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弥生賞を快勝したカデナに上積みはあるのか…皐月賞最終追い切りチェック

  • 2017年04月12日(水) 18時00分


不安ない状態で大一番を迎えることができそうなペルシアンナイト

 明日のトレセンニュースにも記すつもりですが、今朝12日の栗東坂路は相当に時計が出ない馬場。3月末から始まったウッドチップの入れ替え作業が終了し、新しく時計が出にくいウッドチップになったことに加え、栗東は11日にかなりの雨が降りました。先週末から降った雨の影響もあり、チップが乾くことなく、たっぷりと水分を含んでいます。これが時計を要する原因でしょう。

 前半で少しスピードを出したり、3F目あたりで一気に加速すると、ゴール前はもうフラフラ。そんな追い切りばかりを見ていると、トレセンニュースでも取り上げたファンディーナの動きは「このパワーなら、牝馬でも皐月賞に出したくなるよな」という動き。スワーヴリチャードに関しても、トレセンニュースで取り上げましたが、皐月賞の最終追い切りはみな素晴らしい動きを見せていたと思います。それだけに印をどうやって打つべきか、最後まで悩みに悩むことになりそうです。

【皐月賞/カデナ】

 前走弥生賞での仕上がり状態に関しては、今でも70、80%程度だったと思っています。それでも勝ったのだから、今回100%ならもっと走るという考え方が普通かも知れません。ただ、前走はスローペースだったから、あの仕上がりでも好走したというのが個人的な判断です。

 この中間に関しては、2週前追い切りの時点で前回と全く違う感触を受けています。明らかに追い切りでの走りに躍動感があって、タメが利いた走りだと思います。1週前追い切りは全体時計が速くなった分、最後は止まりましたが、しっかりやれたという意味では評価できます。そして、最終追い切りは1回目のハロー終了後という時間帯を選択しての追い切り。走りやすい時間だったとはいえ、4F目が最速になるラップを踏むことができたのは、高く評価すべきでしょう。あとは前走とは違う流れになった時に対応できるかどうか。それだけです。

カデナ(4月12日撮影)

中間は躍動感があって、タメが利いた走りをしたカデナ(4月12日撮影)



【皐月賞/ペルシアンナイト】

 アイビーSでの走りを東京競馬場で見た時に「この馬強いなあ」と思っていましたが、やはりG1に駒を進めてきました。当時は折り合いに難しいところがある印象でしたが、前走あたりを見ても、スムーズにレースの流れに乗っています。それでいて、最後の脚はしっかりしているのですから、走るたびに成長しているといってもよいでしょう。

 この中間は中6週にもかかわらず、栗東に在厩での調整。その分、坂路とCWを併用して、追い切り本数多く仕上げることができました。普段の仕草を見ていると、少し気持ちが乗りすぎている印象もありますが、いざ走り出すとそのようなことはありません。最終追い切りでもM.デムーロ騎手ときっちりコンタクトがとれた走り。シンザン記念で雨馬場を経験、アイビーSで関東圏輸送を経験など、調教以外の部分でも不安ない状態で大一番を迎えることができそうです。

ペルシアンナイト(4月12日撮影)

不安ない状態で大一番を迎えることができそうなペルシアンナイト(写真右・4月12日撮影)



【皐月賞/アルアイン】

 前走毎日杯は休み明けということで、追い切り本数が少ない状態。それでもきっちり結果を残せたのは、中2週で中山競馬場までの輸送がある今回へ向けて、大きな意味を持ったと思います。きっと前走でしっかりとつくってしまっていれば、今回はあまり強い追い切りを課すことができなかったはず。

 しかし、4月9日に坂路4F55.8秒と時計を出し、最終追い切りはCWで6Fからの追い切り。向正面で少し行きたがるところを見せていたものの、なだめられるとラップが遅くなってもきっちり対応できていました。最後はソーグリッタリングをきっちり交わしての先着。前走よりも状態をアップさせていることは間違いありません。

アルアイン(4月12日撮影)

前走よりも状態をアップさせていることは間違いないアルアイン(4月12日撮影)



【皐月賞/アダムバローズ】

 レースラップが全体として平均的に流れ、自身が先行集団にいれば、きっちりと勝ち負けできるところを証明した前走のレース内容。中7週とレース間隔があいていた前走でしたが、追い切り本数は多く、仕上がり状態に関しては、ほぼ100%だったと思われます。それだけに今回に向けての上積みはどうだろうと思っているのが正直なところ。

 ただ、1週前追い切りではCWで6F時計の自己ベストを更新。追い切り本数もきっちり本数多くこなしています。最終追い切りは馬場が悪かったことも考慮したのか、6F時計は遅くなりましたが、ラスト1Fは鋭い伸び。自分のポジションで競馬ができれば、京成杯のようなことはないはず。

【皐月賞/マイスタイル】

 こぶし賞で先行したこともあり、弥生賞ではハナを切ることもイメージしていましたが、その通りのレースぶりで2着確保。ゴール直前では押し切りそうなところまでありました。その後は中5週ですが、2週前からCWでの併せ馬を敢行。すべてトップディーヴォとの併せ馬でした。

 その内容はレースでの脚質と違い、いつも追いかけるもの。そして内か外から差してきますが、今回は内からでした。横山典弘騎手が跨っていましたが、最後は少しだけ前に出てゴールしたように見えました。もちろん手応えは余裕。動きに関しては申し分ありませんが、調教量ということになれば、前走からのレース間隔を考えると物足りないところはあります。

◆次走要注意

・4/8 阪神牝馬S【アドマイヤリード】(3人/2着)

 1000万下、1600万下では4走続けてメンバー最速上がりをマークしてきましたが、今回もミッキークイーンと並んでメンバー最速上がり。内を回ったことが2着好走の要因だと思いますが、そういった器用さを見せたところは次走につながります。

 今回と同じように1週前に速い4F時計をマークして、最終追い切りはラスト1F最速ラップを踏む。これで仕上げることができ、レース当日の馬体重があまり減ることなければ、ヴィクトリアマイルでの好走も可能でしょう。

[メモ登録用コメント] [ヴィクトリアM]最終追い切り栗東坂路で4F目最速ラップなら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・皐月賞【プラチナヴォイス】
 大きく離れたところからウインフェルベールを追走。最後の直線まで並ぶことはなく、直線途中で追い抜くような形での変則併せだった最終追い切り。

 その動きは当然抜群の内容で、時計自体も速くなりました。明らかに小回り直線短いコースが合うはずなので、ここは馬券的にも絶好の狙いだと思います。

【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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