日本ダービーの翌週、2013年の2歳新馬戦がスタートした。東京の2鞍が13、12頭立てだったのに対し、阪神の2鞍は5、7頭立てとレース成立すら危ぶまれた少頭数。当コラムを読んでくださっている方はお分かりだろうが、この事態は「預託頭数制限の強化」が栗東のキュウ舎運営を直撃したことで引き起こされたと言っても過言ではない。
週中の想定段階では新馬戦の頭数が5頭割れしている状況だったため、「言った通りになったでしょ。レースは成立するの?」という声をかけてくるキュウ舎関係者は1人や2人どころではなかった。
「企業努力をせよ」の大号令に従って、預託頭数制限いっぱいに馬を集め、好成績を挙げたら「やっぱりキュウ舎メリット制はダメ」。さらには「預託頭数の上限も最大馬房数の3倍から2・5倍まで下げる」では、今までの経営努力は何なのかとなるのは至極まっとうな流れ。努力をあっさり無にするやり方に不満を覚える関係者は少なくない。あくまで噂話のレベルだが、関西のキュウ舎の中には1歳、当歳の段階で「お断り」をするところもあると聞く。その理由が「競馬会への抗議」というのだから本当だとすればシャレにならない。
東西均衡は競馬を盛り上げるための必須条件とはいえ、あくまでそれぞれの努力によってなされるべきもの。先週の新馬戦の出走頭数を見れば、今回の施策の“効果”は一目瞭然だが、「胴元」のさじ加減でこうした事態を招いてもいいものなのか?
とはいえ、さすがにダービーが終わったことで、栗東の各キュウ舎も少しずつ2歳へと馬房が明け渡されつつある。期待馬の動向をいち早くお伝えする当コラムの本分にそろそろ戻ろう。
今春の皐月賞、ダービーでいずれも6着と健闘した福島キュウ舎のテイエムイナズマが北海道に放牧へ出され、入れ代わりで入ってきたのは2歳馬。それもテイエムイナズマの半弟(父タイキシャトル、母クラスター)だ。
最初に馬房をのぞいた時は「微妙に違う気もするけど、ずっとカイバおけに顔を突っ込んでいるところなんかは、ひょっとして(テイエム)イナズマが戻ってきた?」と担当の花田助手に聞いたほど、兄によく似ている。
「500キロくらいある」(福島調教師)という馬体は迫力満点。このあたりも兄と同じだ。もっとも、まだ入キュウしたばかりのお子様。初日のトレーニングを終えて話を聞くと「まだまだ緩いですね。入キュウ直後の時点で比べれば、やっぱりお兄さんの方がしっかりしていたかな。大きい馬なのでこれから乗り込んでいけば変わってくると思うけど…」と花田助手。
一方で福島調教師は意外なほど楽観的で、「牧場とトレセンでは運動量にしても、負荷のかけ方にしてもまるで違うから。こっちでやっていけばガラッと変わっていくさ。この馬体に実が入ったら、“モンスター”になるかもよ(笑い)」。
馬名はそのあたりを意識しているのか、「テイエムモンスター」で登録予定。果たして兄を超える走りを見せられるか。今後の成長に注目してほしい。
※本日は『トレセン発秘話』も更新されております。下部のバックナンバーからご覧ください。
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