【栗東】
◆エイシンアロンジー(牡、父Sea the Stars、母Ice Mint、栗東・西園正都厩舎厩舎)
京都芝2000mでデビュー戦予定のエイシンアロンジー
2009年凱旋門賞を制した父Sea The Starsの知名度に加えて、各POGメディアでも取り上げられていた注目馬。すでに一度栗東へ入厩し、ゲート試験にも合格しているが「成長を促すため」(西園正都調教師)ということで、一旦放牧に出されていた。
帰厩してから、最初のCWコースでの追い切りはさほど目立つ動きではなかったが、10月2日のCW追い切りでは、道中から速いラップで駆け抜けて、6F80.0-1F12.8秒と、新馬では高水準の時計をマーク。騎乗していた田中克典調教助手は「まだ緩さはありますが、追うごとに良くなっていますね」と感触をコメント。10月13日(日)京都芝2000mのデビュー戦に向けて、態勢は整ってきた。なお、鞍上は内田博幸騎手を予定。
◆サウンズオブアース(牡、父ネオユニヴァース、母ファーストバイオリン、栗東・藤岡健一厩舎)
半兄はブルーグラスS(米G1)を勝っているDominican。夏前に栗東へ入厩し、ゲート試験を受けてから一旦放牧に出されているが、アクシデントがあったというわけではなく、馬が良くなる秋を待つという意味合いでの小休止だった。
10月2日にCWコースで新馬オールドバルディーとの併せ馬を行って先着。時計は6F88.0秒と少し遅かったが、追われてから沈むようなフットワークは印象的。その動きについて藤岡健一調教師は「これくらいは動ける馬。もっともっと良くなる」とまだまだ物足りない様子だが、厳しい評価は期待の裏返し。最終追い切りでは、更に良い動きを見せてくれるのではないだろうか。デビュー戦は素質馬が揃う、10月13日(日)京都芝2000mを福永祐一騎手で予定している。
◆アルテ(牡、父マツリダゴッホ、母ダイヤモンドクイン、栗東・北出成人厩舎)
ダート中距離で2勝を挙げているダークブレイズ(父ロージズインメイ)が半兄にいるが、近親には安田記念、スプリンターズSを勝ったダイイチルビーがいる血統。母系にはスピードの裏付けもある。
9月25日の坂路での追い切りは、新馬ファシーノと併せて先着。4F53.3-1F12.1秒と終いの脚がしっかりしており「終いは追えば11秒台が出ていた」と北出成人調教師。10月2日のCWコースでの追い切りは、逆にファシーノに遅れてしまったが、6F83.5秒と時計は遅くない。坂路での動きから、スピード能力が高いことは間違いないので、10月12日(土)京都芝1600mでのデビュー戦が楽しみ。鞍上は松田大作騎手を予定。
なお、ファシーノは10月13日(日)京都芝2000mを幸英明騎手でデビューする予定となっている。
◆キタサンウンゲツ(牡、父ゴールドアリュール、母キタサンオウシャン、栗東・橋口弘次郎厩舎)
小牧太騎手でデビュー予定のキタサンウンゲツ
近親に芝中距離で3勝を挙げたキタサンチーフがいる血統だが「520キロくらいの大型馬で、体型はダート向き」と橋口弘次郎調教師。
大型馬だが、追い切りの動きは軽快。9月25日の坂路で4F52.9秒をマークしたかと思えば、10月3日の坂路では、4F52.5秒と更に時計を縮めてきた。25日よりも手応えに余裕があったことを思えば、週を追うごとに動きが良化していると判断したい。デビュー戦は10月13日(日)京都ダート1800m、小牧太騎手で予定されている。
【美浦】
◆ウラレナ(牡、父キングカメハメハ、母ソルティビッド、美浦・国枝栄厩舎)
牝馬3冠を含むGI5勝の輝かしい実績を残したアパパネの全弟。当初は開幕週の芝1800mを視野に入れていたが、万全を期す意味で予定を延ばした。先週の10月2日にはデビュー戦2着のダイワレジェンドと併せ、重馬場の坂路で4F52.2の自己ベストをマーク。ひと追い毎に気配が良くなっており、陣営のトーンも上がってきている。「当然、1週待って追い切りの本数を積めたことはプラスになるだろうね。全きょうだいということもあるだろうけど、筋肉質の体つきなんかはアパパネに似ている感じ。大きいわりに芝向きのイメージがあるし、この馬も走ってくると思うよ」と国枝栄調教師。10月14日、東京の芝1600mを蛯名正義騎手で予定している。
◆ノーステラス(牝、父ネオユニヴァース、母プライムナンバー、美浦・国枝栄厩舎)
サクラバクシンオー産駒の半兄インテグラルヘッドは芝1200mで2勝した他、函館2歳S5着などの戦歴。豪州産の祖母はニュージーランドを主戦場に重賞3勝、GIでも2着7回の実績がある。ゲート試験では1F11秒台の加速力を見せており、どちらかというとスピードタイプの印象だ。「ネオユニヴァース産駒の牝馬で気性的にカッとなりやすいところがあるけど、普段は落ち着いている。よく言えば気持ちが前向きだし、初戦から動けるんじゃないかな」と国枝栄調教師。こちらは10月13日、東京の芝1400m(牝馬)を三浦皇成騎手で予定している。
国枝厩舎からはハートオブクラリス(牝、父ディープインパクト、母クライム)も同じレースを後藤浩輝騎手で予定している。
◆テスタメント(牡、父ディープインパクト、母ブラックエンブレム、美浦・小島茂之厩舎)
ウォーエンブレム産駒の母は秋華賞の勝ち馬。本馬が初仔になる。春に入厩した当初は6月の東京でデビューするプランもあったが、骨瘤が出たことから牧場に戻され、じっくりと成長を促した。秋に再入厩してからは順調。モヤで動きを確認できなかったが、先週の10月3日にはポリトラックで追い切りを消化した。「もう少し力強さが出てくれば理想的だけど、いいバネをしている。ディープインパクト産駒らしい軽さがあるし、調教ではコントロールも利く。まだ何とも言えないところだけど、持っている能力は相当に高いと思っています」と松岡正海騎手。10月12日、東京の芝2000mを予定している。
僚馬のカクテルハット(牝、父サクラバクシンオー、母シャルロットノアル)は翌日の10月13日、東京の芝1400mを北村宏司騎手で予定している。
◆ヌーヴォレコルト(牝、父ハーツクライ、母オメガスピリット、美浦・斎藤誠厩舎)
母の半妹にオープン特別のエルフィンSを勝っており、ファンタジーS2着、チューリップ賞2着、阪神3歳牝馬S3着など活躍したゴッドインチーフがいる。先週の10月2日には大きく先行させた相手を問題にせず、楽な雰囲気で抜け出す瞬発力を発揮。ここに来て雰囲気は急上昇している。「牝馬らしい前向きさがあるし、仕上がりも早そうな感じ。この雰囲気なら初戦から動けそうだし、楽しみですね」と鈴木調教助手。10月13日、東京の芝1400m(牝馬)を田辺裕信騎手で予定している。