カノヤザクラ(父サクラバクシンオー)が抜け出し、これで牝馬の4連勝。ここまで8回のうち牝馬が6勝となった。3歳馬の善戦好走と合わせ、ほとんど各馬に差がつかない距離だけに「斤量」の差は考えられる以上に大きいことを示している。
ここ2年とは違って絶好の良馬場。フルゲート18頭立て。ダッシュを利かせて飛び出したグループの最初の2Fは21.7秒。少しなだめるくらいで最初の2Fを乗り切るのが速い時計を記録するバランスの取り方と考えられているが、今年はほんの少しだけきつかったろう。外から好スタートのサープラスシンガー、斜めに外に向かってきたクーヴェルチュールなどの最初の2Fは、日本レコードの53.7秒を記録したカルストンライトオの前半2Fを上回っている。
結果、この2頭の後半3Fは32秒台の後半に落ち込んだ。その直後から差す形になった上位3頭の後半3Fは31.7〜32.2秒。みんな苦しくなってからの詰めに影響している。それを考えると、寸前で4着に落ちたが8か月ぶりで粘ったサープラスシンガーのスピード能力は光る。真っ直ぐにコースを取ることができた外の16番枠の利以上に、示したレースの中身は濃い。このあとの短距離戦線では目が離せない。
カノヤザクラの第一の勝因は、懸念のスタートで出負けしなかったこと。みんな外に寄ってきたが、最外の18番枠も味方し、包まれることなく追走できたこと。また、そうテンのダッシュ力があるわけでもないため、同馬の最初の2Fは22.0秒。この重賞を速い時計で勝った馬の前半と、そっくり同じになったことも結果として快勝の大きな要因だったろう。
今後の短距離戦線を考えると、理想のパターンにはまった今回は「53.9〜54.0秒」くらいの記録の裏付けが欲しかった気もするが、北九州記念1200mに向け、さらにはサマースプリントチャンピオンに向け、一気に展望は明るくなった。
2着シンボリグランは外に出すこともなく、最後はガラッと開いた中ほどを力強く伸びてきた。同馬の後半3Fは31.8秒。6歳馬ながら再三出走した1200mの最高時計が1分08秒4にとどまるあたり、この距離はどうかと思われ10番人気の伏兵だったが、直線1000mは血統が示す通りに合っていた。ただし、来年まで待たないとこの直線1000m重賞はないから残念。1400mもこなし、1600mのGIでもあと一歩だったから仕方がないが、ひょっとすると平坦の直線競馬ではもともとトップランクのスプリンターだったのかもしれない。
明らかに不利な1番枠から、メンバー中最速の31.7秒で伸びたアポロドルチェは逆にまだまだこれからの3歳馬。1200mの経験も少なく、まして初の1000mの今回は最初の行き脚がつかなかったが、豊かなスピード能力を見せつけた。坂のあるコース向きとはいえないだろうが、1200〜1400mの重賞にはすぐ手が届きそうだ。
期待したマルブツイースターは復調したと思えたが、当日の気配もう一歩。外枠から好スタートを切れたが、リズムに乗れないまま外に寄ってきた他馬に前に入られてしまった。1000mはこなせるはずだが、1200〜1400m向きなのだろうか?
同じ3歳エイムアットビップはダッシュを利かせて、前半2F21.8秒。ここで無理がかかったこともあるが、スピード系には違いないものの、さすがにスプリンターというタイプではないように思える。
独特の直線1000m。18頭立てになるとそれこそ迫力満点の痛快なレースが展開されるが、日本一狭い新潟コースの幅員25mでは、馬群が芝コンディションのいい外に寄って固まりすぎるため、かなり危ないレースになりつつあるのではないかとも感じた。
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