【栗東】
◆トラディション(牝、父ゴールドアリュール、母シネマスコープ、栗東・安田隆行厩舎)
鞍上武豊でデビューのトラディション
半兄トランセンドは2010年、2011年とJCダートを連覇。ダートG1で4勝を挙げ、2011年ドバイWCでは2着、現在はアロースタッドで種牡馬になっている。そんな兄との比較では「トランセンドは芝でも走れそうな雰囲気がありましたし、実際に新馬戦(京都芝1800m)では2着でした。ただ、この馬は父がゴールドアリュールということもあって、かなりダート適性が高そうですね」と安田隆行調教師。6月26日の坂路では、3歳未勝利と併せて同入だったが、その時計は4F53.8〜1F12.4秒とかなり速い。早い時期にゲート試験に合格し、7月6日(土)中京ダート1400mのデビュー戦を目標に順調に乗り込まれており、初戦から楽しみな仕上がり。なお、鞍上は武豊騎手を予定している。
◆ファイヤーロック(牡、父キングカメハメハ、母ディアマンブルー、栗東・村山明厩舎)
追い切りでは古馬に先着したファイヤーロック
近親に1996年報知杯4歳牝馬特別(現報知杯フィリーズレビュー)を勝ったリトルオードリーや2007年弥生賞2着のココナッツパンチなどがいる血統。本馬は4月26日にノーザンFしがらきより入厩。坂路で順調に調教を積み重ねており、6月27日にはレースでも騎乗予定の川田将雅騎手が跨って坂路での追い切り。古馬ドリームチャージを追走して先着する動きを見せており、時計は4F54.7〜1F12.6秒。「追い切りの動きは合格点。あとは競馬にいって動けるかどうかですね」と村山明調教師。デビュー戦は7月7日(日)中京芝1400mが予定されている。
◆アームストロング(牡、父Bluegrass Cat、母ケープコーラル、栗東・須貝尚介厩舎)
ダート適性が高そうなアームストロング
近親にダートで5勝を挙げたタガノインディーがいる血統だが、本馬について「父がBluegrass Catなので、血統的にもダート適性が高いと思いますし、動きを見ていても、ダート向きですね」と須貝尚介調教師。6月26日の坂路では、レースで騎乗予定の福永祐一騎手が跨って、新馬ウッドフォードとの併せ馬。こちらが3馬身近く追走したが、ゴールでは2馬身以上先着。時計は4F57.3〜1F13.2秒と目立って速くないが、動きには余裕があった。「中間もさほど速い時計は出ていませんが、目一杯に追っていないだけで、スピードは十分にありますよ」と同師。予定している、7月6日(土)中京ダート1400mには、この番組を目標にしているダート適性の高い素質馬が多数集まりそうだが、本馬もその中心的存在になるだろう。
◆ウインボナンザ(牡、父コンデュイット、母コスモフォーチュン、栗東・宮徹厩舎)
母は同厩舎で管理されて、2006年北九州記念を優勝。半姉マイネボヌールも同厩舎で管理され、芝で2勝を挙げている、厩舎ゆかりの血統。本馬は函館競馬場で調整を進めており、7月7日(日)函館芝1800mでのデビューを予定。6月27日にレースでも騎乗予定の松岡正海騎手が跨って、芝コースで追い切り。併せた相手に少し遅れて、5F69.7〜1F12.3秒という時計だったが「少し反応が鈍かった分、遅れたようですね。この追い切りで変わってくるでしょうし、初戦から楽しみですよ」と宮徹調教師。育成時代に坂路で速い時計を出して、POGでも注目を集めている一頭だけに、どのような走りを見せてくれるか楽しみ。
【美浦】
◆シャドウカラーズ(牝、父キングカメハメハ、母シャドウストリーム、美浦・田中剛厩舎)
祖母のケイウーマンはG3・京都4歳特別の勝ち馬。伯父にモンテクリスエス(ダイヤモンドS)、マチカネキララ(札幌記念3着)がいる。函館競馬場に入厩して以来、ひと追い毎に反応が良化。26日は既走馬を相手に優勢の手応えで先着と上々の動きを見せた。「牧場(社台ファーム)でも順調に乗り込んできたし、キンカメの子で期待している1頭。先々は距離を延ばしていけそうなタイプだし、初戦から楽しみにしています」と田中剛調教師。7月6日、函館の芝1200mを村田一誠騎手で予定している。
◆セイウンクロス(牡、父アグネスデジタル、母レガシーラベンダー、美浦・武藤善則厩舎)
今春のHBAトレーニングセールに上場され、1575万円(税込)で取り引きされた。祖母のレガシーフィールドはG3・阪急杯を勝っており、従兄弟に現オープンのキョウエイストームがいる。6月23日に坂路で4F51.4秒をマーク。先週の26日には内田博幸騎手が跨がり、4F53.2秒-38.6-11.9秒とシャープな動きを見せた。「トレーニングセールの出身で仕上がりは順調。二の脚が速そうなタイプだし、初戦から楽しみ」と武藤善則調教師。7月7日、福島の芝1200mを予定している。
◆ボーノボーノ(牝、父ハーツクライ、母ゲストアスリート、美浦・水野貴広厩舎)
母系を遡ると一族からは高松宮記念を制したサニングデールが出ている。入厩後は僚馬のトミケンムートス(牡、父メイショウボーラー、母トップロンシャン)と調教パートナーを組み、順調に追い切りの本数を重ねてきた。「芝向きの走りで動きはまずまずといったところ。前向きな性格でゲートのセンスが良さそうだし、小回りの福島でもスッと前に行けるタイプだと思う」と水野貴広調教師。7月7日、福島の芝1200mを田中勝春騎手で予定している。
◆ロサギガンティア(牡、父フジキセキ、母ターフローズ、美浦・藤沢和雄厩舎)
先週(6月30日)の福島戦を除外されたため、デビュー戦の舞台を函館に切り替えた。500キロを越す馬格があり、ここ2週の追い切りでは余力十分の手応えで動いている。「じっくりと長めを乗り込んできたし、ひと追い毎に気持ちが乗ってきた。いい馬だし、初戦から動けるんじゃないかな」と藤沢和雄調教師。7月7日、函館の芝1800mを予定している。