大混戦が予測されていた今年のオークス。出てきた結果はやっぱり難しいものだった。勝ったスマイルトゥモローは、ヘルスウォールなどとともにパドックで激しく発汗し、もっともテンションの高かった伏兵。イレ込みにも近かった。吉田騎手は折り合うことだけに専念。ずっと後方のインにひかえていた。
レースの流れは前半49.2−61.8秒。1200m通過1分14秒5(後半は1分13秒2)。
かなりスローで、力のある先行型がいればそのまま残って不思議ないペースなのだが、4コーナーをほとんど最後方に近い位置からインをついたスマイルトゥモローが、直線はぽっかり開いた内寄りから、一気に抜け出してみせた。2分27秒7。
ふつうのトップクラスの牝馬なら、楽々とマークできそうな時計で、事実、3歳1勝クラスの同日6Rは2分27秒9だった。
ところが、牝馬のトップグループは、ここまでの春シーズンですでに厳しいレースを重ねているから、能力のあると思われたグループがみんな2分28秒台(上がり36秒台)ぐらいしか走れないのだった。
2着したチャペルコンサートは、桜花賞は7着(スマイルは6着)。非力なスピード型にみえ、当時は◎に期待した私も、すっかりあきらめてしまった。パンチ不足にみえた。
それが、熊沢騎手のファイン・プレーもあったが、好位のインでずっと折り合い、一度はしぶとく抜け出してみせたから立派。しかし、このぐらい(2分27秒9)なら、どの馬でも走れると思うのだが、難しいものだ。
直前に好走し、反動の考えられたグループはみんな凡走だった。また、ユウキャラットは相手強化もあったが、少々弱気。肉を切らせなくては、先行馬はG1は勝てない。
さらに、人気のシャイニンルビーは、体は12キロ戻っていたが、仕上げるのではなく、鍛える手法や調整でなければ、クラシックは勝てないことが改めてはっきりした。