▲テイエムオペラオーに対して「絶対に謝らんとこうとは思いました」と語った和田騎手。単なる感謝だけではない、その思いとは。
5月17日にこの世を去ったテイエムオペラオー。GI・7勝の金字塔を打ち立てた同馬の栄光を偲び、主戦騎手を務めた和田竜二騎手にいま改めて、その思い出を振り返っていただきます。
またnetkeibaではユーザーの皆様から、和田騎手とテイエムオペラオーへのメッセージを募集。頂戴したたくさんのあたたかなメッセージを和田騎手にお届けしました。
本日はそのインタビューの後編を公開。「今の自分がオペラオーに騎乗したら」や、オペラオーへの感謝の思いを語っていただいたほか、ファンの皆様へのメッセージもいただきました。(取材・文:不破由妃子)
「オペラオーの和田」を応援してくれた皆さんをガッカリさせないように
──テイエムオペラオーが引退して17年。もうそんなに経つのか…と愕然としましたが、和田さんにとってはどんな時間でしたか?
和田 今もそうやけど、常にもがいていたような気がしますね。17年か…、アッという間やね。
──やはりオペラオーを超える馬に出会うことが最大のモチベーションですか?
和田 そうですね。まぁ、そういう馬に乗せてもらうこと自体が難しい時代ですけどね。もうオペラオーのような馬は出てこないんじゃないかという思いもどこかにあるんやけど、もし似たような馬に出会えたら、そこで今の自分がどんな騎乗ができるのか、それはちょっと楽しみです。
──以前、「今の技術を持ったまま、もう一度あの頃のオペラオーに乗りたい」とおっしゃってましたよね。
和田 うん。でも、今改めてあの頃のレースを観ると、割と上手く乗っていたというか、少なくともオペラオーの邪魔はしていなかったなと思う。でも、その後はやっぱり馬の邪魔をしてしまうことがあって、それが少なくなってきたから勝ち星が増えたんだと思うんやけど、今は邪魔を超えて、馬に対して「俺についてこい!」みたいな騎乗をしているから、それがオペラオーに合うかどうかはわからへんけどね。とにかくあの頃は、「オペラオーの邪魔さえしなければ勝てる」っていうのがあったから。
──勝負どころでどんなに包まれても、最後は必ず抜けてきましたものね。グランドスラムを達成した年の有馬記念など、絶望的とも思える位置からオペラオーが自ら進路を探して伸びてきたように見えました。
和田 あれも馬に勝たせてもらったレースやね。抜け出すと遊ぶところがあったからいつもヒヤヒヤしてたけど、最後は絶対に捕まえてくれた。でも