人気を2分したサンデーサイレンス産駒のネオユニヴァースと、サクラプレジデントのマッチレース。1分48秒2の時計は決して速くはないものの、上がりは12.1−11.6−11.6秒=35.3秒の決着で、とくにネオユニヴァースにはまだまだ余力があった。
ネオユニヴァースはサンデー産駒としては非常に落ち着いた気性で、やや地味にも映るが、レース運びには安定感があり、ここまで大崩れしたことは一度もない。きさらぎ賞でサイレントディール、マッキーマックスを封じ、今回はサクラプレジデントを完封。この路線がトーナメントにも近い戦いであることを考えると、ここにきて急速に評価の上がった有力馬といえる。ハイペリオンのクロス(5×4)を持つ母には、タフな欧州の長距離型の血が流れ、底力を伝えるのだろう。スパッと切れる爆発力はないが、ジワジワ確実に伸びる。デムーロ騎手向きであると同時に、今年の中山の芝向きだ。
サクラプレジデントは休み明けとあってややテンションが上がりすぎていた。前半のスローで行きたがる面を見せ、3コーナーすぎまでかなりロスしている。ネオユニヴァースには外からスッーとかわされてしまったものの、テン乗りで、ちょっと苦しいローテーションを考えると、この1馬身ちょっとの差は十分に逆転可能だろう。次はかかる心配は少ないだろうが、持って行かれる騎手は合わない。折り合いの巧みな騎手向きだろう。もっと馬体重は増えているかと思えたが、きっちりできていたから反動の心配はない。
伏兵陣はサクラプレジデントから2馬身半差。流れを考えると、どの馬も力を出し切れる平均ペースだっただけに、この差は決定的だろう。スプリングS組では、着順通りに上位の2頭だ。