武豊騎手、木幡騎手、土谷騎手が3レースで落馬事故に巻き込まれたが、不幸中の幸い、良くあの程度のケガで済んだものだ。大事故になった危険もあった。
その武豊騎手のラスカルスズカが田中勝騎手に乗り代わっての中山記念。結果は、ラスカルスズカはちょっと脚を余しての3着にとどまる形になったが、スパートのタイミングや位置どりなど非常に難しい馬で、田中勝騎手はうまく乗った。行きたがるのをうまくなだめて切れ味を引き出している。四コーナーでちょっと外に出すロスがあったため3着にとどまったが、上がり34秒2。これで復活なった。このラスカル、やはり中距離の方が合う。また方針を変えて天皇賞(春)に向かうのは正解ではない気がする。
勝ったトウカイポイントはセン馬になった昨秋、もう一回りの飛躍を思わせたあと伸び悩んでいたが、スムーズな右回りで大きく変わった。坂上で外のトラストファイヤーに並ばれたところでもう一回伸びている。かつての激しいイレ込みもなくなった。6歳の春になっているが、まだ馬体も十分に若い。
トラストファイヤーの江田騎手が思い切ってタメ、先行馬崩れのきびしい流れをフルに利したが、それでも1分45秒4(上がり33秒9)は立派。3歳夏のたんぱ杯は恵まれた感もあり、レベルは低かったが、これだけの能力を示せばトップクラスに入ることが出来る。
武豊騎手を欠く春シーズンになるのは残念だが、全治6ヶ月とはいえ、あの程度のケガで済んで良かった。もっと大事故になる危険もあった落馬だった。
60キロのエイシンプレストンは、斤量がこたえたと同時に、大事に早めに動いたため切れがなし崩しになった。60キロでは能力上位という評価はできない。