬も多数いるが、その中で取り上げておきたいのは、母ソブストーリー(栗東・佐々木晶三厩舎、予定馬名:ライトニングロアー)。栗東へ入厩して、まだ日は浅いが、大山ヒルズでの調教も進んでいたということで、万全を期しての入厩。すでにゲートを通すなどの練習はこなしており、現時点では、環境の変化にもしっかり対応できている。ゆったりした馬体が印象的で、これからもっと成長の余地がありそう。こちらは、順調なら、6月23日(日)の阪神芝1800mでデビューという運びになりそう。

 京都芝2000mで新馬勝ちし、先日の青葉賞では3着だったラストインパクトの半妹、タガノベルーガ(栗東・宮徹厩舎)も、すでに栗東へ入厩済み。先週は坂路やCWでのキャンターを積極的にこなしており、順調に調教を消化。他にも、良血馬が多数在厩しているので、来週からは「今週のデビュー馬情報」として、じっくりとご紹介していきたい。

【美浦】
◆アピシウス(牡、父スペシャルウィーク、母プレシャスラバー、美浦・藤沢和雄厩舎)
 昨夏のセレクトセールにて2100万円で落札された。現役で活躍中の全兄ナリタクリスタルは重賞を3勝している。5月16日にデルカイザー(牡、父キングカメハメハ、母シェリール)と共にゲート試験を受け、難なく一発合格を決めた。これから調教のピッチを上げ、臨戦態勢を整えていく。「馬の格好がいいし、この時期にしてはしっかりしている。いい雰囲気をしているし、性格も素直そう」と藤沢和雄調教師。デビュー戦は6月9日、東京の芝1800mを視野に入れている。

◆ウインマーレライ(牡、父マツリダゴッホ、母コスモチェーロ、美浦・高木登厩舎)
 現役で活躍中の半姉マイネヒメルは3勝している。5月10日にゲート試験を合格。15日にはウッドチップコースで初時計を出し、古馬を相手に先着した。まだ物見をするなど随所に幼さを見せているが、19日にも坂路で4F53秒台をマーク。ここまで乗り込みは順調だ。「大トビで長めの距離が良さそう。切れるというより、持続的に脚を使えそうなタイプです」と高木登調教師。こちらも6月9日、東京の芝1800mを丹内祐次騎手で予定している。

◆ダイワレジェンド(牝、父キングカメハメハ、母ダイワスカーレット美浦・国枝栄厩舎)
 母はGI・4勝の名牝。母と同じ栗毛で馬っぷりの良さは目につく。坂路を中心としたメニューで乗り込まれ、5月16日にゲート試験をクリアした。「まだまだのところもあるけど、これだけの血統馬で走りそうな雰囲気はある。デビュー戦の番組は決めつけず、ある程度の態勢が整ってきたところで慎重に検討したい」と国枝栄調教師。早ければ3回東京開催のうちにデビューする可能性もありそうだ。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

栗東担当:井内利彰 「競馬予想TV!」に出演中の調教捜査官。調教主体や厩舎取材の予想を提供中。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」など。

美浦担当:竹之内元 大学に通うため、東京競馬場から徒歩3分のアパートに住んだことで転落人生を歩み出した38歳ライター。POGでは中山大障害勝ちのメルシータカオー指名が自慢。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング