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シンザン記念へ

  • 2003年01月20日(月) 20時41分
 去る1月11日〜13日は、二泊三日の日程で京都競馬場に出張していた。「シンザン記念」の表彰式に参加するミスシンザン(女性二人)を伴ってのことである。

 毎年8月の第一土日にここ浦河町で開催されるシンザンフェスティバル。そのイベントでは、二人ずつミスシンザンというマスコットガールを選出している。昨年の第17回には、伊藤広子さん(22才)と佐藤枝里子さん(21才)が並みいるライバルを蹴落として、見事第17代のミスシンザンに選ばれた。
 
 そのミスシンザンに選出されると、様々な特典が与えられるが、その最も大きな副賞が、今回の「京都競馬場出張」なのである。

 毎年1月中旬に京都競馬場ではシンザン記念が実施される。その表彰式に列席すること、テレビ出演などが彼女たちの主な仕事だ。
 
 ミスシンザンへの応募者には、そのあたりのことも一応説明をして、京都への出張が仕事の都合上から可能かどうかと問い質すことにしているのだが、実際にミスに選出されて京都競馬場へ出発する間際になると現地での大変な役割に恐れをなす例が少なくない。過去にも、ここだけの話だが、シンザンが果たして牡馬なのか牝馬なのかさえ知らないようなミスシンザンもいたほどだから。

 単純に「京都へ行けるんだ」と思ったら、実はほとんど自由時間などない強行日程が組まれていて、がっかりしたなどという声も過去にはなかったわけではない。しかし、これはご褒美の慰安旅行などでは決してなく、実は大事な「仕事」なのだということを説明するのに骨が折れたことも再々あったものである。

 さて、一行は二人のミスを含めて計六人。伊丹空港に降立った私たちはさっそくJRAから支給されているタクシーチケットを使い、まず京都競馬場へと向かった。11日の土曜日には、最初のテレビ出演(KBS京都)と、挨拶回りが待っている。

 普段はまず絶対に入れない競馬場の7階ゴンドラに案内されて、私たち随行の男性陣は競馬場の売り上げにほんのちょっぴり「貢献」する。

 その間ミスシンザンの二人は、制服に着替えてテレビ局のスタジオで生出演。すると、どこからともなく詩人の志摩直人先生が現れ、「今年のミスシンザンも綺麗だね」などと声をかけて下さった。

 夜はJRA側の接待で祇園の料亭へと案内される。毎年思うことだが、はるばる北海道から出かけてきた私たちを歓迎していただく京都競馬場の関係者には、つくづく頭が下がる。

 翌日は、いよいよ本番のシンザン記念の日である。ホテルを出発して競馬場到着は午前10時半。今年は密かに一組のご夫婦をゴンドラに招待していた。昨年、当コラムを読んでシンザンフェスティバルの馬上結婚式に応募し、当選して北海道で式を挙げた京都市のY貴之さんとゆかりさんの二人を呼ぶことにしていたのである。

 8月に結婚して以来5ヶ月が経過したY夫妻は、ほぼ毎週京都競馬場に足を運ぶほどの熱烈な競馬ファンだが、さすがにこのゴンドラには上がったことがないとのことで、しきりに「すごい部屋ですね」と連発していた。その甲斐あって、さっそくY夫妻は3連複249倍をいきなり取って(500円)、軍資金もばっちりと稼いで1日競馬を楽しんで帰った。私が言うのも変だが、これも「ファンサービス」の一環である。

 この日のミスシンザンは関西テレビに出演し、シンザン記念終了後は勝ち馬のサイレントディール関係者への花束贈呈などをウイナーズサークルでお手伝いした。かねてよりファンだった武豊とも記念撮影ができたことで二人とも大満足の様子だった。

 彼女たちをテレビでご覧になった方もおられると思う。また来年のシンザン記念には、第18代のミスシンザンが競馬場に出張する予定だ。今度はどんな二人が選出されるだろうか……。

岩手の怪物トウケイニセイの生産者。 「週刊Gallop」「日経新聞」などで 連載コラムを執筆中。1955年生まれ。

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