勝ったのはビリーヴ(父サンデーサイレンス)で、決して武豊騎手ではないのだけれど、いまさらながら武豊はすごい。新装となった新潟は初めて。いきなり2Rで外回りの直線を巧みにこなして勝ち、イン強襲もあれば、内回りでまくって見せたり、大外一気を決めたり、当り前のように5勝。
ビリーヴもスタートが一番速かった。最初からピタッとショウナンカンプをマークし、少しの隙もなかった。内回り、外回り、そして各種の距離に乗った結果、1200mの内回りでオープン馬が対戦すれば、とてもではないが追い込むことなど無理(先行型は失速しない)と、わかってしまったのである。
ビリーヴ自信も差し馬ではなく、前走の1分7秒1のレコードが、前後半33.6−33.5秒。そしてこのG1が1分7秒7(34.0ー33.7秒)。自分のバランスを保ち、後半を決まって33.5〜6秒でまとめて抜け出す馬として完成されている。
これでもう5度目の1分7秒台の1200m勝ちだが、たぶん、5回も1分7秒台で勝ったのは、日本で初めてのはずだ。香港のG1スプリントでも勝ち負けになる。
アドマイヤコジーンは開催の後半で、1分7秒台の後半になったのが良かった。最後に叩き合う形に持ち込めたから、ショウナンカンプに競り勝てた。ショウナンカンプは逆に、1分7秒台後半(馬場差1.0秒前後)は不利だった。前半3ハロン33.7秒というのもおそらく不本意で、本当は高松宮記念のように32秒台で一気に飛ばしたかった。そういう馬場ではなくなっていたこともあるが、引きつけすぎ、ビリーヴにもアドマイヤコジーンにも、楽をさせてしまった一面もある。
以下は4馬身も差がつき、サッと行けない馬は、新潟内回りの1200mではとてもレースにならないことを示した。