スマートフォン版へ

フィリーズレビュー

  • 2003年03月17日(月) 12時17分
 ヤマカツリリーは12月のG1阪神JFでピースオブワールドの0.2秒差2着に粘ったしぶといタイプ。Aランクの勝ち馬が不在となったあと、押し出されるように人気になるのはつらい立場で、また今回は安藤勝人気も重なっていたが、それに応えたから立派だ。

 この日、阪神には芝のレースが少なく、9Rの1000万特別の1600mが1分36秒0。約1秒は時計がかかっている稍重だったことを考えると、1分22秒7の勝ち時計も基準に達しているとみていいだろう。馬体重はマイナス2キロ。本当はこの時期、増えていて欲しかったが、全体にはふっくら見せていた。本番も安藤勝が騎乗する公算が大きく、チューリップ賞2着のスティルインラブとともに、桜花賞路線を一歩リードの形だろう。

 2着モンパルナスは、理想の単騎逃げにはならず、2番手抜け出しの形。この形でもスピードが生かせ、自身のラップは前半46.3−上がり36.5秒。まだ1400mまでの経験しかないが、前半の800mを46秒そこそこで行ってこの上がりなら立派。マイル戦へのメドは立った。体がふっくらしてきたのも良く、決して一本調子でもない。今年、主力は差し馬に集中する可能性が高く、本番でも先行しての粘り込みは十分ありえる。松永幹騎手のもっとも得意とするパターンだろう。

 期待したレイナワルツは、あと一歩の伸びを欠いて3着。スムーズに好位のインを追走したが、追って自身がフラフラしていた。直前の追い切りでも変に手前を変えたり、フラつく気性難をみせていたが、このレースでもそれが出てしまった。バテたわけではなく、3着で出走権確保はOKでもいいが、追って伸びる面が欲しかった。

 4〜5着馬はごく順当。13着にとどまったトーホウアスカは、休養をはさんで2回、まったく違うレース運びで凡走しただけに、桜路線からは大きく後退した。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング