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桜花賞

  • 2002年04月08日(月) 11時45分
 大接戦が予想されたが、力量が認められていた中では(G1阪神ジュベナイルF2着)、最も苦しいと思えた伏兵アローキャリーの大逆転だった。

 同じ山内厩舎の逃げ馬サクセスビューティがいたため、今回はブリンカーを外して逃げの手は打たない作戦。不利かと思えたが、アローキャリーはもう11戦もキャリアがあり、かえって息が入りスムーズに追走できた。

 もともと逃げ一手ではなかったとはいえやむを得ずの作戦変更がプラスとなってしまうのだから、3歳春の牝馬は難しい。

 ただ、終ってから考えると、今年みんな苦しい競馬を経験していない中にあって、アローキャリーは前走のアネモネSで、45.0秒−57.0秒で流れたマイル戦を一気に引っぱって逃げている。また12月のフェアリーSでは、1200mの前半を32.7秒で行き、サーガノヴェルの0.6秒差に踏みとどまっている。

 似たような平均、スローの競馬のステップレースが連続した中、アローキャリーが一番苦しいレースをしていたとはいえる。

 2着ブルーリッジリバーは4コーナーで少しつまずいたとはいえ、早めの関西入厩が成功、力は出し切った。3着シャイニンルビーは、発表された22キロ減の馬体重ほどは細くみえなかったが、直前輸送は初めて。一気にカイ食いの細さが響いた。直前輸送には時にはプラスもあるが、これは失敗した。

 タムロチェリーはインを引き、まったく動けなかった。こういう難しい馬に、これも直前の鞍上スイッチは作戦の失敗だろう。

 桜花賞とオークスは、最近になるほど強く結びついている。もうみんなマイラーや、中距離型の時代だからだ。ただし、今年の桜花賞のゴール前を見ていると、桜花賞上位グループにオークスでも走れる馬は1頭もいない。オークスは一気に勢力図が変わる。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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