【栗東】
◆ワンダフルワールド(牡、父タイキシャトル、母キャットアリ、栗東・高橋義忠厩舎)
半兄は今年の青葉賞を勝ったヒラボクディープで、2013年JRAブリーズアップセールでは、セールで2番目に高額な2900万円で落札されている。この中間は坂路で4F58秒前後の時計を出し、本格的な追い切りはCWコースで行うというスタイル。1週前には、レースでの騎乗を予定している川田将雅騎手が跨って、古馬500万下との併せ馬。追われてからは、相手が優勢な手応えだったが、こちらが新馬ということを考えれば、ほぼ互角。6F85.0〜1F12.9秒の時計は特筆するほどのものではないが、時計はまだまだ詰めることができそう。6月16日(日)阪神芝1400mでデビューする予定となっている。
◆エイシンソルティー(牝、父Tapit、母Eightyfivebroadst、栗東・西園正都厩舎)
オーナーも期待しているエイシンソルティー
入厩以前から「珍しい白タピット(父と同じ芦毛)ということで、オーナーは競走馬としてだけでなく、後々は繁殖牝馬としても、大きな期待をかけている一頭。また、それだけの素質がある馬だと思います」と西園正都調教師がコメントしていた期待馬。
5月30日のCW追い切りでは、レースで騎乗予定の福永祐一騎手が跨って、好感触を得たようだが、6月6日のCW追い切りでは、併せたグレイスフルデイズに遅れ。ただ、追走していたことや、相手の鞍上には酒井学騎手が跨っていた点を考慮すると、許容範囲の遅れ。時計は6F84.5秒と新馬としての水準はあるだけに、最終追い切りでどの程度動いてくるかといった感じ。6月15日(土)阪神ダート1200mでのデビューを予定。
◆グランシェリー(牝、父アルデバランII、母エポックサクラ、栗東・庄野靖志厩舎)
2歳新馬では、抜けて動いているグランシェリー
近親にダートで4勝、芝で1勝を挙げたベルエポックがいる血統。2013年JRAブリーズアップセールでは680万円で落札されている。
血統、セリ価格から、大きな注目を浴びる存在ではなかったが、その状況が一変したのが、6月5日の坂路での追い切り。「ジョッキー(浜中俊騎手)に感触を確かめてもらう意味でも、跨ってもらいましたが、最後まで余裕のある動き。ジョッキーに時計を伝えると『そんなに出ていました?』と驚いていたくらいなので、あまり速さを感じないんでしょうね」と庄野靖志調教師。時計は4F53.0〜1F12.3秒で、現在、栗東に在厩している2歳新馬では、抜けて追い切りで動いている。デビュー戦に予定されている、6月15日(土)阪神ダート1200mでどんな走りを見せてくれるか楽しみ。なお、鞍上は浜中俊騎手。
◆シュヴァリエ(牝、父フレンチデピュティ、母タニノカリス、栗東・山内研二厩舎)
半兄に芝中長距離で4勝を挙げているタニノエポレット、近親にNHKマイルC、日本ダービーを勝ったタニノギムレットがいる血統。
本馬は4月18日に宇治田原優駿Sから栗東へ入厩。5月22日には、坂路で新馬ヤマニンアリエッタと併せ馬を行っているが、追走していたにも関わらず、相手を3馬身ほど突き放して先着。4F54.0秒という時計も新馬としては、水準以上の数字をマークしている。6月に入ってから、函館競馬場へ移動しており、6月15日(土)函館芝1000mか6月16日(日)函館芝1200mでデビューする予定。
【美浦】
◆シャークベイ(牡、父フジキセキ、母ワイルドフラワー、美浦・尾関知人厩舎)
母は新馬勝ちを含め、短距離で4勝。5歳上の半兄ダノンファントムは芝1800mで新馬勝ち。4歳上の半姉スイートエスケープは短距離で3勝した。5月30日に坂路で4F52秒1をマーク。6月6日には初めてウッドチップで速めを乗られ、年長馬2頭の真ん中に入れて負荷をかけた。まだ緩さを残すが、水準以上の動きを見せている。「少しモタれるところがあるけど、それ以外は乗りやすいタイプ。走りそうな雰囲気はあるし、稽古どおりに動けば初戦から楽しみ。まだ脚元が固まっていないので最初はダートから使っていくけど、しっかりしてくれば芝にも対応できると思います」と尾関知人調教師。6月15日、東京のダート1400mを内田博幸騎手で予定している。
◆デルカイザー(牡、父キングカメハメハ、母シェリール、美浦・藤沢和雄厩舎)
3歳上の半兄ムスカテールは今年の目黒記念を制した。6月5日には坂路でレッドウォーリア、レッドレギオンを追走する態勢から仕掛け気味に追われ、4F54秒2をマークした。「ちょうどいい追い切りができた。若い馬なので張り切り過ぎないように乗っているけど、牧場でも順調に乗り込んできたし、ひと追い毎に良くなっている」と藤沢和雄調教師。デビュー戦は6月16日、東京の芝1600mを検討している。今週の動き次第で次週以降に延ばす可能性も…。
◆マイネルガヴァナー(牡、父サウスヴィグラス、母レースミストレス、美浦・矢野英一厩舎)
近親に重賞2勝のナムラマース、ダートで5勝したエアティアーモがいる。6月5日はウッドチップで追われ、半マイルから時計を出した。「牧場でも乗り込んできたし、すごく雰囲気がいいですね。血統的にはダート向きだけど、非常に柔らかい身のこなしで芝にも対応できそうな感じがある」と矢野英一調教師。6月15日、東京のダート1400mを柴田大知騎手で予定している。
◆リターンラルク(牡、父ディープインパクト、母リターンキャスト、美浦・大竹正博厩舎)
7歳上の半兄オーシャンエイプスは新馬戦を8馬身差で圧勝した素質馬。おじにセントウルSを連覇した他、オープン特別を4勝したゴールデンキャストがいる。6月6日はウッドチップで5Fから速めのところを乗られ、古馬を相手に軽快なフットワークを見せた。「まだまだ馬は幼いけど、柔らかくて上質のバネがありそう。気持ちが勝っているし、初戦から動けると思います」と大竹正博調教師。6月16日、東京の芝1600mを戸崎圭太騎手で予定している。