芦毛のレイナワルツは、快速の種牡馬ミスタープロスペクターの3×3という強烈な血のクロスを持っている。悪い方に出るとダートの低条件に低迷しそうなきつい配合だが、この馬、ダートではたいしたことがなく、芝に方向転換して一気に鋭い切れとスピードが前面に出てきた。
またこの芦毛の牝馬は、父ブラックタイアフェアーも芦毛。母レイナロバリーも芦毛という、オグリキャップや、シービークロスと同じ芦毛のクロスになる。ひょっとすると、もう真っ白なくらいだからその芦毛は結合型で、産駒はすべて芦毛に出ることになるかもしれない。
母レイナロバリーは、95年のこのトライアルレースで5着。安藤勝己騎手のライデンリーダーが勝った年のことで、期待されたがレース中に故障しそのまま引退している。
その母グランドウイナーも桜花賞の直前になって故障し、早々と引退に追い込まれた馬だった。ふつうにいうと、母娘3代にわたっての桜花賞出走の希望をぜひこの馬でということになるが、私の場合はそのさらに母になるウーマンパワー(父は芦毛のシルバーランド。シンザン産駒)も良く知っている。
82年、リーゼングロスの勝った桜花賞に伏兵として出走、小屋敷騎手が乗り、12番人気で7着だった。ウーマンパワーの無念まで、その芦毛を受け継いだレイナワルツに晴らしてもらおうというのだから大変だ。人気薄のウーマンパワーの本命の凡走を、20年たって取り返そうとしているのである。
流れは速くなりそうだ。前走、芝1200mで前半モタモタしながら、上がり35秒0で一気に伸びている。福永祐一騎手も今季、クラシックに向けてのトライアルで再三有力馬を路線に乗せ絶好調。芦毛の伏兵の直線一気の台頭に期待する。