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近親カネツフルーヴのパラディドルが小倉でデビュー

  • 2013年08月12日(月) 18時00分
【栗東】
◆エイシンキサナドゥ(牡、父Distorted Humor、母River's Prayer、栗東・野中賢二厩舎)
 日本で活躍するDistorted Humor産駒といえば、JRA在籍時にダートで5勝を挙げたエーシンクールディや芝で2勝、ダートで2勝を挙げたドローアウターなど、比較的、ダート戦での勝ち鞍が多いが、本馬に関しては、決してダートに適性が高いという感じはない。
 むしろ「スピード能力が相当高い」と野中賢二調教師で、芝向きの素軽い動きを見せている。7月31日の坂路では、4F51.9秒と2歳新馬としてはトップレベルの時計をマークしているが「無理しないでやったので、やれば、51秒は楽に切りそう」と同師。8月7日はCWで松山弘平騎手(レースでは浜中俊騎手が騎乗)が跨り、1秒以上後方から3歳馬を追走したにも関わらず、最後は追いついて先着。6F83.0〜1F11.9秒は全体時計、終い時計ともに優秀。調教馬場問わずに動けているあたり、センスの良さを感じるし、デビュー予定は8月17日(土)小倉芝1200mだが、今後はマイルの距離にも対応してくれそう。

◆エクストレミティー(牡、父ハーツクライ、母エクソセット、栗東・梅田智之厩舎)
父ハーツクライのエクストレミティー

父ハーツクライのエクストレミティー

 近親に新馬、500万下と連勝し、アドマイヤコジーンが勝った1998年朝日杯3歳S(現朝日杯FS)で3着したバイオマスターがいる血統。2012年セレクトセール1歳にて、2100万円で落札されている。
 本馬は坂路とCWを併用して調整されており、8月8日は浜中俊騎手が跨って、CWでの追い切り。古馬1600万下のエドノヤマトを追走する内容で、直線では追いつくのがやっと。相手の手応えがかなり優勢だったが、仕方のないところだろう。6F87.1〜1F12.4秒と数字的には目立たない時計だが、中身を評価したい。8月18日(日)小倉芝1800mでデビューする予定となっている。

◆ウインフルブルーム(牡、父スペシャルウィーク、母ハナノメガミ、栗東・宮本博厩舎)
 半兄コーナーストーンは中山芝1600mで新馬勝ちし、その後、芝で3勝を挙げている。近親には、2002年アルゼンチン共和国杯を勝ったサンライズジェガーなどがいる血統。
 本馬は8月4日の小倉芝1800mに出馬投票して除外。その後、同じ条件の8月18日(日)小倉芝1800m(騎手は柴田大知騎手を予定)までデビューを延期。「1200mにも対応できそうな気性ですから、初戦向き」と宮本博調教師。

 また、同じレースには、ディープスカイ産駒のアーブルも出走を予定(騎手は小牧太騎手を予定)。「こちらは気がのんびりしているタイプですが、徐々に良くなってきています。ゲートの出が良くて、センスがありますね」と同師。最終追い切りは坂路で2頭の併せ馬が行われる予定となっている。

◆パラディドル(牝、父キングカメハメハ、母ヤマノボンディール、栗東・坂口正則厩舎)
パラディドルは小倉で最終追いを行う

パラディドルは小倉で最終追いを行う

 近親に2003年川崎記念を勝ったカネツフルーヴ、2001年JBCクラシックを勝ったレギュラーメンバー、2001年朝日CCを勝ったイブキガバメントなどがいる血統。
 本馬は8/1に坂路で4F53.5〜1F13.3秒の時計で古馬1000万下に先着、8/8は坂路で4F53.3〜1F12.7秒と新馬としては水準以上の時計をマークしているが「本来はもう少し動けると思いますよ」と坂口正則調教師のジャッジは辛口。血統的背景から、評価が厳しくなるのは当然かも知れないが、現状の仕上がりでも十分に勝ち負けできそう。8/18(日)小倉芝1200m(牝)を太宰啓介騎手でデビューする予定だが、すでに小倉競馬場へ移動しており、最終追い切りは現地で行う予定。

【美浦】
◆キュリオスティー(牝、父ディープインパクト、母キュー、美浦・戸田博文厩舎)
 先週の更新でも紹介したが、抽選で除外の憂き目に…。7日に行われた追い切りにはレースでも騎乗予定の福永祐一騎手が騎乗。「まだウッドチップでは体を上手に使い切れない感じだけど、芝向きの軽いフットワーク。お兄ちゃんのエネアドに比べると性格も素直だし、いいモノを持っていると思う」と素質を感じ取った様子。8月17日、新潟の芝1400mで仕切り直しの初陣を迎える。

◆レッドリベリオン(牡、父ステイゴールド、母ハトシェプスト、美浦・戸田博文厩舎)
 トワイニング産駒の母は未勝利だが、一族にメジロドーベルがいる名牝系。8日の追い切りは本馬場(芝)で軽快な動きを見せ、楽な手応えで好時計をマークした。「少し体を持て余しているようなところがあったけど、ひと追い毎に締まってきた。だいぶピリッとしてきたし、動きもしっかりとしています」と戸田博文調教師。8月18日、新潟の芝1800mを吉田豊騎手で予定している。

◆メイソヴリン(牝、父スウェプトオーヴァーボード、母プレシャスライフ、美浦・松山康久厩舎)
 今年5月の千葉サラブレッドセールにて1100万円で落札された。半姉にオープン勝ち(クロッカスS)のシーブリーズライフ、いとこにトレンドハンター(フラワーC)、スティールパス(スパーキングレディーC)、一族からはスプリントGI2勝のビリーヴなども出ている。2週前のダート1200mを除外され、今週の芝1200mに目標を切り替えた。「いい動きを見せてくれているし、気性も前向き。血統的にも新馬向きのタイプだと思う」と松山康久調教師。8月17日、新潟の芝1200mを松岡正海騎手で予定している。

◆ライアンセンス(牡、父ジャングルポケット、母メジロルルド、美浦・田村康仁厩舎)
 昨年のセレクトセールにて2400万円で落札された。メジロドーベルの孫にあたり、母系の底力は魅力だ。「500キロを越す大型馬だけど、ジャンポケ産駒らしく背中がゆったりとした体形。血統的には長めの距離が良さそう。性格もいいし、初戦から楽しみにしています」と田村康仁調教師。8月18日、新潟の芝1800mを石橋脩騎手で予定している。

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栗東担当:井内利彰 「競馬予想TV!」に出演中の調教捜査官。調教主体や厩舎取材の予想を提供中。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」など。

美浦担当:竹之内元 大学に通うため、東京競馬場から徒歩3分のアパートに住んだことで転落人生を歩み出した38歳ライター。POGでは中山大障害勝ちのメルシータカオー指名が自慢。

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